中国はどこまで持ちこたえられるか?
そもそも「債務残高」は、GDP比で何%までなら持ちこたえられるのでしょうか?
これはそれぞれの国の状況で値が異なるため、具体的に何%に達したら持続が不可能になる(=借金が返せなくなる)という明確な閾値はわかっていません。
しかし、この分野の研究において、破綻に至る閾値は不明ですが、経済成長が悪化する閾値については統計学的には明らかになっています。
2011年9月、BIS(国際決済銀行)の経済シンポジウムにて、次のレポートが発表されました。
<経済成長が悪化する閾値>
- 政府:債務比率がGDPの85%
- 企業:債務比率がGDPの90%
- 家計:債務比率がGDPの85%
出典:The real effects of debt – BIS(国際決済銀行)
現在の中国の企業債務はGDPで160%を超えており、閾値の約1.9倍の大きさになっています。中国経済の成長にブレーキがかかっているのも無理はありません。
現在、中国はステージ1「株価の暴落」においては、ほとんど日本と同じ状況になっています。
中国は1年後の株価暴落率まで日本とほぼ同じ(約40%下落)になってしまい、ステージ2、ステージ3へと駒を進めてしまうかもしれません。
「GDPが伸びていないのに企業債務が膨張し続けていて、止まる気配がない!」
このデータを重視して、ジョージ・ソロス氏は「中国経済のハードランディングは不可避」と主張しているのです。