私がヘッジファンドマネジャーとして学んだ「少人数組織」運営の哲学=山本潤

基本原則~マイナス思考を排除する。他人を責めない

どんな組織にも様々な人間関係がある。プラスのはずの仕事が他人からマイナスの評価を受けてしまうことがある。遅刻してばかりの人がいれば、ちゃんと会社に来る人は不満を持つ。遊んでばかりに見えるような人がいれば、ランチに行く時間もなく集中して働いている人が不満を持つ。

他人と自分。他人と他人とをある尺度で比べるならば、優劣が人間の間につき、劣っている方が問題になる。劣っている方が、もっと頑張れば、もっと生産的に仕事をすれば、会社全体はもっとプラスになるのだ。これは、いわゆる、「マイナス思考」である。あいつはダメだ。もっと、ましなやつがほしい、と。

そういうマイナス思考を持つと、本来比べる必要のない事柄を比べる羽目になる。本来はいないはずの「出来損ない」な社員をわざわざクリエイトしてしまう。問題のないところで、あえて問題をつくってしまうのだ。

これは人の性なのかもしれない。嫉妬もあるだろう。平等意識もあるだろう。人は、自分を評価する一方で、他人のことは評価しないものだ。わたしたちは、感情あふれる動物でもある。なぜあいつだけが…という思いはどうしても持ってしまう。だが、他者が劣っていることが問題になるとき、必ず、チームのムードは悪くなる。悪いムードで働いても、つまらない。

だから、マイナス思考を乗り越えて、自身の矮小さを乗り越えてほしい。誰でも、自分に厳しく、他人に優しくできるはずだ。あるべき真の人格に一歩でも近づくようにと、各人が「プラス思考」をもってほしい。

(リーダーは結果責任を負うから、短期的成果に協力的ではないメンバーを叱咤激励することがあると思う。締め切り前に、プロジェクトの出来が悪くとも、そのことで、顧客や会社経営者に頭をさげるのもリーダーの役目である)

(リーダーはつらいものである。でも、リーダーがメンバーを責めないなら、不思議と、チームは一体になるものだ)

チームメンバー同士が尊敬する

仕事は、各人が、少しずつのプラスを持ち寄ることで成る。特に、運用は、各人が得意なことを持ち寄ることで成り立つ。あえて不得手なことをする必要はないのである。得意な分野で得意なことをすればよいのだ。

運用には、学歴も、年も、男女の差もない。テキパキと動ける人は、生産的な側面で貢献すればよい。感受性が豊かな人は感じたままを述べればよい。技術が詳しい人はそれを武器に製品や理論の評価をすればよい。優しい人は、他人を認めてあげればよい。理屈っぽい人は理屈の通ったレポートを書けばよい。度量がある人は、他人のミスをそっとカバーしてくれればよい。人を育てることができる人は、人を育てればよいのだ。

基本原則~他者への尊敬。他人を評価しない

そのために、チームの運営においては「まず、他人を敬うこと」が最低限のマナーであるといってよい。他者を尊敬すること。それができないのは、マイナス思考であり、マイナス思考は他人に伝染する。

だから、チームにいる限り、マイナス思考に成る傾向のある人は、その思考から脱却してほしい。

わたしがよく思うことがある。この世が誕生して137億年だかの年月であり、いま、一緒にこの時代を共にメンバーと生きていることは、奇跡である。ほんの一瞬の人生なのだ。そのほんの一瞬の人生をプラス思考で生きるか、マイナス思考で生きるか、の問題なのだ。

Next: 成績が悪いメンバーの「居心地の悪さ」とチーム内の軋轢を解消するには?

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