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ワクチン一本やり策の限界露呈。接種率「米国超え」も見えぬ経済再開、コロナ対策の転換必須=斎藤満

日本のワクチン接種率はついに米国を超えましたが、経済回復の面では大きく差を付けられています。現状の接種率で冬に来るとされる第6波を防げるのか、専門家からの説明はありません。ワクチン一本やり策の修正が必要になっています。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

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※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2021年9月22日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

ワクチン接種進展・東京オリパラでも上がらなかった内閣支持率

ワクチン接種によるコロナ対策と東京オリパラに大きな期待を寄せた現政権。

このうち、東京オリパラが終わっても、期待した支持率の上昇は果たせませんでした。残るはワクチン全面依存の成果です。

政府内にはワクチン接種進展に伴う規制緩和で経済の活性化を検討しています。

しかし、接種率の高い国での感染再拡大、ブースター接種論が期待に水を差し、修正が必要になりました。

米国に追い付いたワクチン接種率

欧米に比べて大きく出遅れた日本のワクチン接種ですが、夏場の急拡大の成果もあって、職域接種を含めると、足元では少なくとも1回のワクチン接種をした人が9,000万人を超え、8割近くの人が1回の接種を終えたことになります。

そして2回の接種を終えた人も6割に迫りました。この数字は、ワクチン接種の進展で経済規制が緩和された米国の接種率を上回りました。

米国ではトランプ支持派を中心に、ワクチン接種を頑として拒むグループがいて、大きな壁になっています。6月中に約5割の接種率に到達した後は、この壁に阻まれて頭打ちです。

それでもワクチン接種の証明書があれば、飲食店でもスポーツイベント、飛行機などが自由に利用できるようになりました。

さらにワクチン接種率の高い英国では、サッカーなどの大会でもコロナ前の自由な観戦体制が戻りました。

これら欧米の規制緩和を見て、日本でも飲食店やイベントに課せられていた規制の見直しや、これまで負担を強いられてきた業界への経済支援策が検討されるようになりました。

Next: 万能ではなかったコロナワクチン。経済再開は遠のくばかり

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