私立探偵 鮫島吾郎

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(自称)「新宿一のダンディ探偵 鮫島吾郎」のおかしくも物悲しい冒険譚。食い気と色気と金が交錯する中、実兄の広域暴力団若頭と悪徳刑事の狭間で苦闘する鮫島吾郎の活躍?を描くシリーズ。(シリアスではなくギャグ小説です)

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メルマガ名
私立探偵 鮫島吾郎
発行周期
週刊
最終発行日
2014年08月25日
 
発行部数
21部
メルマガID
0001322970
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 文芸 > 小説

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私立探偵鮫島吾郎 10



 鮫島は横浜にきていた。横浜港からでる豪華周遊船エントラップエント号が依頼人との待ち合わせの場所だった。
 遅い、私が出航一時間前からきているというのに・・・。
 全巻禁煙で、たばこが吸えないのが、鮫島のイライラを募らせた。
 船が出航して、10分ほど経つと、鮫島はすっぽかされたのではないかと思うようになった。
「待ちましたか?」
 当たり前のことを言って姿を現したのは、年の頃、二十前後のうらわかき乙女。
 しかしながら、見た目とは裏腹に、彼女の手には極太の葉巻があった。
「ここは禁煙ですが・・・」
 そう鮫島が言うと
「そんなことは十分わかっています。あなたに言われるまでもなく」
 そう言って、さらに深く煙を吸い込んだ。
 ゆっくり肺に煙を回した後、彼女は鮫島に煙を吹きかけた。
(あれ? たばこ臭くない・・・)
 鮫島が彼女の瞳をのぞこうとすると、彼女はサングラスをかけてしまった。そして口元を歪めた。
「フェイクですわ。あるお店でしか売っていない特別の品なんですの」
「なるほど」
 このコムスメ、完全に私をなめ切っている。このままなめられたら、とろけてしまいそうだ。そういいつつ、鮫島はにやけていた。
「さっそくですが、ご依頼の・・・」
「まずは、お茶でもいかがです?」
「わかりました。では、その先に、ティーラウンジがありましたから・・・」
「そんなことは、あなたに言われるまでもありません」
 鮫島の前に立って彼女は歩き出した。
 そのあとをとぼとぼとついていく鮫島。
 ティーラウンジには、あまり人はいなかった。平日の昼間、それも年末である。中にいるのは外国人ばかりだった。
 鮫島にはちんぷんかんぷんな話声が、聞こえてくるだけだった。
「私は紅茶にするけど、あなたは?」
「あ、じゃあ同じものを」
 そう言うと、彼女はきつい眼差しで鮫島を見た。
 意味がわかってやってるのか、鮫島?
 自分の作品の登場人物ながら、心配に少しなってきました。
「で、ご依頼と言うのは」
「腹減り星人を退治されたと、聞いたのですが、本当なのかしら?」
「え? ええ、もちろんですとも。私は今まで一度も依頼に失敗したことはありません」
「本当かしら?」
 そう言って彼女はほほ笑んだ。
「あなたもわかっていらしゃる、と思いますが、私ほどの私立探偵は、日本には他にいません。新宿一のダンディですしね。その噂をお聞きになって来られたんでしょう?」
「よくしゃべる方ね、お生まれは?」
「生まれも育ちも東京都新宿区です。こんな混じり気のない東京弁ですよ。当然でしょう」
 彼女はあきれたような、それでいて笑いを堪えるのような、でも悲しいようなそんな表情を、一瞬だけ浮かべた。
 でも、鈍い鮫島はそれに気がつかなかった。





 依頼の詳しい件は、やはりというか、なんというか、今回は電子メールでだった。
「じゃあ」
 と言って席を立った依頼人が去ると、残された鮫島は窓の外を眺めた。
 すると窓に今度は和服姿の淑女が映っていた。
 思わず振り替える鮫島。
 和服美人は、それににっこりとほほ笑んでみせた。
 鮫島が腰を上げそうになったとき、メールの着信があった。
 ちっ、と心の中でつぶやきながら鮫島が携帯を確認すると、メールのタイトルには

「すぐに来て!!」

とあった。
 意味深なタイトルである。なんかムラムラくるような感じがして、本文を開けてみた


 すぐに来ないと今回の依頼はなしです。 明子

 依頼人は明子だったかろうか? 最近とみに記憶力の確かさに欠けるようになった鮫島には、確信がもてなかった。

 すぐにとは、いずこに?

 そう返信を打った。打電したものは、すみやかに返信された。

 わからなければ、いいです。

 なかなかあっさりした依頼人である。しかしながら、金に困っている鮫島は

 どこなんですか? 教えてくれなければいけません。

 と返信した。
 すると返信が今度は少し、遅れてきた。が、その直後に鮫島の携帯がなった。着信音は中森明菜である。
 かなりの大音量だったため、ティーラウンジのお客の目が鮫島に集まった。だが、そういうことに鈍感な鮫島は、電話に取り合えず出た。
「もしもし?」
「・・・鮫島さん?」
「そうですが、あなたは?」
「わからないの? あんなに愛し合ったのに・・・」
「そう言われましても、私には覚えがないのですが」
「あの夕日を覚えていないの?」
「あの夕日とは?」
「一緒に山に登ったときに見たあの夕日よ」
「聞いているのですか・・・」
 消え入りそうな言葉に、鮫島は我に返った。
「夕日ですね。覚えていますよ。忘れるはずがありません」
「・・・良かった。じゃあ早く・・・」
 早くと言われても、そこから何をするのべきなのか? 鮫島にはそれが見えなかった。
「早く、なんなんですか?」
「もう、知らない」
 そこで電話は切れた。
 一体全体、なんの用だったのだろうか? でもなにかキリンレモンを飲んだときのような、三矢サイダーを飲んだときのような、スプライトを飲んだときのような、そんな気分になったのは確かである。
 鮫島は、携帯を操作してメールを確認した。

 鮫島さん、あなたは人でなしです。

 人でなし? そんな人を人非人と断言するとは、いったい全体依頼者はどういうつもりなのだろうか? それにいっこうに依頼の内容に入らないし・・・。

 失礼ですが、それはそこまでいわれますと、こちらにも考えもあります。今回のお話はなかったことに。
と、打ちたかったのだが、もう事務所の家賃を支払う金もない鮫島は、

 確かにおっしゃるとおりです。しかしながら、ご依頼は必ず達成いたしますので、よろしくです。

 今度も返信はなかなか帰ってこなかった。窓からさす日光が、鮫島の顔を熱く照らしていた。鮫島はサングラスを取り出しかけた。流行遅れのレイバンである。

 そのとき、着信があった。

 鮫島さん、今回のお話はなかったこととさせていただきます。では。

 鮫島にはにわかには信じ難いことだった。依頼内容を聞き出すことすらできないという、探偵にあるまじきありさまである。このままでは明日の家賃の振込は不可能だ。またおやじに金を借りるしかないのか?  うむむむむむ・・・。
 突然、鮫島は席を立ち、支払いをしようとした。
「650円になります」
「はい、650円ですね」
 と鮫島が財布を探ってみると、な、なんと350円しかない。
 え、838円ぐらいは入っていたはずなのに・・・。
 鮫島の狼狽ぶりに、レジの女性も困惑ぎみだ。
「すみません。お金が足りないのですが・・・。ATMどこかにありますか?」
「あの、ここは海の上ですのでそういうものは、ちょっと・・・」
 困った。久しぶりに鮫島絶体絶命のピンチである。

 と、いうところで紙数がつきたようでありまする。この後、まぁ高だが300円なのでなんとかきっとなることでしょう。
 って、本当になんとかなるのか?





連載は今回でひとまず終了です。
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