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「こんなアパート誰も住まないよ」最近ゾッとした事故物件の投資話=姫野秀喜

今回は衝撃的な体験談です。投資家として、こんな物件を買ってしまったらと思うとゾッとします。満室経営も可能なはずの築古アパートが、入居率40%の状態で売りに!? これにはやはり「ワケ」がありました。(『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』姫野秀喜)

プロフィール:姫野秀喜(ひめの ひでき)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。

「人がたくさん死んでいるのに…」現地調査でやっと判明した事実

満室経営も十分可能に見える23区内の築古アパート

今日は衝撃的な話をします。こんな物件を買ってしまったらと思うと、ゾッとします。

今日の物件は23区でも人口の多い地域のアパートです。駅から徒歩16分とはいえ、この場所であれば満室経営は可能だと私は考えています。しかし、現状の入居率は40%、実はこれにはワケがあったのです。

まずは物件スペックを見ていきましょう。

物件スペック

■価格/表面利回り
3,000万円前半
利回り8%後半

■築年
昭和40年代

■積算(路線価×面積)
約2,100万円

■建物構造/間取り
木造2階建て
※図面から把握できる範囲で記載

■土地権利/接道状況
所有権

「悪くない、まずまずだ」現地調査での最初の感想

今回は東京23区内のとある物件です。この物件は、現状で40%しか入居者がおらず、満室利回りも8%後半ということで、イマイチですが、積算が2100万円と売値と比べても悪くないので見に行きました。

物件の周辺は住宅街で、駅から徒歩16分とそこそこ時間がかかるものの、非常に人口も多く、周辺の商店なども多いので、駅を使わない人向けの物件として満室にできる場所だと思いました。

物件そのものは、可もなく不可もなく、昭和40年代のデザインの古いアパートです。外壁は新しくはないものの、10年以内には塗られているようで、まだまだ大丈夫そうです。階段や柱の鉄部分については、塗ったばかりのようでまだツヤがありました。物件の古めかしさを除けば、まずまずの感じです。

内装などは見られませんが、売主負担でリフォームしてくれるという好待遇なので、安く買うことができれば回せるかなと思いました。

物件の隣に住む男性が突然…

まぁ、そんな感じで物件を一通り確認して、帰ろうとした時です。物件の隣にある戸建のベランダから男性がいぶかしげにこちらを見ています。物件の周辺をうろうろしている私は明らかに怪しいので、仕方がありません。お隣さんの男性に怪しまれては悲しいので、私はちゃんと礼儀正しく挨拶します。

こんにちは、不動産屋です」と、紋切り型の自己紹介をします。たいていのご近所さんは、このわかりやすい自己紹介を聞くと一発で警戒をといてくれます。

しかし、今回のお隣さんはさらに不信感を強め、こちらをにらんでいます。「なぜ、不動産屋が隣のアパートを見ているの?」と男性が質問してきました。

このアパートが売りに出ているんですよ」。私は正直に説明しました。

その物件もう売れているよ、1000万円台前半で買い叩かれたって元オーナーのK氏が言っていたよ、なんでまた不動産屋が来ているの?」。男性はそのように述べました。

そこで、私はこの物件が今現在3000万円台前半で売りに出ていることを説明しました。男性が言う値段にぴったり2000万円を上乗せした値段です。

すると男性は大きく驚いて、衝撃的な一言を発します。

こんな物件だれも住まないよ、人がたくさん死んでいるのに…

「えええっ!!!」。私も驚きました。しかし、それとともに納得もしました。いくら築古で駅からそこそこでも、この場所で入居率40%というのはおかしいと思っていましたが、なるほど納得できます。

その男性の話をもとにまとめると…

  • 人も死んでいるし、もともとのオーナーは1000万円台前半で買いたたかれて売った
  • 現売主(業者)はそれに2000万円を上乗せしてまた売りに出した

ということになります。

Next: 販売業者はなぜ「告知事項」の記載を省略できたのか?

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