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1円玉のお賽銭は手数料で消える…神社関係者のつぶやきに「端金は無用?」と大炎上

1円玉のお賽銭は、多ければ多いほど全部手数料になってしまう――。初詣のシーズンを間近に控えるなか、とある神社関係者による何気ないツイートが、大きな反響を呼んでいる。

ツイートしたのは、神戸市須磨区にある板宿八幡神社の“非公式”アカウント。つまりは神社の公式な見解ではなく、あくまでも雑談の延長といったつぶやきではあるのだが、それによると近年銀行が硬貨の枚数によって入金手数料を取るようになったとのこと。そのため、1円玉が多いと手数料ばかりかかることになり、それこそ「神社にはそれこそ、1円も入らない」状況になるという。

またそれに続くツイートでは、「硬貨を重ねてテープでガチガチに留めてたりとか、やめて欲しい」「一番やめて欲しいのは、メダルとか玩具のお金とか、円以外の硬貨ね」とも発言。お賽銭を銀行に持っていく際に、テープを剥がしたりお金以外のものを選り分けたりするのに、時間や手間がかかるからということだ。

一連のツイートに対しては、25日正午時点で1.4万件のリツイート、2.3万件のいいねを集めるなど、多くの方が経験のあるお賽銭にまつわる問題だけに、多くの関心が寄せられる結果となっている。

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お賽銭の集計に手数料を取る金融機関の事情とは

今回の件に関しては、ツイート主の神社だけではなく、どこの寺社仏閣においても共通に抱えている問題のようで、さっそく他の神社関係者から「郵便局なら今のところ手数料無料」といったレスポンスも。いっぽうで「農協は今年から手数料が発生するようになった」という情報もあり、郵便局も近いうちに手数料を取るようになるのではという見方が大勢のようである。

また今のご時世、小銭の集計と言ったらだいたいが機械集計なハズなのに、どうして手数料を取られるのかという疑問に対しては、現職銀行員を名乗る方から「汚い硬貨を何回も機械に通してると、すぐに汚れが溜まって故障する」との回答が。確かにお賽銭は不特定多数の参拝客から投げ込まれるものであり、しかも賽銭箱が置かれる場所もほとんどが屋外なだけに、硬貨もキレイな状態のものよりも汚れたものの方が多いというのは頷けるところだ。

さらに、銀行に以前勤めていた方からの報告によると、年明けに山のように届くお賽銭の集計には、なんと丸1日分の作業時間がかかるという。もちろん、最終的には機械で集計するワケだが、その前に硬貨に付いているゴミやサビ、さらにテープでまとめてある際はそのネバネバなどを取り除くために、一度洗剤で洗ったうえで乾くまで新聞紙の上に広げて干す必要があるのだという。

集計機のメンテ費用、さらに機械集計でもこれだけかかる手間暇を考えれば、小銭の集計に手数料がかかってしまうということ、さらに枚数ベースで手数料が変わるということについても、十分に納得できるところではないだろうか。

進むお賽銭の「キャッシュレス化」

このように、お賽銭の1円玉に全国の神職の方々や金融機関の関係者が頭を悩ませるいっぽう、お賽銭を収める参拝者サイドからの反応は冷ややかなものが多い印象。「はした金入れんなって言っているようにしか取れなかった」「1円玉や心を軽視した発言」などの意見、さらに嫌な神社でのお賽銭は“あえて”1円玉でといった、嫌がらせ行為を勧める声も飛び出すなど、かなり辛辣な内容のものも見受けられる。

また、そのような厳しい声に対して「ずいぶんケチつけてる人いるみたいだけど…」「これからは1円じゃなくて5円硬貨以上にすればいいってだけの話なのに」という風に苦言を呈する意見もあるなど、かなり揉めている模様で、これはツイート主にとってもかなり悲しい状況といえそう。

いっぽうで、お賽銭の銀行などへの入金に手数料がかかるようであれば、今後はお賽銭もキャッシュレス化の時代が到来するのではないかという声も。現に京都の東本願寺では、今年10月から懇志(お賽銭)の電子決済を始めたほか、読経志、納骨志、出版物冥加金などの各窓口にもクレカ決済を導入しているという。

神社側や金融機関もこれまでの手間が省け、参拝者側も現地で「手持ちの小銭がない」といった事態が防げるお賽銭のキャッシュレス化。「なんだか味気ない」といった声もあがるが、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大防止という観点からも、また今回のような無用の揉め事を防ぐためにも、このような動きは今後各地の寺社仏閣で本格化していくのかもしれない。

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