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さらにドルが売られ金が買われる展開~「材料」は後から滑車で運ばれる=葛城北斗

最近の金相場のように後から強材料が次々出現するのは、相場トレンドが上昇に向かっている事を示す。一方ドルについては3年サイクルボトムに向け、下げ過程に入っている。(『投資日報デイリーリポート』葛城北斗)

いつもと違う。後から「強材料」が次々出現する際のトレードは慎重に

立て続けに金の買い材料が出現

金相場を取り巻く環境が先週から一変、シリアへの空爆から始まり、米ロ関係悪化朝鮮半島の緊迫化など地政学的リスクが増大。加えて、13日はトランプ氏のドル高けん制発言でドルが急落

こういった全ての情況はストレートに金相場を上昇へと向かわせた。12日のNY金期近は1289ドルまで上伸、年初来高値を更新し、トランプショックで付けた昨年11月の高値に迫っている。

先週次の通り述べた「昨年11月9日トランプショック直後に付けた高値の上ヒゲ部分、即ち、1300±31ドルを取りに来ると見る。それは来週中にも可能であろう」。これは実現した。

通常なら、こういった突発的な軍事的緊張の高まりは金相場を上伸させるが、大方一時的なもので終わる。実際、7日のシリア空爆時は上ヒゲの長い日足線を出して終わりかと思われた。

NY金/円 日足(SBI証券提供)

NY金 日足(SBI証券提供)

しかし続く北朝鮮の緊迫情勢が伝えられた途端7日高値を更新、そして追い打ちをかける如く、米ロ関係の悪化、そしてトランプ氏のドル高けん制発言など立て続けに金の強材料が出現している。

このように後から強材料が次々出現するケースでは相場のトレンドが上昇に向かっている事を示す。安易な売りは禁物だ。また4~5月にはフランスの選挙がおこなわれ、不透明な情勢が依然として続き、この間、北朝鮮が軍事的なアクションを起こし、米国が対抗すれば、一気に金相場が吹っ飛ぶ恐れもあろう。

サイクルベースでの金相場の短期的な動向は引き続きこれまでの見方を継続する。即ち「金の3カ月サイクルから見れば、次のボトムは6~7月に到来する。その前に天井が到来するが、この3カ月サイクルの天井目標値は1335ドル。まさに昨年11月9日の大統領選直後の高値と合致する」。

またドルについては先週、3年サイクルボトムに向け、下げ過程に入っているとお伝えした。天井は1月3日、ボトムは今年5月が丁度3年目。従って、その前後3カ月がボトムの時間帯

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

先週のコメント「既にボトムを付ける時間帯に入っているが、未だ下げが始まったばかり。少なくとも昨年2~4月のような下げが到来しない限り、ボトムに向けた下げが始まっていると判断できない」。10日に戻り高値を付け下げが再開した。ただ、フランスの選挙を警戒してユーロが上がり難い状況。その分、ドルは対円での下落が甚だしい。

東京金は円高分が差し引かれているが、北朝鮮の緊迫化が今後日韓のリスクを高め、一転して円安に大きく振れる恐れがある。その時、東京金は5000円に向かうだろう。今年2月の高値更新がそのトリガー。

【初出:商品版投資日報 4月14日号】

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投資日報デイリーリポート』(2017年4月18日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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