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§§ 週刊 中小企業IT・ネットビジネス110番 §§ 第368号(2011/8/23) 

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 ■■■ 書く判断書かない判断、オフレコについて考える ■■■


東日本大震災から2ヶ月以上が経過して街角では落ち着きを戻していますが、日常
前にありましたが、大臣の辞任に伴いオフレコ取材に関して取り上げます。

オフレコは談話を公表しない・または非公式とするものですが、取材やインタビュ
ーのときに「あらかじめオフレコであることを宣言する」「そこに居る記者全員が
了解する」ことを前提として行われます。政治だけでなく警察・検察・企業(合併
は漏れると話が流れてしまう:新商品に関するものはデメリットが大きいため)で
多いものです。

分かりやすい例として、取材活動で裏を取るためにインタビューをする際に、
「そこは少し違います。真相はこうです・・」と経緯やバックグラウンドなどを説
明し、「こういう事情ですので、表に出すのは勘弁してくださいよ」
という流れで、しばらく温めておくのは珍しくありません。

大臣や官公庁は公務員ですので、審議中の内容など意思形成過程の情報をリークす
ると公務員法に抵触します。中には食いつきを良くするため、情報戦として書類や
資料をつけた意図的なリークもありますが、知っていても書かない、ということ自
体は理解できるものです。オフレコは歴史的に古く、戦前の日独伊三国同盟で協議
が暗礁に乗り上げた際は当時海軍次官だった山本五十六氏のところに取材し、「イ
エスかノーかは答えるから、信義は守って欲しい」突っ込んだやりとりを、顔見知
りの記者に腹蔵なく語ったとされています。

オフレコを記事にする場合、
・取材者から「書いても良い」といわれた場合
・情報が一定程度期間が経ち、出しても問題がないとあうんの呼吸でわかった場合
・発言者が匿名の場合
・スクープの場合、他の同業者が嗅ぎ付けて記事にしようとする寸前
・オフレコを守るより出したほうが公益にかなう場合
・情報戦として発言者の政治的・社会的企図を実現する場合

がありますが、例えば高杉良氏の小説「大合併」では資本自由化を前にした第一勧
業銀行の合併で、日本経済新聞の記者が情報をかぎつけても様子を見ていた、時と
してプレーヤーとして情報将校の役目を果たしていたことが美談とされています。

先日はオフレコ問題で辞任した大臣がいましたが、真意は諸説及び憶測があり、同
氏の経歴・当選回数からしてオフレコに関して全く知らないとは到底思えません。
また事前に記者が了解していませんので、そもそもオフレコではありません。


大臣辞任の本質は、東北放送のYoutubeがTwitterなどで拡散されて150万回以上
閲覧されてから批判が高まり、ワイドショーを経てから新聞報道で報じるようにな
りましたが、特に大手新聞の自主規制が問題をより大きくしたことは確かです。

オフレコは難しい側面があり、特に今回の一件で露呈しましたが
・公の利益になるため禁をおかして書くものの、それが発信者の企図に乗せられて
しまう
・発信者から「書いてくれ」というニュアンスがあっても、自主規制で沈黙してし
まう
・慣行で取材メモを各社記者で交換・確認している以上、出す出さないといった判
断さえ横並びになりやすい

といった課題を同時に抱えています。今回の震災やその後の社会的な出来事などを
通じて、批判することは容易ですが、良し悪しは別にしてメディアの体質が白日に
さらされた意義は大きいものと考えます。情報を受取る側のメディアリテラシーを
涵養していくには、インターネット動画やソーシャルメディアなどの普及に伴い、
こうしたプロセスが見えつつある状況になってきているため、報道機関内部の動き
やニュースが生成されていくプロセスなど内幕は、ある程度把握する必要がある時
代に変わっていることを念頭に入れる必要があります。




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