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【理論株価】1ドル110円割れ回避なら1万9500円を中心とした動き継続か(3/22)=日暮昭

当マガジンは日経平均の妥当な水準として統計的処理で求めた理論株価をもとに、足元の相場の位置づけを評価する材料を提供するものです。原則として日経平均と理論株価の位置関係を示すグラフと表に若干のコメントを合せて毎週1回配信いたします。皆様のより良い投資成果のための一助にして頂ければ幸いです。
※「理論株価」についてはこちらをご覧ください。(『投資の視点』日暮昭)

プロフィール:日暮昭(ひぐらしあきら)
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を用いた客観的な投資判断のための市場・銘柄分析を得意とする。

現状為替水準なら通常変動上側1万9500円を中心とした動きが続こう

株式相場は米ドルとの連動性が強い状況が続きそう

株式相場はここ3カ月ほど膠着状態が続いています。今回はこうした状況について、視点を少々長くとることで、ファンダメンタルズとの兼ね合いで見直してみましょう。

下図はこれまで当講座で用いてきました日経平均、理論株価と通常変動の上側、および理論株価の決定要因である予想EPSと米ドルレートの動きを、2016年初から直近の2017年3月17日まで示したグラフです。

日経平均、理論株価、通常変動の上側と予想EPS,米ドルレートの推移
2016.1.4~2017.3.17

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図がいささか立て込んでおりますがご勘弁ください。紺色の線が日経平均、青色が理論株価、赤色が通常変動の上側、緑色の線が予想EPSで紫色が米ドルレートを示します。

図から、この1年3カ月間の日経平均の動きを見ると、図中のA、B、Cで示される3つの局面に分けられます。

2016年前半のA局面は波乱期で、1、2月に中国を初めとする新興国の経済不安を引き金とした急落があり、6月には英国のEU離脱決定による急落がありました。B局面は8月から11月のトランプ・ショックまでの日経平均と理論株価が一体となった期間でファンダメンタルズに沿った安定期です。

そして、トランプ・ショックからそれ以降の相場上昇とその後の膠着状態に続く期間がC局面となります。図中の茶色の縦線はこれらの期間の区切りを示します。

図から、Aの波乱局面は米ドルの下落時期と重なっており、これが市場の不安心理を増幅、実勢以上に相場を大きく振らせ、乱高下をもたらしたことが読み取れます。

Bの安定期は米ドルが8月半ばから11月まで100円から105円の範囲で比較的安定した時期と重なります。そしてトランプ・ショック後の上昇期は米ドルの上昇と歩調を合わせた動きとなっており、膠着状態は為替がやや不安定な動きを見せる一方、業績は今期業績の最終見直しの折り込みで強含みで推移したことで不安定ながら為替と業績の動きの間でバランスをとっているのがC局面と言えます。

こうした傾向から、当面、業績予想は5月の来期予想が反映されるまでは大きく変動する要素はないので、株式相場は米ドルとの連動性が強い状況が続きそうです。米ドルが110円から115円の範囲で収まるとすると日経平均は通常変動の上側である1万9,500円を中心とした動きが続くと見られます。

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投資の視点』(2017年3月21日号)より一部抜粋

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