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日経平均の理論株価は1万6692円 「業績と為替の間」で安定推移中(8/22)=日暮昭

当マガジンは日経平均の妥当な水準として統計的処理で求めた理論株価をもとに、足元の相場の位置づけを評価する材料を提供するものです。原則として日経平均と理論株価の位置関係を示すグラフと表に若干のコメントを合せて毎週1回配信いたします。皆様のより良い投資成果のための一助にして頂ければ幸いです。
※「理論株価」についてはこちらをご覧ください。(『投資の視点』日暮昭)

プロフィール:日暮昭(ひぐらしあきら)
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を用いた客観的な投資判断のための市場・銘柄分析を得意とする。

日経平均株価、8/19大引け時点の理論株価は1万6692円に

相場下落も構造は安定。カギ握る業績

日経平均は1万7000円直前まで上昇した後、ドル安に足を引っ張られる形で再び1万6500円台まで押し戻されました。相場は相変わらず為替の動きに敏感に反応しているようですが、ファンダメンタルズで裏打ちされる構造の面からはむしろ安定感が高まっているようです。こうした構造が通用しない相場変動は(リーマンショックのような)“こわい”相場となりますが、足元、そのような兆候は見られません。

下図は昨年末から直近の8月19日までの日経平均と理論株価、そして日経平均ベースの予想EPS(業績)と米ドルレート(為替)の推移を併せて示したグラフです。紺色の線の日経平均と青線の理論株価は左目盛、赤線の予想EPSと紫線の米ドルレートは右目盛です。

日経平均、理論株価と業績、為替の推移
2015.12.30~2016.8.19

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前回の当講座でみたように、日経平均は1月と2月に一時理論株価からの限界を超える急落となり、“こわい”動きを見せましたが、ここにきて昨年12月末以来となる理論株価への回帰となりました。

相場の下落はもとより望ましいとは言えませんが、それがファンダメンタルズに基づいた動きであれば、いたずらに動揺するのは得策とは言えません。ファンダメンタルズはここでは理論株価で捉えますが、グラフから5月以降、日経平均は理論株価の背景としての業績と為替の間で安定的に推移していることが分かります。こうしたサンドイッチ相場が続くとすれば、相場は構造としては安定した状態が維持されるものと考えられます。

当面、為替が1ドル100円程度で推移するとすれば、8月末から9月にかけて出る中間決算、そして通期の業績見通しが相場のカギを握ると言えそうです。

Next: 詳細グラフ:理論株価の推移/変動範囲の上限・下限/直近5日かい離率

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