ヴェスター

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ラルフ達主人公の友情と恋愛、そして戦いを描いた新しい形のSFファンタジー。エミリーを助けるべく、ヴェスターに乗り込んだラルフ達の前に、皇帝アーリアの罠が次々と立ちはだかる。果たしてラルフ達は、エミリーを無事に救出できるのか?全てを賭けた戦いが今始まる。

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メルマガ名
ヴェスター
発行周期
毎週火曜日、土曜日
最終発行日
2013年03月13日
 
発行部数
0部
メルマガID
0000160158
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 文芸 > 小説

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メールマガジン最新号

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
  ヴェスター(Vester) : Vol.385
  発行日:2013/03/13
  発行元:VesterProject
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◇第385話 新たなる出発◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「いいよ、私が、お兄ちゃんとニーナお姉ちゃんの子供を産んであげる。」
 エミリーはそう言うと、できる限りの笑顔を作って、ラルフとニーナに答える。
 そのエミリーの笑顔を見た瞬間、ニーナの目に涙があふれる。
「ゴメンね、エミリーの人生に、私達の重荷を背負わせることになっちゃって。」
「重荷なんかじゃないよ。」
 エミリーは、笑顔でラルフとニーナに答える。
「私だけが、この5年間、ずっと時間が止まったままだったんだ。
 なんだか、私1人だけが、取り残されてる。
 そんな感じだったんだ。
 だから、これは、きっと私が前に進むための、いいきっかけになると思うんだ。
 それに、お兄ちゃんとニーナお姉ちゃんの子供だもん。
 私、頑張って、2人の子供を育てたい。
 そうすれば、きっと、お兄ちゃんやニーナお姉ちゃんに会えない寂しさも
少しは癒せると思うんだ。
 私も、きっと前に進めると思うんだ。」
 エミリーはそう言うと、ラルフとニーナに向かってニコッと微笑む。
「エミリー、ありがとう。私達の赤ちゃんを、よろしくね。」
 次の瞬間、エミリーのお腹に、巨大な光がスーッと入っていく。
 だが、痛みも苦しみも、特に何も感じなかった。
 ただ、2人の子供が、自分のお腹の中に宿ったんだ。
 その実感だけは、強く感じていた。

「心配しないで、お兄ちゃん、ニーナお姉ちゃん、
 私、きっと立派に育てて見せるからね。」
「正直、エミリーに子供が育てられるのか、不安だなあ。」
 ラルフがそう言うと、エミリーはムスッとした表情を浮かべる。
「もう、私は立派な大人だよ、バカ兄貴。」
「本当か?
 体は大人でも、精神年齢は、まだまだお子様なような気がするけどな。」
 ラルフがニヤリと、エミリーに毒を吐くと、エミリーも負けじと反撃する。
 いつ以来だっただろうか。
 こんな、ごく普通の兄と妹の会話をするのは・・・
 ラルフに毒を吐きながら、エミリーの目から、再び涙がこぼれる。
 そして、ラルフの目からも、涙がこぼれる。

 そして、しばらくして、ラルフとニーナの体が、輝きだす。
 別れの時間が来たのだ。
「ヤダヤダ、お兄ちゃん、ニーナお姉ちゃん・・・まだ行かないで・・・」
 エミリーはラルフとニーナにすがりついて号泣する。
「エミリーは・・・もう、大人じゃなかったのかよ・・・」
 ラルフはそう言うと、エミリーをギュッと抱きしめる。
「エミリー・・・私とラルフの子供を・・・お願いね・・・」
 ニーナはそう言うと、ラルフとエミリーをギュッと抱きしめる。
「ウン・・・私、きっと立派に育てて見せる。きっと―――」
 その時、光が一瞬まばゆく輝いたかと思うと、そこにはもうラルフとニーナは
いなくなっていた。

「お兄ちゃん・・・ニーナお姉ちゃん・・・
 私、きっと、立派な赤ちゃんを産んで育てて見せるね。
 だから、遠い空から、私達のこと、見守っていてね。」
 エミリーは、涙をぬぐい、今はもう輝きを失ってしまったペンダントを
見つめながら、ラルフとニーナにそう誓った。

 翌日・・・

「ええっ、妊娠したって・・・一体どういうこと!?」
 エミリーから妊娠1か月の報告を受けて、マリアは驚いていた。
「エミリーちゃんって、男を全く相手にしてなさそうな感じだったけど、
エミリーちゃんの心を射止めた男って、一体どんな奴なんだ?」
 ガルックが、少し嬉しそうに、エミリーに尋ねる。
 エミリーが、誰か別の男と付き合っている。
 それは、エミリーが、ようやくラルフやニーナやダークソリアの悲しみから
吹っ切れて、前に歩みだしたということでもあるのだから、妊娠の話を聞いて
ガルックは少しホッとした気分になっていた。
「えっ、私、別に男の人となんて、付き合ってないよ。
 だって、地球には、ロクな男がいないもん。
 せめて、お兄ちゃんやダークソリア並みに強くて優しい人がいれば、いいんだけどね。」
 エミリーがそう言うと、ガルックとマリアは、それはあまりにも無理難題すぎるとため息をつく。
「じゃあ、一体妊娠したって、どういうことなの?」
 マリアが、再びエミリーに尋ねるので、エミリーは、昨日起こったことを、
いつも持ち歩いていたペンダントを2人に見せながら、話をした。

「じゃ、じゃあ・・・お腹の中にいる子供は、ラルフとニーナの子供?」
 マリアが驚いた表情で尋ねると、エミリーはウンと頷く。
「子供を産んで、どうやって育てていくつもりだ?」
 ガルックが、エミリーに尋ねる。
「私が、1人で子供を育てていくよ。」
 エミリーがそう言うと、ガルックとマリアは驚いた表情を浮かべる。
 そんな2人に、エミリーが話を続ける。
「私、この5年間、ずっと時間が止まったままだった。
 アーリアさんの仕事の手伝いとかして、ずっと立ち直ったふりはしてきたけどね。
 本当は、5年前から、私の時間は、ずっと止まってたんだ。
 でも、お兄ちゃんとニーナお姉ちゃんと会って・・・2人の子供を預かって
ようやく私の時間も動き出しそうな気がするの。
 この子を産んで育てることは、私が前に進むためにも必要なことなんだよ。」
 エミリーの話を聞いて、最初は心配していたガルックとマリアも、これが
エミリーの強い決意だと知り、応援することに決めた。

「でも、1人で育てるのは、やっぱり大変よ。
 それに、やっぱり、子供にはお父さんが必要だと思うわよ。」
 マリアがそう言うと、エミリーも頷く。
「ウーン、確かにそうかもしれないね。
 やっぱり、お父さんがいないと、子供がかわいそうだもんね。」
 エミリーの脳裏に、かつてのガイガードの家が頭に浮かぶ。
 あの時は何とも感じなかったけど、今ならよくわかる。
 お父さんがいて、お母さんがいて、そしてお兄ちゃんがいて、自分は本当に
幸せな家族に囲まれていたんだってことに。
「じゃあ、子供が生まれるまでの間、私、お父さん候補を探してみることにするよ。」
 エミリーはそう言うと、今までに見せたことのない笑顔を見せる。
 その笑顔が、あまりにも純粋で美しいものだったので、ガルックはもちろん、
女性であるマリアまでもが、思わずドキッとさせられた。
「エミリー、あなたは、本当に美人なんだから、すぐに相手なんか見つかるわよ。
 その・・・理想さえ高くなければ・・・」
「私の理想なんて、全然高くないじゃん。
 他の人は、彼氏にするなら、大金持ちがいいとか、顔は美形がいいとか言うけど、
私、そんなのには、全然興味ないもん。
 私は、お兄ちゃんやダークソリアみたいに、強くて、優しくて、勇気がある人なら
誰だってOKだよ。」
「いや、その理想が高すぎるって、個人的には思うんだけど・・・」
 エミリーの話を聞いて、ガルックが思わず突っ込みを入れる。

「しかし、ラルフとニーナか。
 会いたかったな、俺も。」
 ガルックが残念そうにつぶやくと、マリアも残念そうに頷く。
「もう・・・ラルフとニーナが出てくることは・・・ないのよね?」
 マリアがエミリーの持っているペンダントを見つめながらそう尋ねると、
エミリーは小さな声でウンと頷く。
 しかし、エミリーの表情は、思っていたよりも暗くはなかった。
 そのことに、ガルックとマリアは少しホッとしていた。
「だって、もうすぐ、2人の子供に会えるんだから、落ち込んでる暇なんてないよ。」
 エミリーは笑顔でそう言うと、まだ膨らんでいないお腹を優しくさする。
「ハハハ・・・エミリーちゃんの言う通りだ。」
 ガルックは笑顔でそう答える。
 だが、やはり一目だけでもラルフとニーナに会いたかったのか、ガルックには
残念そうな表情が少しだけ残っていた。

 とその時、時計のアラームが鳴る。
「あっ、そろそろ時間だよ、ガルックさん。」
「しまった、もうこんな時間か。」
 エミリーとガルックが、慌てて準備を始める。
 今日は、これから、またアーリアと一緒に、先日とは別の惑星へと和平交渉に
出かける予定だったのだ。
「マリア、悪いな。
 多分、これが終わったら、しばらく地球にいられると思うよ。」
「いいわよ、ガルック、それより、ちゃんとアーリアさんを守ってね。
 あと、エミリーも。」
「わかってる。行こう、エミリーちゃん。」
「ウン。」
 エミリーとガルックは、迎えの車に慌てて飛び乗る。
「待って、エミリー。」
 とその時、マリアが何かを思い出したかのように、エミリーを呼び止める。
「なあに、マリアさん?」
「和平交渉に同伴ってことは、今回も・・・その・・・ラルフとニーナを探すの?」
 マリアが、エミリーに尋ねる。
 エミリーは、しばらく考えてたが、やがてゆっくりと、首を横に振った。
「ウウン、お兄ちゃん達を探すのは、もうおしまい。」
 エミリーが笑顔でそう言うと、マリアは涙を浮かべてウンウンと頷く。
(よかった。エミリーは、もう大丈夫よ。ラルフ、ニーナ。)
 マリアは、2人の乗った車の方を見送りながら、ラルフとニーナに向かって、
心の中でそう言った。

「本当に、今回は探しに行かなくていいのか?」
 アイが驚いた表情で、エミリーに尋ねる。
「ウン、私、お腹の赤ちゃんのためにも、頑張らないといけないから・・・」
「赤ちゃん?」
 まだ、赤ちゃんの話を聞いていなかったアーリアとアイが、驚いた表情を浮かべる。
 そして、ガルック達と同じく、ラルフ達の話を聞いて、さらに驚くのであった。
「そんなわけで、このエミリー=ガートナー、生まれてくる赤ちゃんのためにも
一生懸命がんばりますね。
 だから、これからも、この仕事を、続けさせてください。」
 エミリーはそう言うと、アーリアに頭を下げる。
「ああ、わかった。でも、あまり無理をするんじゃないぞ。」
「ハイッ。」
 エミリーは元気よく返事をすると、満面の笑みを浮かべた。

 今日は、まるで、エミリーの新たなる人生の出発を祝うかのような、
清々しい晴天であった。
「じゃあ、今日も宇宙の平和のために、出発!!」
 そんな中、元気なエミリーの号令が、船内に響き渡る。
 そして、エミリーの号令とともに、エミリーを乗せた宇宙船は、勢いよく
宇宙に向けて出発していった。


                              ― 完 ―


___________________________________

 長い間、ヴェスターを愛読してくださり、本当にありがとうございました。
 途中、話を追加したり、連載が止まってしまった期間が続いたりしたため、
非常に長期の連載となってしまいました。
 本当は、1年程度で終わらせる話だったはずなのですが。(苦笑)
 ていうか、第1話から読んでくれた方は、今残っているのでしょうか?(笑)
 もし、残っていたら、本当に感謝・大感謝です。
 現在は、新作小説の構想を考えているところです。
 今度は短い話にするつもりです。(本当です。)
 いつになるかわかりませんが、新作小説でまたお会いできたらと思います。
 最後に、本当にご愛読ありがとうございました。

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◇登場人物◇
・ラルフ=ガートナー
ガイガードに住む17歳の少年。伝説の武器ヴェクト・ソードを使いこなす。
・ニーナ=ルクライエ
ガイガードに住む17歳の優しい女の子。不思議な能力を持っている。
・ガルック=ソート
キルアに住んでいた17歳の少年。魔法と覇王流という剣術を使う。
・エミリー=ガートナー
ラルフの妹で、15歳の女の子。子ども扱いされるのを、非常に嫌う。

なお、登場人物の紹介は、VesterProjectのHPで詳しく紹介しています。
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●ヴェスターは概ね毎週水曜日、日曜日に発行することを目標としています。
たまに不定期で番外編が出ることがあります。
(あまり期待はしないように。)
●このメールマガジンは、「VesterProject」のWebサイト
http://vester.s272.xrea.com/
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●メールマガジンの問い合わせは
vesterproject@gmail.com
までお願いします。
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●このメールマガジンの著作権は、VesterProjectに属します。(一応ね)
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