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「配達が面倒」郵便物約7000通を廃棄した配達員を逮捕。待遇格差是正のため「正社員の休暇を減らす」日本郵政上層部の無能ぶりが“モチベゼロ”社員を大量生産か

約7,000通もの郵便物を雑木林に捨てたとして、郵便配達員が郵便法違反の疑いで逮捕されたと報じられたことが、SNS上で大きな波紋を呼んでいる。

逮捕されたのは堺市美原区にある美原郵便局に務める20代の配達員。警察によると16日の夕方、郵便局からおよそ1.4km離れた雑木林に、配達する予定だった郵便物およそ7000通を捨てていたといい、目撃した通行人の警察への通報によって発覚した。

郵便物は買い物袋など13個の袋に入った状態で捨てられ、中身はハガキや封書、なかには新型コロナのワクチン接種券も含まれていたとのこと。配達員は調べに対し「配達するのが面倒になり、持ち帰って車に隠していた。隠していた郵便物の処分に困って雑木林に捨てた」と、容疑を認めているという。

バイトテロならぬ“社員テロ”が横行の郵便局

郵便物を配達せずに廃棄する事案といえば、過去によく耳にしたのが年賀状配達の学生バイトたちによるもの。しかしながら、近年では同様のことを日頃から配達業務に従事している社員が行っていたというケースも多いようだ。

ごく最近の件でも、昨年12月に京都府舞鶴市内の郵便局に勤務する30代の男性社員が、郵便物365通を「配達するのが嫌」という理由で空き家敷地内に捨てたり、自宅に隠し持っていたことが発覚。また同じく昨年12月には、宮崎県内の空き家の納屋から郵便物1244通が見つかり、配達担当だった社員と連絡が取れない状態だと報じられるなど、まさに枚挙に暇がない状況だ。

さらに同年11月には、東京都内の郵便局に勤める配達担当の社員が、クレジットカードや商品券などが同封された郵便物数10通を着服したと報じられるという、より悪質なケースも。年賀状配達の学生による“やらかし”がある種のバイトテロとするならば、昨今の郵便局はさしずめ“社員テロ”が横行しているといったところだろうか。

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もっとも配達バイトを苦しめていた年賀状を含めた郵便物の数は年々減っているというが、それに代わって最近ではネット通販などによる貨物類、日本郵便でいえばゆうメールなどの取り扱いが増えているという。これらが、従来のハガキや封書のように郵便受けに入れればOKだったのとは異なり、例えば郵便受けの差し入れ口に入らない大きさだったりしたことで、再配達を余儀なくされたりすることもあったりと、配達する側からすれば違った意味で配達が面倒になっていることは、想像に難くないところ。

そういう背景もあってか、つい先日には埼玉県内の郵便局に勤める配達員が、荷物を配達する際に施錠された郵便受けを勝手に開け、郵便物を入れていたことが発覚。そのことが報道され、SNS上で話題となった。配達員は「再配達は利用者の負担になるので悪いこととは思わなかった」と申し開きをしているようで、そのことを配達員の“機転”という風に受け止める向きも多いいっぽうで、もちろん「怖い」「不快だ」という声も多く、議論は大いに紛糾したのであった。

郵便局員のモチベーションをダダ下がりさせた「待遇格差是正」

このように配達員たちが抱える苦悩は今も過去もそう変わらず、なかには配達が面倒になるほど勤労意欲が目減りする者も続出するなか、最近ではそのモチベーションがさらに下がりかねない話も浮上している。2020年10月に下された「正社員と非正社員の待遇に不合理な格差がある」という最高裁判決を受けての、日本郵政による対応だ。

報道によると日本郵政は、最高裁によって認定された上記の待遇格差の是正のために、非正社員の待遇を改善するのではなく、なんと正社員の休暇を減らすといった“待遇改悪”で、その格差を縮めようと計画しているとのこと。もちろんこの報道に対しては、SNS上で「ありえない」と日本郵政に対し批判の声が殺到した。

非正社員側としては、最高裁によって格差が認定されたにも関わらず、それでも待遇が改善されることのない絶望感。いっぽうで正社員側は“格差是正”の名のもとに自らの待遇を悪くされるという不条理ぶりで、下手をすれば正社員と非正社員との間で断絶をも起こしかねない、まさに“下の下”の対応。こうしてみると、今回の件のように郵便物を配達せず廃棄するといった配達員が続出するといった状況も、この無能極まりない日本郵政の上層部が生み出したものとみて、大きな間違いはなさそうである。

Next: 「大事な郵便物が捨てられてしまったときに使える保険を…」

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