虚構新聞友の会会報

虚構新聞友の会会報

  • 世の中をひねくれた方向から見られる
  • 独創的な着想を得るためのヒントがある
  • 直接メールでメッセージや質問を送れる

まずは「お前誰だよ」というところから教えてください。

虚構記事を日夜配信するウェブサイト「虚構新聞」の記事執筆と社主をやっているUKと言います。ウェブサイト立ち上げから8年間、飽きもせず虚構記事を書き続けています。

今回メルマガを始めようとしたきっかけを教えてください。

もともと本紙は虚構世界の記事を読者のみなさまにお伝えすることを心がけてきたのですが、良くも悪くも昨今注目を浴びるようになってしまって、内容や表現について、多少世間への影響を意識しながら記事をお送りすることが増えてきました。そういうこともあってか、多くの人に楽しんでもらえるマイルドな記事が増えた一方、古くからの読者には「最近の虚構新聞は丸くなった」「刺激が足りない」などと言われることもあります。なので、そういう余計な意識を排除してものを書ける場がほしいなあ、と。

それでメルマガなんですね。

はい。メルマガならTwitterほど燃え広がるような拡散がないですし、しかも有料だから、他者に転送しにくいだろうと思いました。なので、メルマガではそういう「気遣い」をできるだけ取り払った記事をリアルタイムでお送りしたいです。あと、今回「まぐまぐ!」さんから「UKさんって謎の人物ですよね」という声もあって。

と、言うと?

あまり自分では考えたことがなかったのですが、本紙「虚構新聞」って、一種の怪文書と言うか、「書き手がどういう人物なのかはっきりしない謎の組織」のように思われているみたいで。それはそれでいいですし、別にそこまで追求する必要もないと思うのですが、それでもやはり「虚構新聞ってどんな組織なのか」「社主UKって一体何者なのか」という部分にまで興味を持っている人がいるようなんです。そういうところまで含めて「虚構新聞」という世界にどっぷり漬かりたい変わり者の読者も少なからずいるようなので、ある程度はプライベートな部分も開示してよいかな、と思いました。

UKさん

今回メルマガを「虚構新聞友の会会報」とされた理由は何ですか?

本紙を健全に運営していくためには、やはり金銭の面でいくらか必要になるので、今もサイト内に広告を入れさせてもらっているのですが、正直なところあまりお金になりません。というのも「虚構新聞は広告も虚構」と思われているみたいで、広告効果が弱いのです。ただ、ウェブサイトであれ、今配信中のポッドキャストであれ、インターネットコンテンツというのは基本的に「無償のサービス」であり、「善意の集積体」であるべきだと思っています。なので、今回の有料サービスはメルマガの購読料というより、本紙支援者からのカンパという感じで受け止めています。こんなことを言ったらまぐまぐさんに怒られるかもしれませんが、名目上カンパなので、1ヶ月だけ読んでその後は購読をやめてもらってもいいと思っています。いえ、もちろん続けてほしいですけども。

それで、そのカンパへのお礼というかたちで、「会報」では公私虚実含めいろいろなことを綴っていきたいと考えています。まだどれほどの読者数になるか分かりませんが、できれば購読してくださる希望者全員に「友の会会員証」と「お礼状」くらいは郵送できないか検討中です。

「会報」はどんな内容なのでしょうか。

今のところ提供しているのは、UKの一言コーナー「社主から」と、日記テイストの「社主動静」、読者からの意見質問に答える「社主に訊く」、それと連載小説「内閣総理大臣の憂鬱」ですね。あとは読者おなじみの京都大学・坂本義太夫先生によるコラムや、おすすめの書籍を紹介する「今週の1冊」、不意打ちのタイミングで号外配信する「虚構新聞速報」。そんなくらいですね。できるだけ会員の声も取り入れたいので、要望があれば新しいコーナーを作ることも考えています。

「社主に訊く」というのは、読者からの質問に答えるのですか。

はい、「全て」答えます。堀江貴文さんがメルマガでやっておられたので(笑)。さっきもお話ししたように、虚構新聞の「内側」が知りたいという方もおられるようなので、その辺の期待に応えようかな、と。もちろんあまりにプライベートで答えられない質問が出てくるかもしれませんが、そういう質問に対しても、ちゃんとその理由を述べた上で「すいません、お答えできません」というかたちで返事に代えさせてもらおうかと思っています。なので、充実した「会報」を作っていくための質問・意見はどしどしお寄せください。どんなメールが来ても「スルー」だけはありません。

今後、「会報」でやってみたいことはありますか。

そうですね、読者からの持ち込み虚構記事を寸評するようなのは、おもしろいかもしれません。今までも「ネタにしてください」というメールは多数もらってましたが、基本的に「本紙では投稿を受け付けてません」と言って、お断りしてきたんです。でも、「会報」くらいの読者規模なら、記事を送ってもらっても、それについてそれなり丁寧にコメントやアドバイスができるんじゃないかと。いつになるかは分かりませんが、この「虚構新聞」もいずれ誰かに引き継がねばならない時期が来るでしょうし、そのときに備えて、後進の養成が図れないかとも考えています。

最後に「会報」購読を考えている人に向けて、何か一言お願いします。

六本木ヒルズに本社ビルを建設するための準備資金200兆円を工面するには、どうしても読者のみなさまのご支援が必要です。最初にもお話ししたように、今回の月額課金は「会報」購読料だけでなく、この仕組みを利用した本紙へのカンパという側面もありますので、もし本紙へのご支援を考えていただけるようでしたら、試しに1ヶ月でもいいので、まずはお気軽に購読登録をお願いしたいです。

その上で、本紙がお送りする「会報」「連載小説」「速報ニュース」などが気に入っていただけるようなら、今度は「メルマガ読者」として、引き続きご購読をお願いします。まだ始めたばかりで手探りの状態ですが、会員のみなさまと一緒に「会報」を作り上げていければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

UKさん

ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。あの、ちなみにこのインタビューって取材料いただけるんですかね?

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UKさんプロフィール

1980年京都市生まれ。滋賀県在住。虚構新聞社社主・「虚構新聞」主筆。英国オックスブリッジ大学教養学部修士課程修了。大学院生であった2004年3月、虚構記事を配信するウェブサイト「虚構新聞」を設立。同年、雑誌「ネットランナー」(廃刊)にて「ベスト・オブ・常習者サイト2004/テキストサイト・日記部門」で金賞を受賞。「僕の見た秩序。」「ろじっくぱらだいす」など、有名テキストサイトを押さえ、いきなり入賞した新進気鋭のテキストサイトとして一躍注目をあびる。2010年には初の書籍化『号外!虚構新聞』(笠倉出版社)を発売するもあまり売れず。同年「アルファブロガーアワード」にノミネートされるも「中国嫁日記」に敗退。近年、配信した虚構記事が事実として広まった結果、サイトを「炎上」させてしまうことが多く、「自重しろ」との声多数。しばしばネット界隈をにぎわせている。

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