アメリカにとって望ましい為替水準はいくらか?
現状では、110円±5円程度の範囲であれば、米国も受け入れ可能といえそうですが、それもあくまで推測でしかありません。
一方で、120円を超えるドル高・円安となれば、現状よりもドル高に対するけん制はかなり強くなるでしょう。逆に105円を割り込むようなドル安を見込んでいるとも思えません。
そう考えると、現状の108円前後はかなり固いサポートになる可能性はあるでしょう。
一方で、日米実質金利差から見たドル円の理論値は104.80円程度です。これは、きわめて重要な指標です。つまり、ここまで下げてしまう可能性を念頭に入れておく必要があるということです。
今年のドル円の弱気シナリオのレンジ下限は104円割れの水準であり、相場として一度はこのような水準を付ける可能性は否定できません。
一応、過去のデータから算出される変動率からみた水準ですので、無視するわけにはいきません。
現在の円高基調が持続可能かは不明ですが、105円を割り込み、さらに地政学的リスクの高まりなどがあれば100円に近づくことも十分に考えられます。
そうなれば円売り介入の懸念が高まる可能性があるでしょう。そのため、100円を割り込むほどの円高は年内に関しては難しいように思われます。
しかし、実際にどのような動きになるかは本当に読めません。そのようなことに余計な時間をかけるよりも、過去データと理論値を頭に入れたうえで見ていくのが良いでしょう。
いまのトレンドでみると、やはり113円以上はかなり難しそうです。まして、115円超えは相当困難でしょう。
相場ですのでないが起きてもおかしくありません。しかし、ドル円については上昇の期待感がないというのが本音です。
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・為替市場~ドル円はよいところ
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・今週の「ポジショントーク」~リスクはリスクにあらず
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『江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて』(2017年4月24日号)より一部抜粋
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株式・為替・コモディティなどの独自の市場分析を踏まえ、常識・定説とは異なる投資戦略の考え方を読者と共有したいと思います。グローバル投資家やヘッジファンドの投資戦略の構築プロセスなどについてもお話します。さらに商社出身でコモディティの現物取引にも従事していた経験や、幅広い人脈から、面白いネタや裏話もご披露します。またマーケット関連だけでなく、野球を中心にスポーツネタやマーケットと野球・スポーツの共通性などについても触れてみたいと思います。