なぜ教訓は活かされないのか?秒読みに入った「貸家バブル」崩壊=武田甲州

ここ数年「貸家」向けの不動産融資が急拡大していますが、このバブルが弾ければ国全体、経済全体への悪影響は必至です。金融機関は過去の教訓を全く生かしていないようです。(『週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム』)

※本記事は有料メルマガ『週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム』2017年4月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

供給過多による家賃下落は必至。負動産(不動産)がデフレを呼ぶ

空き家1000万戸、止まらない賃貸バブル

貸家バブルがなかなか止まりません。金融機関の不動産向け融資は急増しており、バブル期を超えたといわれています。

当時と違うのは、不動産向け融資の増加のほとんどが「貸家」向けだということです。その背景には相続税強化の動きがありますが、それにしてもなぜ規制を強めないのか?という疑問がわいてきます。

というのも、現状日本の住宅は作り過ぎで、足元の空き家は1000万戸を超えているだろうと推測されるからです。日本の人口は減少を続けており、住宅増加は政策上もまったく不必要。このまま大量の住宅を供給することが、将来の日本にどのような悪影響を与えるのかということも、政策当局者はそろそろ考えるタイミングとなってきました。

増えすぎた貸家が絶望的なデフレをもたらす

貸家が増えれば需給関係は悪化していきますので、将来の家賃下落は避けられないと思われます。家賃は消費者物価の計算上17.8%を占める重要な要素ですから、家賃下落はデフレ要因です。しかも長期にわたって悪影響をもたらす恐れもあるのです。

さらに貸家の家賃が下がれば、GDP算出上重要な持ち家の「帰属家賃」も低下して、日本のGDP成長率を抑制します。これも政策上、良いものとは言えません。

もうひとつ、空き家比率が3割も4割もある地域で新築の貸家を増やし続けるのは明らかに異常で、そのうちに金融機関の経営にも悪影響が出ると思われることです。入居者がいなければ「家賃保証」契約も破棄され、大家も金融機関も資金回収ができなくなる恐れ大ということで、金融庁も問題視してきました。

活かされないバブル期の大失敗。住宅政策を見直す時期に来ている

金融機関はバブル期に不動産で大失敗しているにもかかわらず、その教訓は全く生かされていないようです。従来と同じで、横並びでやっているから大丈夫とでも思っているのでしょうか?すでに一部では資産が負債に転化し、不動産が「負動産」と呼ばれるようになっています。

国全体の経済にも悪影響をもたらし始めようとしている「貸家バブル」。いまのところ恩恵を享受している企業が多数あるようですが、今後も成長を続けるのは難しい事業環境となることが予測されます。金融庁の対応だけでなく、将来的には住宅政策の抜本的な転換もどこかであると考えたほうがいいように思っています。
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週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム』(2017年4月24日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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