東北まぐ24号 2013年7月
マンボウの水揚げ、アイスがつなぐ北三陸、宮城の離島ペンション3年目の海開き、「また海さ行ぐ!」の声が響いた久慈のまちなか水族館、じゃじゃ麺のお取り寄せ。現地レポートをお届け
東北まぐ
波路上漁港に揚がったマンボウを解体する漁師たち(宮城県)
はじめに
 「おもしろいもん見れっから、すぐおいでよ」と呼ばれて出向いた、宮城県気仙沼市の波路上(はじかみ)漁港。気仙沼湾の入り口に位置する小さな浜辺に、畳二畳ほどの大きなマンボウが揚がっていました。カモメが舞う中、三人の漁師さんたちが包丁を片手に分厚い皮を切り、器用に解体していきます。地元の人たちが袋をもって浜にやって来ては、次々と身や肝を切り分けて笑顔で帰っていきます。彼らにならっての白身を分けてもらった私たちは、まちの食堂へ駆け込んで、氷水で締めたぷりぷりの身を酢味噌和えで頂くことに。

 海とともに生きる人々の息づかいを感じる、東北。

 みなさんが、東北に足を運ぶきっかけとなる事を願って。東北まぐ、第24号をお送りいたします。

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行ってきました東北
北三陸ソフトクリームスタンプラリー
行ってきました東北
子供から大人まで愛される、おおのミルク工房のソフトクリーム
 
行ってきました東北
おおのキャンパス内に立つ おおのミルク工房
 
行ってきました東北
工房内で新鮮な牛乳が製造される
 
行ってきました東北
自由に放牧された牛たち
 
行ってきました東北
有限会社おおのミルク工房課長 浅水巧美さん
 
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>Information
おおのミルク工房
http://www.yumemilk.com/
   「ソフトクリーム」それは、子供からお年寄りまで、誰もが愛する極上のスィーツです。岩手県の北三陸地方には、地元の特産品を活かした絶品のソフトクリームが数多く存在します。それらをスタンプラリーにして楽しむ「北三陸ソフトクリームスタンプラリー」が、9月末まで開催されています。企画したのは、岩手県洋野町にある有限会社おおのミルク工房。

 課長の浅水巧美さんにお話をお伺いしました。

 おおのミルク工房の主力商品は「ゆめ牛乳」。畜産業が盛んな洋野町で「牧場の人々が、いつも家のお鍋で温めて飲んでいる、甘くて美味しい牛乳」を目指して作られました。

 「洋野には、北海道と間違われるくらい大きな牧場があるんですよ」と笑顔で語る浅水さん。おおのミルク村の牧場は絶景。美しい山々の麓で、牛たちが自由に育っています。海の恵み、そして山の恵み、すべてが揃う三陸地方の素晴らしさを体感する事が出来る場所です。

 「ゆめ牛乳」というネーミングには、ある願いが込められています。「ゆめという言葉には、地元の子供たちにこの牛乳を愛してほしいという意味が込められているんです」今では学校給食でも飲まれるゆめ牛乳。震災の時、牧場の施設が停電。しかしすぐに復旧させ、地元の人々に馴染みの牛乳を飲んでもらい、安心、そして夢を与えました。その「ゆめ牛乳」を使ったソフトクリームは、洋野町・道の駅おおの「ゆうきセンター」で販売、休日には400個売れるほどの大盛況。そして北三陸には、この「ゆめ牛乳」と、地元の食材を使ったソフトクリームが売られています。野田村・道の駅のだ「ぱあぷる」で提供されるのは、海水で作られた塩がミックスされた、大人の味わいが自慢の「のだ塩ソフトクリーム」。普代村の名物・昆布を使った、三陸鉄道普代駅の「こんぶソフトクリーム」など。すべてのソフトクリームを食べて、スタンプを押して貰うと、抽選で特産品の詰め合わせが当たります。

 「ソフトクリームを通じて、三陸が活性化し、元気になってほしい」と語る浅水さん。これからも地元の素材に拘ったソフトクリームを作りたいと、日夜試作品作りに励んでいます。(寺坂直毅)

東北マップ
 
泊る東北
三年ぶりに海開きを迎える、小さな島の白砂の浜
泊る東北
晴耕雨読オーナー・水越研二さん
 
 手作りのウッドデッキを渡ると、目の前にコバルトブルーの海が広がりました。「『東北のハワイ』って呼ばれてるんだよ」十年以上も前、友人に誘われて初めて島を訪れた時の事を思い出します。「脇の道から浜辺に下りられるんですよ。海水浴場が目の前だから、子供達が遊んでいると、ここから『おーい、お昼だからもう帰って来ーい』って呼ぶんです。」網地島の高台でペンション「晴耕雨読」を営む水越研二さん(62)は、そう言って笑いました。
 
 網地島は、宮城県石巻市の牡鹿半島の突端近くにある、人口約400人の島です。石巻港からは、定期船で約一時間ほど。港の近くには、白い砂浜と透き通った海で有名な網地白浜海水浴場があります。水越さんは42歳の時、家族でこの島に移り住み、ペンションをオープンさせました。「仙台で会社をやっていましたが、週末にヨットでセイリングするのが趣味でね。網地島に停泊すると、浜で島の人達と宴会になっちゃうんです。家でお風呂入らせてもらったり、魚もらったりして。その内、都会を離れて本当に必要なものだけを選んで生活しようと思って、移住しました」7部屋ある可愛らしいログハウス風の宿や自宅は、一年近くかけて水越さんが建てたもの。宿の名物は、地元のウニやアワビなどの海の幸や、自家製のベーコン。ウッドデッキからの海の眺めは、普段の生活の騒がしさを忘れさせてくれます。

 東日本大震災の時には電気や水道などのライフラインが寸断され、島は一時孤立状態になりました。津波による死傷者はいなかったものの、漁港の岸壁は大きく地盤沈下し、浜には水が見えないくらいの大量の瓦礫が打ち寄せられました。「丸太が何百本と流れて来たんです。その他にも家の屋根とか、魚が入ったままの発泡スチロールとか。毎日毎日、島のじいさん連中で漂流物を手作業で取り除いていきました。ここでは60代は若手だから(笑)」

 島の人達の手で美しい砂浜を取り戻した海水浴場は、今月、震災以降初めての海開きが行われます。津波の被害を受けた公衆トイレは改修され、仮設のシャワーも出来る予定です。石巻市牡鹿総合支所地域振興課によると、震災前10軒あった民宿の内、4軒が営業を再開させているそうです。「ここは役場も警察もコンビニもないけど、あるもので工夫して生きる知恵がある。それに何故かこの島の人は、外から来た人に優しいんですよね。来てくれるだけで嬉しい、困っていたら助けようと思う。だから大勢の人に訪れてもらって、島の良さを知ってもらいたいです」東北で南国気分を味わえる網地島。普段は静かな浜ですが、この夏は久々に海水浴を楽しむ子供達の歓声が響き渡りそうです。(平沼敦子)

東北マップ
 
泊る東北り
バーベキューも出来るウッドデッキ
 
泊る東北
朝食には水越さんお手製のベーコンサンドが並ぶ
 
泊る東北
子供達の持つエサを狙って船を追うカモメ
 
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Information
ペンション 晴耕雨読
宮城県石巻市網地浜髪剃坂107-40
0225-49-2726
http://www13.plala.or.jp/
seikoudoku/

網地島ライン(島への航路)
HPには島の観光情報も掲載されている。
http://www12.ocn.ne.jp/~ajishima/
 
行ってきました東北
商店街に誕生した水族館
行ってきました東北
久慈市小袖で生まれ育った 広報担当 宇部たみ子さん。
 
 岩手県久慈市・久慈駅前の商店街に、「もぐらんぴあ まちなか水族館」はあります。「もぐらんぴあ」は、もともと久慈市の侍浜にある、石油備蓄基地のトンネルを利用した水族館でしたが、震災による被害を受けたため、久慈駅前商店街の家具店の空き店舗に移転。2011年の8月5日に再出発しました。

 お話を伺ったのは、広報担当の宇部たみ子さんです。最初、再建する事は考えられなかった。しかし、トークショーなどで毎年交流があった、さかなくんからの応援を受け、「もう一度水族館を始めよう。水槽一つからでもいいじゃないか!」と決断。壊れた水槽は、10人のスタッフ全員でサビをとり、自分たちの力で修復。店も改装しました。「私たちは前に進むしかないんです」と、宇部さんは語ります。オープン当日まで、「お客さんは来るのだろうか…」と、眠れない日々を過ごしていたそうですが、開館前には家族連れや子供たち100人の列がありました。「あの時は本当に努力が報われました」と、宇部さんは笑みを浮かべます。
 
行ってきました東北
久慈の海で、震災を生きぬいた生物を展示
 
行ってきました東北
家具店を利用したまちなか水族館 もぐらんぴあ
 
行ってきました東北
 
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Information
「もぐらんぴあ」まちなか水族館
http://moguranpia.blog81.fc2.com/
   宇部さん一番のこだわりは、「久慈の海の生き物」のコーナーです。今現在、久慈で獲れる生き物を置くコーナーを設置しようとした宇部さん。スタッフからは、「海には魚はいないですよ」「水槽に魚が集まらない!」と反対を受けます。しかし宇部さんは「集まらないのが面白いじゃない。時化があって、今は魚は獲れないとお客さんに説明すれば、そこで会話ができるんだから」と力説しました。「いつかは、漁師さんが魚を持ってきてくれて、どんどん魚が増えていく。そこに喜びがあるはず」久慈市小袖地区で、海女の娘として育った、海を心から愛する宇部さんならではの意見です。そうして今、「久慈の海の生き物」のコーナーは魚たちが増え、人気のゾーンとなっています。

 一番嬉しかった出来事を尋ねると「ある、おじいちゃんとお孫さんの笑顔ですね」と答えた宇部さん。そのおじいちゃんは海で、船を流され、大きな悲しみを味わい、もう海や魚を見たくないと話していました。しかしお孫さんが「おじいちゃん、魚の掴み方を教えて!」と、しきり声を掛けています。この水族館へ来たことがきっかけで、おじいちゃんはお孫さんと一緒に海の生き物に触れ合う事が出来たのです。帰り際、おじいさんは宇部さんに「いがった、いがった。また海さ行く」と行って水族館を出ました。「海を再び愛してくれた」その喜びで心の中でガッツポーズをしたそうです。

 「もぐらんぴあ」は、2014年には侍浜に再オープンします。これからの久慈の海をみつめながら、更に愛される水族館へと成長します。(寺坂直毅)

東北マップ
 
今月のお取り寄せ
今月のお取り寄せ
生麺、肉味噌、薬味が入った2人前のセット。

今月のお取り寄せ
麺は湯を切り、暖かいうちに具材、肉味噌を乗せ、薬味とともに食べる直前に混ぜる。
盛岡じゃじゃ麺(2人前) 840円
  東北まぐ編集部
イチオシの理由は?
 今回はわんこそば、冷麺に並ぶ、岩手県盛岡市の3大麺料理のひとつ、「盛岡じゃじゃ麺」をご紹介します。「盛岡じゃじゃ麺」と良く似た食べ物で「ジャージャー麺」というのがありますが、「ジャージャー麺」は中華麺に甘辛い肉味噌をかけたもの。一方、「盛岡じゃじゃ麺」はきしめんのような平たいうどんのような独特の麺に、塩辛い肉味噌をかけたものを言います。
 今回は盛岡の名店、香醤のじゃじゃ麺をお取り寄せ。取り寄せた商品は肉味噌と生麺、おろしにんにく、おろし生姜、ラー油などの薬味がセットになっているものです。一般的なじゃじゃ麺に使用されるきゅうり、ネギはこちらで用意しました。
 食べる前にやらなくてはいけないのがしっかりとかき混ぜること。肉味噌と具材、麺をまんべんなく混ぜることで麺全体に味が行き渡り、味のばらつきがなくなります。
 一口食べて驚くのが肉味噌の深い旨みです。豚肉と鳥肉の旨みと、胡麻、落花生、胡桃の香ばしさが非常に良くマッチしています。肉味噌自体は濃いめの味付けなんですが、麺と絡まることで塩気がちょうど良くなります。おろしニンニク、おろし生姜のガツンとくる風味も相性が良いですね。
 肉味噌のこってりとした後を引く味わいに釣られ、どんどんと食べ進められます。
 麺を食べ終わったら肉味噌が残っている器に溶き卵とお湯を入れスープとして楽しみ、締めるのが盛岡流。麺好きならば是非試して欲しい逸品です。
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Information  ご注文はこちら↓
香醤
http://www.konamu.com/koujan/
allitems.php
 
 
【東北まぐ】 2013/07/11号 (毎月11日発行)
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編集 :岸田浩和
取材 :岸田浩和、寺坂直毅、平沼敦子
デザイン :九門 淳(有限会社セカンドリビングプロジェクツ)
スタッフ :野瀬紗也佳 本村彰英
表題写真 :岸田浩和
 
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