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潰れる会社と生き残る会社 三菱自動車と東芝、オリンパスの「差」=山崎和邦

「後始末」に原理原則は存在せず、市場の鉄槌と報償あるのみ

粉飾の罪、虚偽報告、破綻、これらは多種多様であって、その始末には原理原則はない、と言ったが、多少でもお灸を据えたり、努力に報いたりした形跡を見い出すならば、それは市場が鉄槌を下し、かと思えば市場が報いるという現象であろう。

鉄槌は今時の三菱自動車がその好例であろう。27日の420円は10株統合前に戻せば実質42円の「額面割れ」で既に破綻価格である。

それと市場が与える報償、一旦罰してから報いた例では、市場が潔さを愛でた西武鉄道、市場が全社一丸となった再建努力を賞した日本航空、また技術レベルの高さを認めて生かせたオリンパスとなろう。原発技術の蓄積と未来に期待した東芝もそうである。2月12日に155円まで下がったものが4月25日には256円、2か月で65%上昇という戻りを示した。

※前ページで少し触れた山一は1965年にも第1次破綻を来した。時の大蔵大臣は田中角栄、銀行には中山素平、日銀総裁は宇佐美洵と錚々たる人物が揃っていて、一挙に日銀特融を決して報道管制を敷くと同時に山一破綻と日銀特融のニュースを同時に並べて発表させて無用な混乱を避けさせた。

その前に山一の山瀬将軍と謡われた兜町の寵児・山瀬正則株式部長は寂しく一人で退社していった。そのもっと前に東京大学卒のインテリ株屋と言われた太田修山一社長は青酸カリ自殺している。この会社には筆者が言う「滅びのDNA」が根深く伏在した。

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山崎和邦(やまざきかずくに)

山崎和邦

1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院特任教授、同大学名誉教授。

大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴54年、前半は野村證券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。

趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12を30年堅持したが今は18)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。

著書に「投機学入門ー不滅の相場常勝哲学」(講談社文庫)、「投資詐欺」(同)、「株で4倍儲ける本」(中経出版)、「常識力で勝つ 超正統派株式投資法」(角川学芸出版)、近著3刷重版「賢者の投資、愚者の投資」(日本実業出版)等。

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