マンボウやしろ『死ぬまで生きます』

マンボウやしろ『死ぬまで生きます』

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芸名に「マンボウ」とつけたのはどうしてですか?

ものすごい好きなんです、マンボウが。マンボウって、顔に軽く物が当たるだけで死んじゃうんですよ。あと、あんまり早く曲がれないらしいんです。ということは、多分ですけど10mくらい先に障害物を発見してももう間に合わないから、死ぬってわかって泳いでるんですよね。

そんなんですから、水族館でもエサをぜんぜん食べられないんですよ、すぐに曲がれないんで。上から落ちてくるエサをめっちゃ見てるんですよ、横を泳ぎながら。

あと、マンボウって口の周りに菌がめちゃくちゃたくさんいるんですけど、直射日光に一瞬でも当てればその菌はほとんど死ぬらしいんですね。マンボウは菌を殺そうと思ってボーンって水中からジャンプするんですけど、勢いが強すぎると入水する時に顔を打って死ぬらしいんですよ。もう本当に、すべてがアホじゃないですか。

あと、もしかしたらどこまでもでかくなるんじゃないかとも言われてます。今までに6m~7mサイズのものが発見されているんですけど、ぶつかって死ななければずーっと大きくなるんじゃないかっていう。とにかく謎が多すぎるらしいです。そういうところも大好きなんですよ。

そんなわけで、去年のカリカの単独ライブでマンボウの話を延々2人で掛け合いでやる、みたいなシーンも作りましたし(笑)、一回だけ相方に「カリカじゃなくてマンボウってコンビ名にしようか」ってちょっとシャレっぽく言ったこともありました。そしたらすごく怒られましたけど。

で、コンビを解散して一人になって、「あ、芸名つけなくちゃ」ってなった時に、なんでかわからないけど「マンボウ」が一番先に浮かんだんですよ。でも、「いや、マンボウじゃねえだろう」って思って他のものも考えたんですが、「やっぱり一番初めに浮かんだものをちゃんと信じよう」って思って。お年寄りとか子どもにもわかりやすい芸人になろうって決めたので、そういう意味もこめてます(笑)。

でもやしろさん、マンボウっていう感じでもないですよね、マンボウと違って近寄りがたさもありますし。

マンボウよく見たらホント気持ち悪い顔してますから……。

マンボウやしろさん

眉毛を剃られているのが特徴的ですが、なぜ剃られたのですか?

仕事がなくてみんなで遊んでた時期に、なんかゲームをしてて負けたら罰ゲームで眉毛を剃るってことになったんですよ。後輩が負けたんですけど、そいつが「やっぱり剃れない」って言い出したんです、売れてない芸人のクセに(笑)。

で、その日はおのおの家に帰ったんですけど、僕はその悶着がどうしても許せなくて、自分で剃って後輩に会いに行こうって思って剃ったんですね。見せしめです(笑)。「俺はやったぞ、お前はこんなことも出来ないのか」っていう。

後輩の反応はどうでしたか?

「いやいや、そこまでしなくてもいいすよ、いやいやいやいや」みたいな微妙な感じで(笑)。

実は家を出る前に母に見られてるんですけどね、すごく怒ってるんですけど喜んでるんですよ。「もうあなた、何してんのよ」って、言葉では怒ってるんですけど、顔はすごくニコニコしてて。多分、二十歳すぎた息子が、まだこんな馬鹿みたいなことしてるっていうのが嬉しかったんでしょうね。うちの母は理解があるんで(笑)。

会社の人にはすごく怒られました。仕事がない僕のために、プッチンプリンのCMのオーディションを入れてくれてたんですよ。そしたら、眉毛剃って来たわけですからね。「わかる? 仕事ないっていうから入れてんのに、眉毛剃ってくるって何? 食品関係でそういうのダメなのわかるでしょ!?」って。

ところがオーディションに行ってみたら監督がすごく気に入ってくれて、一発で合格して、3ヶ月CMやってたんですよ。ゲンがいいじゃないですか、剃ったその日にCMが決まるなんて。それで、「あ、これを押していこう」って思って。13年くらい前ですかね。

とは言え、まさか自分でも35歳をすぎてまでまだ眉毛剃ってるとは思ってなかったです(笑)。

生やすご予定はあるんですか?

結婚したら……、いや、子どもができたらですかね。いじめられたらかわいそうだなーと思って。やっぱり「眉毛がない親」って、超からかいやすいじゃないですか。「お前も同じにしろ」なんて剃られちゃうかもしれないし。そう考えると、子どもにはリスクはひとつも与えたくないですから。だから子どもができたら、生やそうと思ってます。

眉毛がないことのメリットとデメリットを教えてください。

メリットは一個もないですよ(笑)。デメリットしかないですね。もうわかんないんです、電車とか乗ってて自分がなんでジロジロ見られてるのかって。芸人として認識されているのか、なんとなくヘンだと思われてるのか、単に眉毛がない人だと思われてるのか。わかんないんですけど、とにかくすっげー見られてる。

あとそうだ、剃ったばっかりの時って、シャンプーがかならず目に入ってたのが、1~2年経ったころ、「あれ、最近入んねーな、なんでだろう」って鏡を見たら、眉毛の部分の骨がすごく出てきてました。これ、「ウソだ!」っていわれるけどホントなんですよ。こんなには出てなかったです。

まつ毛が伸びたりはしなかったんですか?

まつ毛はほとんどないです。仕事で、「ステーキソースの火はどこまで高く上るか」っていう実験を顔でするっていうのがあって、その時に全部燃えちゃったんです。VTRもえげつないものになってました、火が顔面をグワーッっと走って。ギャラもめっちゃ安かったですよ。でも、その日はステーキが食べ放題だったから出てよかったです。

ブログのタイトルにお名前を拝借するほど山本寛斎さんを尊敬してやまないとのことですが、他に影響を受けた方などがいらっしゃったら教えてください。

とにかく熱い大人の人が好きですね。山本寛斎さん、オノヨーコさん、岡本太郎さん、長渕剛さんとか。50代、60代になって、もうゆっくりしたらいいのにそうはしない人を、すごく失礼なんですけど、見てて笑っちゃうんですよ、格好良すぎて。

あと、僕の場合、「自分の精神状態を芸人用にカスタマイズしなきゃ」って何年もかけて作業をやってきたんですけど、岡本太郎さんがどう生きてきたかっていうのを知った時に、彼は画家として、芸術家として自分をカスタマイズしてた感じがすごいなあって思って、ボロボロ泣きました。

岡本太郎さんの生き方はわかりやすく言うと「安全な道と危ない道があったら、危ない道を選ぶのが私の生き方だ」というものなんですけど、それまで自分がぼんやり思っていたことを明確にしてくれた上に、「それでいいよ」って言ってくれたような気がしました。

あとはドラゴンボールのピッコロ大魔王ですか。生き方がかっこよくてすごく好きです。ドラゴンボールファミリーは割とみんな結婚しますよね。べジータとかクリリンとか悟空とかが結婚しちゃう中、まあ種族が違うとは言えピッコロだけは誰とも一緒にすごさなかったりっていうのがいいですね。人と違うってところ。だから僕はピッコロと岡本太郎の影響を受けています(笑)。

そんなマンボウやしろさんがメルマガを出そうと思ったきっかけを教えてください。

いろいろありますけど、メルマガっていうものがちょっとおもしろいなって思ったんです。買ってくれる人との距離も近いですし。

あと、ブログとかツイッターが面倒くさくなってきたというか……、本当のこと、書けないじゃないですか。ブログもツイッターもホントのことを書いてきたつもりだったんですけど、やっぱりどこかで気を遣ってる自分がいるんですよ。物事を発信する時に、そういう癖がついていたらすごく嫌だなって。そもそも自分は芸人であって芸能人じゃないっていつでも思っているのに、それがタレントみたいなメンタルになってきてるのがやばいなとも思いました。

きちんと見たり聞いたりしてくれている人に対して、こちらもきちんと言うべきことを言うっていう意味でも、思っていることを書ける場所がほしいなというのもきっかけになりましたね。

マンボウやしろさん

最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

僕は自分の人生を、すごいデタラメな、おもちゃみたいな人生にしようと思ってます。それをそのままつらつらと書いていくつもりですので、ぜひ読んで気楽になってもらいたいです。「あ、こんなに適当でもいいんだ、楽しく生きられるんだ」って言うのをぜひ感じてください。

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マンボウやしろさんプロフィール

1976年生まれ。1997年、お笑いコンビ「カリカ」のボケ担当としてデビューするも、2011年、解散。2012年に芸名を「マンボウやしろ」に改名し、ピン芸人として舞台・テレビ・ラジオで活動中。2011年には「吉本ブサイクランキング」の殿堂入りを果たす。2016年夏にサイコロを振って「1」の目が出なければ芸人を辞めると公言している。

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