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平塚市職員が病気休職中にラノベを書いて印税320万円稼いだら停職6か月になった件。匿名タレコミで発覚か?“超安定職”公務員の副業に賛否噴出

病気療養で休職中に無許可でライトノベルを出版し、印税を得ていた平塚市の男性職員に停職6か月の懲戒処分が下されたことが、様々な波紋を呼んでいる。

報道によると、市職員は病気で療養中だった2019年7月からの約2年間、2つの出版社からラノベ4作品を出版。印税約320万円を得ていたという。さらにこの間に、自身のSNSアカウントで「買って下さい」などと、9,531回のツイートをするなどしていたという。

市職員は「違法行為とは思わなかった」と話しているといい、処分のあった同日に依願退職したという。

「もしかして売れっ子?」広がる作者特定を求める声

今回の報道を受けて、SNS上ではこの“公務員ラノベ作家”が一体誰なのか、またどの作品なのかを推測するツイートも多く見られるなど、大きな反響に。

なんでも2年間で4作品、印税を約320万円貰えるほどの売れ行きだったとのことで、毎月のように数多くの本数が出版され、作家も数多くデビューしてはその多くが消えていくラノベ業界にあっては、まずまずの売れっ子だったのではとの声も聞こえてくる。

病気療養のために約2年間に渡り休職していたというこの市職員だが、一体どういった病気で休んでいたのかは不明。市によると病気での休職中は、身分保障がされ一定期間は給与も出ることから、早期の復業に向けて療養する義務を負っていると、処分に至った理由を話しているが、ネット上からは「ラノベ出版が療養だったかも」と市職員を擁護する声もあがるなど、いかにもお役所っぽい融通の利かない市側の対応を批判する声も多い。

ただその反面で、やはり公務員による副業での執筆活動は、ちゃんと報告したうえで許可を取るべきとの声も多く、それを怠った市職員に対して「ちょっと意識が低いのでは……」といった批判も。また、退職して作家一本でいく度胸がなかった末の休職制度の悪用では、といった厳しい見方もみられる。

確かに320万円の印税収入というのは、ラノベ業界内においては上々の成果なのかもしれないが、それのみで生活していくには、かなり心許ない金額であることも確かで、退職した市職員の今後を心配する声も少なくない。

公務員の副業を妬む層も存在する?

地方公務員法では公務員の副業を原則禁止としているが、過去には公立小学校の女教師がファッションヘルスで“夜のアルバイト”をしていたことがバレて、大きな話題となったことも。さらに最近では、育児休暇中の出来事を漫画にしてSNS上に公開していた男性高校教師が、その出版にあたって勤務時間外での加筆作業をしようとしたところ、教育委員会から不許可を告げられたことで裁判沙汰になるなど、今回の件のみならず公務員の副業を巡っては、これまで様々な問題が噴出している状況だ。

【関連】公立高校教師の“育児マンガ出版”を教育委「不許可」で訴訟へ。賃貸不動産管理はOKで、なぜダメなのか?公務員の副業めぐり賛否噴出

ただそのいっぽうで、リンゴ生産量日本一を誇る青森県弘前市では、収穫作業などを手伝う市職員のアルバイトを、今年10月から許可したとの報道が。民間企業においては、多くの企業で副業や兼業がどんどん推奨されている流れとあって、流石に公務員の副業禁止は時代に合っていないのではという声も多く、それに応じるかのように規定を緩めるところも、ここに来て増えてきているようだ。

しかし長引く不況の影響もあり、公務員という立場がよっぽどの問題を起こさない限りクビになることがなく、給与もそこそこ貰えて福利厚生も手厚い超安定職だとの見方が広がるなか、そのうえで副業もできるなんて……という恨み節にも似た声もチラホラ。

現に今回の件も、今年6月ごろに「この小説を書いたのは、市の職員ではないか」との匿名情報が寄せられたことが、発覚するきっかけとなった模様。先述の“夜のアルバイト”女性講師も、勤めていた学校への複数回に及ぶ匿名電話によってバレたということもあって、公務員という安定した職につきながら副業に勤しむことが絶対に許せないと考える層も、一定数存在するようだ。

昔は「安月給」などと揶揄され、その水準は以前とさほど大きくは変わっていないハズの公務員だが、今では副業に勤しんでいるとすぐさまチクられてしまうという、ある意味で妬み・嫉みの対象に。「日本人の給料は30年間上がっていない」と事あるごとに取沙汰される昨今だが、今回の件はそのことを象徴するようなエピソードだとも言えそうだ。

Next: 「カフカは公務員をしながら名作を書いたのに」

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