嶌信彦
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ジャーナリスト嶌信彦「虫の目、鳥の目、歴史の目」

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ジャーナリスト嶌信彦「虫の目、鳥の目、歴史の目」

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嶌信彦が50年のジャーナリスト人生の経験を元に鋭い切り口で時流の政治・経済・社会問題等を「虫の目、鳥の目、歴史の目」を交えてお届けするコラム。
私は記者時代に先輩から「まず虫の目(虫のように這いつくばって歩き回る取材によりデータを集め記事を書く)を持て」と言われました。ジャーナリズムの世界では虫の目とともに、鳥の目(鳥の目を持ち全体を俯瞰し、それがどのような意味を持つのかを理解)を持つことも重要です。さらに歴史は何度も繰り返し新たなヒントも隠されているので歴史の目も重要なポイントだと思っています。

著者プロフィール

嶌信彦

ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」、BS朝日「ザ・インタビュー」等出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた」を角川書店より発売。著書多数。会計検査院「会計検査懇話会」、総務省「NHK海外情報発信強化に関する検討会」委員等を務める。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。

サンプル号

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情報発信・分析(コラム)連載にあたって
――虫の目・鳥の目・歴史の目を重視――
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 私がジャーナリズムの世界に入った時、先輩たちに「原稿を書く時は、必ず“虫の目”を持って事実をかぎまわり、ほじくり返し、地を這うようにして取材をして来いよ」と言われたものだ。と同様に、拾い集めた事実をわかりやすく焦点を絞って構成するとともに「“鳥の目”を持って考えることも大事だ」と指摘された。鳥の目とは、大空から鳥が大地を俯瞰して全体像を把握するように、取材した事実をただ並べるだけでなく。全体の中でどう位置付けるかという視点も忘れるなということだった。

【フランス大統領選挙を3つの目でみると】
 フランス大統領選挙の記事でいえば、フランス大統領選挙の現状とどの候補が現段階では優勢か、各候補の特徴と弱点などがさしずめ“虫の目”の視点だろう。
しかし欧州全体に広げるとオーストリアやドイツでも選挙を控えており、とりわけドイツがEU結成にあたりフランスと協力しあってきたコンビだけに、フランスにどんな政権が現われ、それがドイツや欧州全体にどんな影響を与えるかを考えることは、フランスの選挙を欧州全体の中に位置づけ、そこから今後のEUの行方を予想することで“鳥の目”の視点が見えてくる。ドイツだけでなく、オーストリアやトランプ政権の類似性もつかめれば“時代の風潮”ともとらえることができる。

 つまり虫の目で集めた事実を欧州全体の中に位置づけ直したり、世界全体の流れの中に置いてみると、フランスの大統領選挙が一時的なフランスだけの現象でなく時代を特徴づける流れの中から湧き出た現象と読み取ることもできるのだ。そうした視点も入れることで、文章に厚みと深さがでてくると思われる。

【歴史の目の重要性】
 私は、この虫の目と鳥の目に加えて、できる限り“歴史の目”も入れたいと思っている。EUはヨーロッパのベネルクス三国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)の関税同盟からスタートしたものだが、第二次大戦で疲弊したヨーロッパにとって、ベネルクスの試みはヨーロッパ復興にも役立つと考え、その後次々と加入してきた。それが関税だけでなくさらに有効な貿易条件、非関税障壁の撤廃などにも広げることでベネルクス三国の関税同盟を基礎にして欧州全体の利益へと広げる構想につながっていったわけである。

 それはペルー、オーストラリア、ブルネイなどの経済協定に目をつけたアメリカが、アジア太平洋諸国全体にひろげ、アジア太平洋の貿易ルールをつくり、各国を巻き込んで成長、発展過程にあるアジア諸国を大づかみしようとしたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)構想と似ている。TPPはアメリカが強引にアジア諸国を口説いてほぼ成立したかに見えたが、トランプ大統領が登場してTPP離脱を表明したため混乱状態に陥っている。

【歴史が教えてくれる事は多い】
 もうひとつ重要な項目は“歴史の目”を付け加えることだろう。これはジャーナリズムを習う時の基本には入っていない場合が多いが、歴史的視点を入れることでさらに深みを増し、理解もはっきりしてくることが多い。

 ルペン氏の話に戻せば、父ジャン・マリー・ル・ペンが国民戦線を創設した由来や親娘の対立、さらには右派思想の歴史なども書き込むと、独仏の今日的状況がもっとはっきりしてくるのではなかろうか。三度目の大戦は絶対起こさないと誓ったEU結成時の思いが崩れようとしていることに考えが及ぶとフランスの選挙結果が引き起こす重要性にもっと気が付いてくるだろう。

 フランス国民は今日的なポピュリズムに流されて右派政党を選ぶのか、――まさにフランス国民の知性主義とフランス革命の歴史や伝統が問われているといえる。

 今後のこのコラムは、以上のようになるべく「虫の目、鳥の目、歴史の目」の視点を取り入れながら国際情勢や政治、経済、社会、時代などを捉えてゆきたいと思う。

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2017/05/12 ジャーナリスト嶌信彦「虫の目、鳥の目、歴史の目」Vol.2
2017/04/14 ジャーナリスト嶌信彦「虫の目、鳥の目、歴史の目」Vol.1
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