日々是相場-朝刊-/日々是相場-夕刊-

日々是相場-朝刊- / 日々是相場-夕刊-

  • 現役ディーラーによる“生の相場分析”を受け取ることができる
  • 市場の背景に潜む“原因”を多角的に捉えることができるようになる
  • 直接メールでメッセージや質問を送れる
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1ドル80円を切るなんて昔からすると信じられない事態なんですが…。

「円高なら円高でもういいです、日本は円高で生きていきましょう」って政府や日銀がはっきりさせてくれれば、内需拡大をどうするかとか対策の取りようもあるんです。でも実際は“何もしない政策”ですからね。企業も舵を切れないというのが現状です。

円高路線なら海外で生産、円安なら国内で生産と、方向を決められるんですが、今はどっちとも言い切らない状態で、企業の努力のみでしのいでいるというところです。

そもそも円高なんて、お札いっぱい刷ればそれで終わるんですけどね。

お札を刷って流通させれば円高は解消できるんですか?

ちょっとしたインフレ状態にさせるんです。お金を刷るっていうことは、円がいっぱいじゃぶつくわけでしょ?需要と供給の関係ですよ。

たとえば、ドルが100あって円が10しかないから、みんな「円のほうが価値がある」って思って買うわけですよね。これが円高。それが、ドルが100で円が10000あったら、「円なんていらないよ、余ってるじゃねーか」って、いらないから売っちゃいますよね。売ると安くなるでしょ?円安です。そうすれば輸出で苦しんでいる企業は上向きになります。そういうことなんです。

なぜ日銀や政府はそれを嫌がるんですか?

デフレはコントロールできるんですが、インフレは制御できないんですよ。バブルになっちゃう。バブルっていうのは弾けなければいいんですが、ご存じの通り日本のバブル景気も弾けてしまいましたよね。あれはインフレを制御できなかったためなんです。

もう一つは、アメリカとかヨーロッパ、どの国も声に出して言いませんけど、自分のところの通貨が安い方がメリットがあると思っているんです。実際、フォルクスワーゲンの決算なんて見ると、とんでもなく儲かってる。あれはユーロが安くなっているからで、ユーロ圏内で製品が売れなくても、圏外で売れればユーロ安だから儲かるわけなんですね。

アメリカ、ドイツでは現状がそれほど悪い状況ではないと?

そういうことなんです。じゃあ日本も完璧な円安誘導対策を考えれば、となるんですが、なかなか難しい。というのも、オバマ大統領が一般教書演説で「5年以内に輸出を倍増させる」って宣言したでしょ。輸出を増やすってことは、ドル安のほうが都合がいいわけだから、日本がもし「円安にします」なんて言い出したら、「じゃあお前、米を輸入しろ」とか、「うちのネギ買えよ」とか言われちゃうわけじゃないですか。そういう問題があるから、むきになって円安にできないっていうのもあると思うんですよね。

では政府は今の円高状態を受け入れているんですね?

そういうことになりますね。

清水洋介さん

では、個人として今の金融経済市場で生き残るためには、どんな能力が必要なんでしょうか?

ふてぶてしさと厚かましさ、そして節操のなさ(笑)。他人に惑わされない市場の見方も必要ですね。個人的には好みの経営者じゃないのですが(笑)、ソフトバンクの孫さんや楽天の三木谷さんといったエネルギッシュでガツガツした人が生き残っていくと思います。

あと私が注目しているのが、日本電産の永守さん。あの方はすごいなあと思います。何より筋が通っている。自分の中に芯が一本通ってて、その芯からぶれないような経営をしているでしょ。一度お会いしたことがあるんですけど、自分のビジョンっていうのが見えてますね。買収した会社の社員をリストラしたりもしない。その状態でうまく立て直しているっていうのはすごいことだなあと思いますよね。

清水さんのお話を伺っていると、寝る間もなく働かれているように思うんですが、一日のタイムスケジュールは?

朝早いんですよ。ニューヨーク市場をチェックしなければならないので、開いてる時間、だいたい午前3時には起きてますね。そこで情報を集めて、朝7時くらいには出社します。それから30分くらいでメルマガの「朝刊」のほうを書いて、8時くらいに配信して、始業時間になったらお客さんに電話してトレーディングの話をしたり、あとはテレビに出てコメントしたり。夕方にはお客さんのところへ行ったり、取材が来ることもありますね。夜は割と早く寝ちゃいます。

やはりニューヨーク市場のチェックは欠かせないんですか?

そうですね。でも東証、大証もすべてチェックします。

大変ですね!

みなさんあまりわかってくれないんだけど、3行のコメント書くっていっても3行分の時間だけで済むのかと言ったらそうではなくて。いい加減なことは書けないので。だからテレビとかでコメントしてるまともな人たちって、そのための準備に費やす時間っていうのはすごく長い。竹中平蔵さんなんかもそうだと思いますよ。いろんなものを読んだり分析をしたりしてる。

お仕事をなさっていて、「辛いな」と思う瞬間はありますか?

それはありますね。やっぱり、うまくいかない時。あとは、自分ではちゃんと説明していて、さらに市場がその通りになっているのに、誰も認めてくれないとか。「言った通りになったでしょ」って言っても、「え?清水さんそんなこと言った?」なんて感じだと、こういう商売していると辛いですね。

だいたいお客さんっていうのは、儲かったら自分の実力、損したらお前のせい、ですからね。「清水は外れるねー」なんて言うんですよ(笑)。

なるほど。そんな清水さんが今回どうして有料メールマガジンを出そうと思われたのですか?

テレビや新聞は足並みをそろえた情報ばかりを流しています。でも、そういう取りつくろったわかりやすいニュースではなく、市場の背景に潜む“原因”を多角的に捉えることが必要なんですね。とにかく本質をついているニュースが少なすぎるので、本当のことを伝えたいと思って、有料メルマガを始めました。

具体的に言うと、たとえばこの間のイタリア国債云々という話ですが、実はイタリア国債なんてまったく関係ないところで暴落が起きていたとか、その昔、上海発の世界同時株安なんてのがあったんですが、あれも実は上海が原因ではなくて、もともとはアメリカに問題があったんだとか、そういうことはニュースでは言いません。ただ単に、「株が下がりました、イタリア国債のせいでした」としか出ない。でもイタリア国債っていうのはほんの一部分の要因であって、実はもっと違うところに原因はあるんだよ、そこを見ておかないといけないんだよ、っていう事例が多すぎるんです。そういうことを伝えたいと思ったんですね。

清水洋介さん

そんなメルマガをどんな人たちに読んでもらいたいと思っていますか?

プロの投資家、トレーダーはもちろん、個人レベルで投資をされている方々に読んでもらいたいですね。僕は専門用語をほとんど使わないので、割とわかりやすいと思うんです。そんなわけで、プロはもちろん、素人の方も何かしらヒントを得ることができると思います。

メルマガでは、僕が「何を考えて」株式相場に向かっているのか、どんな相場の見方があるのかなどを書いていきたいと思っていますので、ああ、そういう考え方もあるんだな、というふうに読んでもらえれば一番ですね。

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清水洋介さんプロフィール

1959年生まれ、慶應義塾大学卒。外資証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、現在はワンアジア証券の現役ディーラーとして相場に関わりつつ、証券アナリスト「チャートの先生」としてテレビ等でも活躍。

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