海外が報じた「自民圧勝」の理由。なぜ日本国民は怒らないのか?=北野幸伯

日本が「幸せな国」である理由その1 「1.3%」

私が、「面白い!」と思ったのは、ここからです。ピーターさんは、日本が「異質」である(=不安定な世界で唯一安定している)理由は、二つあるとしています。

2つの数字が、日本がなぜ異質であるかを説明するカギになる。1.3%と350万ドル(約3億5,000万円)だ。

(出典:同上)

まず、1.3%から見てみましょう。

最初の1.3%は、日本の総人口に占める非日本人の割合だ。それは深刻な移民問題を醸成するクリティカル・マス(臨界質量)にはほど遠い。つまり、メキシコとの間に壁を構築するというトランプ氏の提案につながった反移民感情、ドイツの州選挙で反移民政党が過去最高の投票率を記録するに至った雰囲気、そしてブレクジット(英国のEU離脱)運動を勝利に導いた状況などとは無縁なのだ。

(出典:同上)

この部分、読者の皆さま、そして特に政治家の皆さんは、繰り返し繰り返し読んでいただきたいと思います。アメリカのトランプ現象、欧州でふきあれる極右化現象、イギリスのEU離脱、これらはすべて「移民問題」と深く関連している。ピーターさんは、「日本は移民が少ないから安定しているのだ」と認めているのです。

日本政府はすでに、事実上「3K移民の大量受け入れ政策を実行しています。すでに欧米で「失敗」し、深刻な問題を引き起こしている政策をまねる。まったく愚かです。

保守の皆さんは、「日本国民の賃金水準を下げる3K移民の大量受け入れ」に反対していただきたいと思います。リベラル系の皆さんは、「『日本人が嫌がる仕事は、外国人にやらせればいい』という、『差別的3K移民』大量受け入れ」に反対していただきたいと思います。保守もリベラルも、「欧米で失敗し深刻な問題を引き起こしている」「3K移民の大量受け入れに反対して欲しいです(ちなみに、私は「差別的でない」移民には賛成です)。

日本が「幸せな国」である理由その2 「350万ドル」

もう一つの理由、「350万ドル」はなんでしょうか?

もう一つの数字、350万ドルについて。これは時価総額で日本最大の企業であるトヨタ自動車の豊田章男社長の直近の年俸だ。それはトヨタが200億ドルを上回る純利益を計上し、自動車販売台数が世界一になった年の年俸だ。

ちなみに、米ゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)の2015年の総報酬は2,860万ドルで、前年比77%増だった。

(出典:同上)

世界一の自動車メーカー・トヨタの社長の年棒は約3億5,000万円。米自動車最大手GM・CEOの年棒は、28億6,000万円(共に、1ドル100円換算)。ここでピーターさんが言いたいのは、「日本は、まだまだ貧富の差が少ないので安定しているのだ」と。3億5,000万円。これは、どうなのでしょうか?年収350万円のサラリーマンがこの金額を稼ぐには、「100年」かかります。しかし、同じサラリーマンが、GM・CEOの年収を稼ぐには、「817年」かかるのです。「それでも貧富の格差が少ないこと」が、「日本で暴動が起こらない大きな理由」であることは間違いないでしょう。

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