イーハトーヴの風 宮沢賢治の世界

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法華経で読み解く宮沢賢治作品、宮沢賢治を通じて芸術のあり方を模索します。鎌田としきの展覧会、行事案内、イーハトーヴ芸術協団の話題など

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メルマガ名
イーハトーヴの風 宮沢賢治の世界
発行周期
不定期
最終発行日
2017年06月22日
 
発行部数
70部
メルマガID
0000018151
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 美術・デザイン > その他

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== イーハトーヴの風 宮沢賢治の世界 NO.162=============

「これからの宗教は芸術です
これからの芸術は宗教です」(宮沢賢治)
 〓芸術で時代に光を〓
====================================
□□□□
■■主な項目

………▼宮沢賢治と「維摩経」
   ▼後記にかえて

…………………………………………………………………………………………
▽宮沢賢治と「維摩経」

 今NHKEテレの「100分 de 名著」という番組で、「維摩経」が放映されています。 
 「維摩経」は、大乗仏教経典の中でも、「法華経」と共に、大乗仏教の真理が説かれてい
る有数の経典です。
 聖徳太子の三経義疏でも、『勝鬘経』『法華経』と共に、この「維摩経」が選定されてい
ます。
 「維摩経」は、数々の大乗経典の中でも、やや珍しい構成で成り立っています。
 というのは、大乗経典の殆どは、お釈迦さんが説法するパターンが普通ですが、この「維
摩経」では、在家の維摩が説法するという構成になっています。
 お経の大意は、菩薩というものは、大所高所から法を説くのではなく、一般大衆の中に入
って、菩薩業を実践するのが本来のあり方であるということを重点的に説いたものです。
 そして、在家の維摩を通して、仏教の高邁なる「空」の真理が説かれています。

 物語りの発端は、維摩が病気で伏せっています。
 ただし、この維摩の病は、一般大衆の病んでいる因縁を、自らの身に具現したもので、
「衆生病む故に我病む」という体のものです。
 実は、維摩の本地は、その前世に妙喜国という国ですでに成仏しているものが、現世に出
現したもので、病気になっているのは、衆生を教化するための方便です。
 さて、お釈迦様は、自分の弟子たちに、維摩のお見舞いに行くように命じます。
 ここには、釈迦十大弟子と呼ばれる、舎利弗や迦葉や文殊菩薩などの有数の菩薩たちが集
まっていました。
 お釈迦様は、一人づつに、維摩のお見舞いに行くように命じるのですが、なぜか皆これを
辞退します。
 その理由は、維摩の悟りのレベルがあまりにも高邁なので、とてもお見舞いの言葉が見当
たらないというわけです。
 ついに最後に指名された、釈迦の弟子の中でも、智慧第一といわれる文殊が、維摩のお見
舞いに赴くことになったのであります。
 他の弟子たちも、滅多に聞けない、維摩と文殊の問答が聞けるということなので、大挙し
て、お供することになったのであります。
 文殊を迎えた維摩はいきなり「文殊師利。不来の相にて来たり。不見の相にて見る。」と
いう謎めいた言葉で出迎えたのであります。
 この「維摩経」は、仏教文学としても、なかなか読み応えがあり、私は、今までにも何度
も拝読しています。
 興味のある方は、現代訳の本も出版されていると思うので、是非一読して下さい。

 さて、宮沢賢治は、この「維摩経」に接していたのでしょうか、また何らかの影響を受け
たのでしょうか、興味深いものがあります。
 というのは、私は「維摩経」を読んでいて、維摩と賢治がよくオーバーラップするところ
があるのです。
 賢治は、熱烈な法華経信者でしたが、出家したのではなく、在家仏教の国柱会に入会して
います。
 また賢治の生き方は、大所高所から法を説くのではなく、自ら農民の中に身を投じ、真理
を実践するという生き方を望んだのです。
 結論から言いますと、賢治はもちろん「維摩経」を読んでいますし、少なからずその影響
を受けたものと思われます。
 今言ったように、在家の立場で、賢治も病気と闘いながら、真理探求の道を歩んだという
因縁は、よく似たものがあります。
 賢治が「維摩経」を直接引用した書簡があります。
 大正7年親友の保阪嘉内に当てた手紙です。
 「保坂さん、あなたが東京で一心に道を修して居る中には奇蹟めいた ことが起こることも
ありませう。けれども一寸油断すると魔に入ら れます。唯摩経にある菩薩の修行して居る所
へ帝釈が万二千の天女 を従へて法をきゝに来てその菩薩が法を説いてゐると唯摩が来てこれ
は魔王で帝釈でないと教へた事がありました。魔の説く事と仏の 説くこととは私共には一寸
分りませんでせう。 」
 大正7年の書簡ですから、賢治は早い段階で、この維摩経を読んでいたようです。

 また「装景手記手帳」と呼ばれている中に、維摩が出てきます。

「蒼い地平線が或る土の弾性をもち
従て地面が踏みに従って
ゴム或はアスファルトの
程度の弾性をもつこと乃至
ヒンヅーガンダラの乃至西域
人々もこれを望み
近代の多くの造園家たちも
これを考へる
然るに或る平均的に不変な剛性をもつ地殻を
更に任意に変ずることは
今日の世界造営の技術の範囲ではあらぬ
それを決定する因子は
大きく二つになってゐる
一つは仏の神力により
一つは衆生の業によると
さう
われらの先住文化の帯有者たちも考へ
またわたくしもさう思ふ

乃至そこに美しからぬ
林藪卉木なく
受用に適せぬ産者のないことは
……
タキスの天に
ぎざぎぎにそゝり立った青い鋸を
維摩居士は
人に高貴の心あるが故であるといふ
(すべてこれらの唯心論では
 風景がことごとく
 諸仏と衆生の徳の配列
 であると見る)
それは感情移入によって
仮に生じた情緒と外界との
最奇怪な混合であると
皮相に説明されるがごとき
さういふ種類のものではない
はんの木の群落の下に
すぎなをおのづとはびこらせ
やはらかなやさしいいろの
budding frenを企画せよ
それは清冽な使徒告別の図の
がくぶちにもなる
Peasant Girls
電線にとまる小鳥のやうに
みなわれらのまはりの座席にちらばる
この平野は巨きな海のごとくであるが故に
あちこち台地のはじには
白い巨きな燈台もたち
それはおのおの二千アールの稲の
夜の健実な成長を
促すための設備である

諸界この国土の
装景家たちは
この野の福祉のためには
まさに命を堵ねばならぬ

何たる秀でしよき実であるか
この春寒さでLargo融け
且つ雷ありて硝酸そゝぎかゝったのだ
グランド電柱を去る
Peasant Girls小鳥のやうに
座席を立って降りてゆく
─Peasant Girls
 グランド電柱にとまる小鳥のごとく
 来りて座席につきにけり─
─〃
       去りにけり─
─Peasant Girls
 Gland電柱にとまる小鳥のごとく
 座席につかんとしたれども
 みないかめしくとざされたれば
 肩をすぼめて立てりけり─

粟と稗とは救荒作物として
ひとの食ふものであったが
いまはことごとく
インコ十姉妹等小鳥の飼料となり
黒い貨車の幾千輌が
それをぜいたくな東京や京阪地方へ運んだ
そして地方の百姓たちは
稗の代りに
陸稲の餅や
組合の機械を使って
じぶんで精白した米をたべてわらった

巨きな片麻岩の
山塊の名残りが
夜といっしょに霧や
海気のなかに漂ふころ
奇怪な形の」

 ここには、「維摩経」の、「現象は心の現れである」という思想が垣間見えます。
 賢治は、あらゆる大乗経典に通じていたと思います。
 そして、その難解な真理を、童話という形式で、誰にでもわかりやすい言葉で伝えよう
とした、そのことそのものが菩薩業といえるのではないでしょうか。
 
…………………………………………………………………………………………
▽後記にかえて
 
 ずいぶんと発行があいてしまいました。
 理由は、単純に忙しかったためです。
 楽しみにして頂いている読者の方にはお詫び致します。
 最近ピアノを始めました。
 独学というよりも独習です。
 子供が初期の段階で勉強するブルグミュラー当たりから始めていますが、60の手習いでは
なかなかうまくいきません。
 ピアノは、右手でメロディーを弾き、左手で伴奏を弾くのですが、この右手と左手がなか
なか合わせられません。
 1年に1曲でもまともに弾ければと思っているのですが、さて達成できますでしょうか。
 賢治も、オルガンとチェロを独学で習得していますが、単純にすごいと思います。
 その練習の速度も並外れていたようです。
 やはり独学で習得しようと思えば、それぐらいの尋常でない取り組みが必要でしょう。
 とりあえず音楽に親しむことを第一の意義と考え、まずは気長に楽しんでいきたいと思い
ます。
 
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2017年6月22日発行
発行者 鎌田敏輝
URL「料紙で彩る宮沢賢治とイーハト―ヴ」http://ihatov.la.coocan.jp/index.htm
Eメール kamata-ihatov@nifty.com

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