最も見るべきは人の心理
単純にPERやPBRが低い銘柄を選べばいいわけではない理由は、市場の原則にあります。企業に関連する新たな情報が出れば株価は瞬時にそれを織り込むので、不当に割安または割高に放置される可能性は低いのです。これを効率的市場仮説と言います。
しかし、効率的市場仮説は完全ではありません。物理学で言うところの真空状態のようなもので、実際の市場にはさまざまな雑音が入ります。雑音の最たるものが人の心理です。
人の心理は移ろいやすいものです。ひとたび悪い話があれば、それまでどんなに良かったとしても急に不安になります。津波のあとに、遠く離れた地域でも低地の家が急に全く売れなくなるのと似ています。
心理に惑わされると、人は合理的な判断をすることが難しくなります。マスコミよる追加的なネガティブなニュースはそれに追い打ちをかけます。機関投資家も例外ではなく、そのような株を買おうとしても稟議が下りないでしょう。
そんなネガティブなニュースも、時間が経つと人々の頭から忘れ去られていきます。その後の業績が順調であれば、株価はじわじわと戻ってくるものです。そんな時値上り益を手にしているのは、日本のマスコミに触れる機会が少なく、合理的な判断ができた外国人投資家であることが多いのです。
ネガティブなニュースはバリュー株投資家にとって宝の山です。つばめ投資顧問は“バーゲンセール”情報をいち早く皆さまにお届けします。
『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2016年5月6日号)より
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。