fbpx

いよいよ「危険水域」に入った東京都心3区のマンションバブル=大前研一

【コンビニ業界】大手ローソンの玉塚会長が退任する本当の理由

コンビニ大手ローソンの玉塚元一会長が、5月末に退任します。玉塚氏はファーストリテイリング社長などを経て、2010年にローソンに入社、2014年から社長、16年から会長として経営を率いました。このタイミングでの退任について玉塚氏は、三菱商事を巻き込んで総合力をつけられたとし、ローソンの今後の業容拡大への道筋は整ったと強調しました。

これは商社同士の戦いのようなもので、伊藤忠対三菱商事ということで、三菱商事としてはローソンを完全に子会社化し、コントロールして、自分のところから人材を送り込んでいきたいのです。

もともと三菱商事にいた新浪氏がローソンへ行き、三菱商事から送り込んでくる圧力を死ぬほど嫌っていたのです。玉塚氏を呼んできて私の後継者だと早めにアナウンスをし、それなりの影響力のある人なので無視できず、玉塚氏が後を引き継いだという訳なのです。

しかしながら三菱は資本比率を増やし、自分のところから送り込み、実質的には玉塚氏は祭り上げられていたということになったのです。そして予定通り、三菱商事直営の会社になったということなのです。

新浪さんがいたからここまで来たわけですが、玉塚氏には三菱商事のそうした圧力をはねのける力が、株も含めてなかったというわけです。新浪さんに頼まれてきたものの、これ以上抵抗しても無駄だということで、これから先は三菱商事コンビニエンス部門としてやっていけば良いと判断したのです。

直接的なトリガーになったのは、コンビニエンスストアの国内店舗数の推移です。セブンイレブンがダントツに強く、ローソンも成城石井などを買ったりしたものの、あまり大きな効果はなかったわけです。一方、ファミリーマートは合併を繰り返し、ローソンよりも数を増やし、伊藤忠の直接の影響力が前面に出てきたので、三菱商事も焦ったというわけなのです。玉塚氏はその点では、抵抗力なくここで退任、ある意味詰腹を切らされたということです。

【関連】「シェアハウス」に例えて理解するフランス大統領選とEU、本当のポイント=矢口新

【関連】英EU離脱、交渉スタートで見えてきた「Brexitのリスクとコスト」=大前研一

【関連】「住みたい街」で進むスラム化。武蔵小杉タワーマンションの過酷な日常=廣田信子

1 2

グローバルマネー・ジャーナル』(2017年4月19日号)より抜粋
※記事タイトル、太字はMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

グローバルマネー・ジャーナル

[無料 週刊]
最新の金融情報・データを、大前研一をはじめとするプロフェッショナル講師陣の解説とともにお届けする“無料で最強メルマガ”です。テーマは週替わりで株式・世界・為替・商品市場と、具体的な不動産投資や債券、投資信託、ファンドなどのニュースも斬ります。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー