月刊小説クラッシュ

  • ¥0

    無料

作家・歴史研究家の横山茂彦(著書に『軍師・黒田官兵衛に学ぶ絶対に負けない経営術』宝島文庫、『真田丸のナゾ』サイゾー、『大奥御典医』二見文庫など)が発行する、小説と歴史研究のメルマガです。

著者サイト
 

メールマガジンを登録(無料)

もしくは

※ 各サービスのリンクをクリックすると認証画面に移動します。
※ 各サービスで登録しているメールアドレス宛に届きます。

メールマガジンを解除

もしくは

※ 各サービスのリンクをクリックすると認証画面に移動します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
 
メルマガ名
月刊小説クラッシュ
発行周期
ほぼ 月刊
最終発行日
2017年07月17日
 
発行部数
47部
メルマガID
0001670194
形式
PC向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 文芸 > 小説

まぐまぐ!メールマガジンの用語集です。
下記の用語以外の不明な点はこちらをご覧ください。

 
発行周期
週1回、月1回などの発行頻度です。
部数
メルマガの配信数を記しています。
カテゴリ
まぐまぐ!に登録されているカテゴリです。
形式
メルマガには以下の配信形式があります。下部「メルマガ形式」をご参照下さい。
 
最終発行日
最後にメルマガが配信された日付です。
メルマガID
メルマガを特定するIDです。
RSSフィード
RSSを登録すると、更新情報を受け取ることができます。

― メルマガ形式 ―

  • PC向け
    パソコンでの閲覧に最適化したメルマガ
  • 携帯向け
    スマートフォンやフィーチャーフォンでの
  • PC・携帯向け
    PC・携帯どちらでも快適にご購読いただけます。
  • テキスト形式
    文書だけで構成された、一般的なメールです。
  • HTML形式
    ホームページのように文字や画像が装飾されたメールです。
  • テキスト・HTML形式
    号によって形式が変更する場合があります。

閉じる

メールマガジン最新号

『月刊小説クラッシュ VOL.19(2017年7月号)』
●本号の内容

連載短編小説「Rの肖像」 後編 グラスマン

ミステリアス官能巨編「危険なボディ」 高輪茂

ブログ
http://07494.cocolog-nifty.com/blog/

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●お知らせ

本誌の編集長・横山茂彦が『情況』という雑誌の編集長になりました。左派系の総合雑誌ですが、来年で創刊50周年。そこまでは何とかもたせろ、ということで編集長を拝命つかまつりました。表紙だけでもお気に召しましたら、どうぞご購読を。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-04-4910053670777

http://situation.main.jp/

楽天ブックスはこちらから。
http://books.rakuten.co.jp/rb/14798650/

『狼侠』(笠岡和雄)7月3日発売。
https://www.amazon.co.jp/%E7%8B%BC%E4%BE%A0-%E7%AC%A0%E5%B2%A1%E5%92%8C%E9%9B%84/dp/4846204227/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1500290404&sr=1-1&keywords=%E7%8B%BC%E4%BE%A0

『巨影――ほんとうの石井隆匡』(石井悠子・サイゾー刊)
 5月24日発売。
https://www.amazon.co.jp/%E5%B7%A8%E5%BD%B1-%E3%81%BB%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%86%E3%81%AE%E7%9F%B3%E4%BA%95%E9%9A%86%E5%8C%A1-%E7%9F%B3%E4%BA%95-%E6%82%A0%E5%AD%90/dp/4866250852/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1494747001&sr=1-1&keywords=%E5%B7%A8%E5%BD%B1

『山口組と戦国大名』(横山茂彦・サイゾー刊)発売中。
http://7net.omni7.jp/detail/1106646827

『真田丸のナゾ!』(横山茂彦・サイゾー刊)は、当時の一級史料に典拠した、史実再発見の記事が満載です。
例:「大坂の陣で真田一族は天下を取れていた?」「豊臣秀頼はやっぱり秀吉の子ではなかった!」「秀吉が遺言した淀殿と家康の婚儀は、大野治長の略奪愛によって実現しなかった!」「九度山にあった真田家大奥? 信繁(幸村)の永遠の愛人・きりは女忍者になるしかない」「関白秀次が生きていれば、豊臣家は家康に付け入るすきを与えなかった!」
https://www.amazon.co.jp/%E7%9C%9F%E7%94%B0%E4%B8%B8%E3%81%AE%E3%83%8A%E3%82%BE%EF%BC%81-%E6%A8%AA%E5%B1%B1-%E8%8C%82%E5%BD%A6-ebook/dp/B01DFLY3Z8


以下は既刊です。
 『軍師・軍兵衛に学ぶ絶対に負けない経営学』(横山茂彦、宝島文庫)ご購読のほど、よろしくお願いいたします。
http://tkj.jp/book/?cd=72180501

『体験告白 歳の差カップルはドラマチック』(横山茂彦)好評発売中。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/480021520X/yokotou01-22


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

★☆∵∴*・゜゜・*:.:*・゜゜・*:.:*・゜゜・*:.:*・゜゜・*:..:*:・゜★:* 
連載短編小説「Rの肖像」 後編
                       グラスマン

 若い頃の彼女を傷物にした安岡の採用面接には池村は直接関わらなかった。人事部の部長にはただ一言「採用前提」とだけ告げていた。
「どんな印象だ?」
 面接を終えた人事部長に池村が声を掛けた。
「はい、正直言って使い物にはならないんじゃないでしょうかね。不動産会社を筆頭に転々と仕事を変えてきてるんですが、どれもしっかりとしたスキルを磨くレベルになる前に辞めてしまっている感じです」
 人事部長は苦虫を噛み潰したような表情のまま続けた。
「あのキャラクターでは我々の主な取引先である医療機関には行かせられないんじゃないですか?」
「そうか。君がそう言うなら主力の営業部へ配属するのは避けた方が良さそうだな。だとしたらどの部署がいいかな?」
 池村は淡々と語った。
「そうですね……外へ出なくて、顧客とも直接関わらない仕事というと」
 人事部長は躊躇いを隠さなかった。
「いいから言ってみろ。考えがあるんだろう、その表情は」
 池村は軽く笑って見せた。
「はい、あとは社長付きの運転手くらいかと……ちょうど先週退職者が出たところでもありますし」
 人事部長はそう言うと池村の反応を伺い見た。
「そうか、分かった。とりあえずは私の運転手として仕事を手配してくれ」
 池村は社長室へと向かうエレベーターの中でニヤリとほくそ笑むのであった。

 安岡の入社初日。池村は業界団体の会合で朝から外出の予定が入っていた。あまり大きな会社ではないが業務上の移動の際には社用車として最近流行りのワンボックスカーを使用している。自ら運転することは別に苦にはならないが、移動の最中にも携帯電話やタブレット端末で業務処理ができるのが貴重だと感じているからである。
「こちらが池村社長だ。くれぐれも安全運転でお願いしますよ」
 初日の案内役として帯同してきた人事部長がどこか不安そうな表情を浮かべながら安岡に話した。
「あ、はいはい。どうも初めまして。安岡といいます。どうぞよろしく」
 安岡はろくに池村の顔を見ずにぺこりと頭を下げた。
 池村はその様子を見て、安岡の妻が自身の採用にあたり枕営業を仕掛けてきたことを全く知らないことを悟った。そして同時に安岡が自分と離れた後、どんな軽薄な人生を歩んできたのかも感じ取れる気がしていた。
(どんな風にクビにするか)
 池村は暫く安岡の様子を見て、タイミングを見計らって解雇するつもりであった。安岡の妻との約束は採用することで果たしたはずである。安岡自身の能力不足により解雇することとはまた別の問題だと考えていた。
 数日後。人事部長が悲壮な表情で社長室にやって来た。
「運転手の安岡は手に負えません」
 すぐにでも解雇してくれとの直談判である。理由を聞くと、若い男性職員には恫喝まがいの態度であり、女子職員に対しては年齢を問わず尻を撫でたり卑猥な質問をしたりのセクハラ三昧なのだという。
「そうか、分かった。あとは私が決着をつけるからしばらく時間をくれないか」
 池村はそう言って人事部長をなだめて帰した。

その日の午後。社用車で外出した池村は出発して間もなく安岡に告げた。
「安岡さん、悪いが今日で辞めてもらうよ」
 強いて端的に、しかし強い意志を込めて安岡に伝えた。
「あらあら社長、唐突に何をおっしゃるんですか。私は入社してまだ数日ですよ。こんな短期間で私の何が分かったんですか?」
 予想に反して安岡は冷静に返答してきた。
「この短期間だが、君の評判があまりに悪過ぎるんだよ。セクハラ、パワハラのオンパレードらしいじゃないか」
 池村は毅然と返した。
「私は社長として真面目な社員たちを守る義務があるんだよ」
 そう言った池村はバックミラー越しに安岡を睨みつけた。
「クククク……」
 ミラー越しに目が合った安岡は突然笑い出した。
「何がおかしいんだ?」
 池村は怒気を含んだ声で問いただす。
「いや、社員を守るだなんて殊勝なセリフを吐くもんだから、つい」
 安岡は遠慮するどころか池村を嘲る様に大声で笑った。
「いやあ、久しぶりに笑わせてもらったよ、池村君」
 安岡は信号待ちで止まると、直接池村に顔を向けてきた。そして、
「自分の女を守ることもできなかった奴が堂々と社員を守るって、何をほざいてやがるんだ?」
 安岡は真顔で池村に言い放った。信号が青に変わると前を向いて車を走らせながら話した。
「俺が気付いてないふりをしてたら言いたい放題だな。初めて会った時に分かってたよ。アノ池村君だってことはよ。レイミ、だったかな、お前の彼女の名前。今は何をしてるんだ? どうやらお前とは結婚はしなかったってのは聞いた記憶はあるが、未練たらしく今でも会ってるんじゃないのか?」
 安岡はヘラヘラと笑いながら話していた。
 池村は表情こそ変えなかったが握り込んだ拳が今にも安岡に向かって飛んでいくのを堪えるので精一杯であった。
(待てよ。俺に初めて会った時に分かったって言ったよな)
 池村はそう思いあたると一気に冷静さを取り戻した。
「なるほど、正直先輩は気付いてないと思ってましたが、さすがですね。そういえば不動産会社でもやり手でしたもんね」
 池村は慇懃な口調で返した。安岡が急に真顔になるのが分かった。
「先輩が気付かなかったらずっと雇ってあげようと思ってたんですよ。送られてきた履歴書を見て、何とも可哀想な人生を歩んできたんだなあ、と思ってね」
 次の瞬間、急ブレーキで車体が大きく揺れた。赤信号だったようだがそれにしてもあり得ない急ブレーキだった。
「おい、舐めてんのか。お前の情けない事実が大切な社員たちにバレてもいいのか?」
 安岡は今にも飛び掛かってきそうな様子である。
「好きにしろ。ただし、そうなったらたとえ大昔のことでもきっちりと法律的にオトシマエをつけてもらうからな。俺が契約している弁護士が勝つか、貧乏たらしいお前が勝つか……いつでも受けてやるよ」
 池村は余裕をもって告げた。安岡は返す言葉が見つからない様子である。
「ああ、それからお前は知らないようだから教えておいてやる。お前を採用したのは単にお前の履歴書を見たからじゃないぞ」
 池村の言葉に安岡の眉がぴくりと反応した。
「俺がお前を採用したのは、お前の奥さんに頼まれたからだ」
 そう聞いた安岡の表情には複雑な感情が入り混じっていた。ただ一つ明らかなのは自分の妻が陰で動いていた事実は全く把握していなかったことである。
「だ、だから何だってんだ。俺の嫁さんに頼まれたってことが何か関係あるのか……」
 安岡は大いに動揺している。
「だいたい、それで俺を雇ったんならそう簡単にクビにはできないんだろ?」
 安岡は一転して媚びを売るような表情で聞いてきた。その様子が池村にとってなんとも言えない残虐な部分を刺激してきた。
(全て見せてやる)
 池村はおもむろにスマートフォンを手にしていた。

「お前の奥さんとの約束は俺の会社に雇ってやることだ。一応チャンスは与えてやったのに、役に立たないばかりか迷惑な存在なのはお前のせいなんだよ。ダメ亭主の為に必死に頼み込んできた奥さんは本当に気の毒だがな」
 池村は顔を引き攣らせた安岡に向かって吐き捨てるように聞かせた。
「レイミが今何をしてるかは全く知らないよ。ただ、俺は心のどこかでお前にリベンジしたいってずっと思い続けてたんだよ。無意識ののうちにな……それがここにきて叶ったわけだ」
 池村はそう言うと、手にしたスマートフォンを操作した。
「そうそう、お前はアノ時俺に言ったセリフを覚えているか? レイミはいい声で喘いでたって、そう言ったんだよ」
 池村は安岡に顔を近づけながら言った。
「でもな、俺は信じなかった。だって、実際にレイミのそんな声は聞いてなかったからな。今になってはそれが救いだったって思ってるよ」
 安岡は怯えたように池村に告げた。
「な、何が言いたいんだ、はっきり言えよ」
 池村はニヤリと笑った。
「お前にははっきりと奥さんのいい声を聞かせてやるよ」
 そう言うと池村はスマートフォンの動画を再生してみせた。同時に画面を安岡に向ける。
「あう、あうう……」
 安岡は完全に言葉を失った。ただ画面に映る淡々とした事実を瞬きをせずに見つめているだけであった。
 数分後、池村は車から安岡を引きずり降ろした。
「会社に荷物があるなら後で取りに来い。自分で来るのが嫌なら、奥さんに取りに来させてもいいぞ」
 魂が抜けた様子の安岡を尻目に池村は車を発進させた。
(レイミ……お前は納得しないかも知れないけど、リベンジは果たしたぞ)
 心の中でそう呟いた池村は目尻を伝う涙を指先で拭った。

                終
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★☆∵∴*・゜゜・*:.:*・゜゜・*:.:*・゜゜・*:.:*・゜゜・*:..:*:・゜★:* 
ミステリアス官能巨編 『危険なボディ』 連載第19回
                           高輪茂

 真の恋愛は死の観念をありふれた、容易な、少しも怖くないものにする。(スタンダール『恋愛論』断章46)

【前回までのあらすじ】25歳の銀行員・有馬大輔は派遣会社のシステムエンジニア・三好奈緒美に憧れているが、彼女の素顔がわからない。40歳の飯沼次郎は自動車メーカ―から販売会社に派遣されたエリートだが、趣味のスポーツバイクで知り合った名も知らぬ女性が気になっている。還暦をむかえた福原総一郎は、飯沼の会社のイベントを手がける代理店社長。彼はいきつけの酒場のパート店員に、高校時代の記憶の女を重ね合わせている。仕事で接点のある三人が、それぞれに憧れる想い人は、30歳ほどの美女なのである。

第五章 愛と死の儀式


 未来型自動車のイベントは好調だった。
 イベントの目玉は、ICチップ対応の自動運転システムである。幕張メッセのイベント会場に模擬コースを造り、センターラインにセンサーチップを埋蔵して、車のフロント部に設置したチップを反応させたのである。ユーザーや販売店の反応は予想以上だった。
 飯沼次郎は名古屋本社からの経営陣を案内しながら、久しぶりの晴れ舞台にホッとしていた。
「福原さん、おかげさまで」
 と、思わず遠くに立っている福原総一郎に声をかけたものだ。
「これは、どうも。所長さん」
 この面倒みのよい初老の代理店の社長を、飯沼は好きだった。
 細かいところにまで手が届く、それは他社との比較でもいつも安堵させられる経験によるものだった。
 ところが、相手は落ち着かない様子なのである。
「飯沼所長様。新千葉信金の有馬さんが、入院されたのはご存じで?」
「有馬君が……?」
 いつも気安く接してきた、飯沼に取っては弟分のような有馬大輔が入院したというのである。
「福原さんは、銀行のほうで。それをお知りになったので?」
「はい、驚いているところです。何でも、沖縄旅行でお怪我をされたとかで、今も沖縄の病院で手術待ちだそうです」
 と、好ましい取引先の社長は憂い顔をみせた。
「手術をするほどの怪我ですか……。それは、困りましたね」
 ただちに融資に問題が生じるわけではないが、ビジネスパートナーの入院は何かと業務に支障が出そうだ。
「手術待ちということは、複雑骨折か何かで?」
 恋愛の相談を受けたりと、弟分のように接してきただけに、有馬のプライベートも気になった。
「何でも、プールから落ちて大腿骨を折ったとか。向こうには、小鳩さんという方が行かれているらしいですが、それ以上は」
「そうですか。小鳩若菜さんというのは、確か彼の恋人だな」
 会場での会話は、そこまでだった。
 何となし飯沼にとっては、祝祭のような自分のイベントの最終日が汚されたような気がした。
(つづく)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ∧_∧       
(・ω・` )_
O┬O ) /   
◎┴し'-◎ ≡   
メルマガ全文を読む
 

▲ページトップへ

▲ページトップへ