narushowの航海日誌 小説編

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グラス、缶詰、レーザービーム、わたし、シガーレット、セカイノオワリ、ボク、彼女、編集者、秘書、私、妻・・・。 虚実入り混じる、これはわたしとあなたと彼と彼女と私たちと彼らとあなたたちの物語である。

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メルマガ名
narushowの航海日誌 小説編
発行周期
ほぼ 週末刊
最終発行日
2017年06月03日
 
発行部数
65部
メルマガID
0000278765
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 文芸 > 小説

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【なるしょー】のかければ、かくとき、かけるとき
(原題:narushowの航海日誌 小説編)No.170603__第472321156034210話: 作:なるしょー
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 指定券を見ながら座席を探すと、その席の隣の席には女性が座っていた。
「どうも」
 そう言いながら荷物を網棚にあげ、腰を下ろす。
「どちらまでです?」
「ええっと、鹿児島までです」
 切符を見て確かめ返事をした。
「わたしは宇佐まで」
「そうですか」
 女性は「食べます?」と言って冷凍ミカンを差し出した。
「ありがとうございます」
 私は受け取りながら
「一人旅ですか」と聞いた。
「いえ。今、トイレに行っているんです」
「そうですか」
 冷凍ミカンの皮をむき一房口に含んだ時、誰かが私の隣の通路に立った。
「すみません」
「あ、どうも」
 私は席を立ってその人を奥の席に通した。
「こちら、先ほどの駅で乗ってこられたの」
「そうか」
 男性は彼女の夫なのだろう。少し横柄な感じがした。
「ミカンいただきました」
「そうですか」
 女性と違ってあまり話好きではないようだ。
 私はミカンを少しシートの隅に置いて、立ち上がって網棚からバッグを下ろし、中から本を取り出した。それを彼は冷たい眼差しで見ていた。私が妻からミカンをもらったことが気に入らないのかもしれない。
 車内は空いていたので席を替わってもいいかとも思ったが、まぁ、ここでそうするのもなんなので、バッグを元に戻し座りなおした。座ると溶けた水分で少しばかり尻が濡れたが、まぁ、仕方がない。
 私が本を読み始めても、夫婦は何も話をしなかった。ページをめくる際に少し夫婦の方を窺がったが、夫の方は窓の外をずっと見ているだけだった。妻の方はミカンの残りをゆっくり食べていて、外を特に気にしている様子はない。もしかするとこの地に来るのは初めてではないのかもしれない、と、ふと、そういう考えが私の頭に浮かんだ。
 本を読むのにも飽きたころ、夫婦は席を立った。食堂車に向かったのかもしれない。私はバッグの中から握り飯の包みを取り出した。お茶の入った水筒も。夫婦者がいない間に昼食を済ませてしまおうと思った。しかし、予想に反して彼らはそれから間もなくして戻ってきた。食事をしてきたにしては早すぎる。
 妻の方が「食堂車が満員で」と言った。私が席を立って彼らを通そうとすると、「あ、わたしたちはこっちに座っていますから、ごゆっくりどうぞ」と彼女が言って、彼らは通りを挟んだ席に座った。
「どうも」
と、なんというかあまり意味のない言葉で礼を言って、私はまだ半分残っている握り飯にかぶりついた。塩鮭がちょっとしょっぱい様な気がしたが、まぁ、仕方がない。もう一つの梅干しの握り飯を食べ終え、包みを片付けてしまった私は彼らに、「もう、終わりましたので」と言って席を立った。
「別にそっちにもどらんでもいいと思いますがね」
 夫の方が珍しくそう言って、妻の方は黙っていた。
「まぁ、そうですね」
「それにしてもケシカランですな。こんなに客車は空いているのに食堂車が満席とは」
「そうですね」
 別に他の客車は混んでいるのかもしれないし、一時に皆が食堂車に偶然行ったのかもしれないし、しょうがないことだとは思ったが、彼の言葉に反論するのはあまり愉快なことにならないような気がしたので、適当に合わせておいた。
「次は小倉~次は・・・」
 車掌がドアを開け入ってくると次の停車駅を告げた。それを機に夫婦者は自分たちの席に戻った。
 私はゴミ箱に昼飯のゴミを捨てに行くことにした。


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彼女と彼とあなたと彼らとわたしたちの物語は、これで終わりであるが、この続きは、次号で。see you next number?
(この物語はフィクションであり、実在の人物、組織、団体、国、法律などとは一切関係が御座いません)
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発行者:なるしょー(narushow)
http://narushow.net/
ご意見ご感想を最近いただきました。ありがとうございます。
(誤字脱字の指摘もドンドンお寄せください)
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