専門家が予測するトランプ失脚と「2020年アメリカ内乱」のシナリオ=高島康司

格差の固定と現代アメリカの不安定

これとほぼ同じような要因の組み合わせが、やはりアメリカの社会的不安定性の50年サイクルにも当てはまるとターチンは主張する。

人口数と高学歴者の数が増加していても、高い経済成長が続き、生活水準の上昇、ならびに高学歴者の雇用数が増大している限り、社会は安定しており、社会的な騒乱はめったに発生しない。これは、どんな人間でも努力さえすれば、社会階層の上昇が期待できる状況である。

しかし反対に、格差が固定化して、政治や経済のシステムが一部の特権階級に独占された状況では、たとえ経済が成長していたとしても、社会階層の上昇は保証されない。格差とともに社会階層は固定化される。すると、たとえ高等教育を受けていたとしても、期待した仕事は得られないことになる。

このような状況が臨界点に達すると、社会的な暴力が爆発し、多くの騒乱や内乱が発生するというのだ。

次のサイクルは2020年か?

19世紀の後半以来アメリカは、このようなサイクルを50年毎に繰り返している。これは上のような状況が、アメリカでは50年ごとに臨界点に達していることを現わしている。

そして、社会騒乱の次のサイクルがやってくるのは2020年前後になる。ターチンは、現在のアメリカにおける格差は、ひとつ前の社会騒乱の時期であった1970年の時点よりもはるかに巨大であるため、このまま格差が是正されないと、2020年代の社会騒乱は予想を越えた激しいものになる可能性があると警告している。

これが歴史学者、ピーター・ターチンの予測である。この予測の元になったのは、再帰的なパターンを歴史に見る手法だが、ターチンはこれを「クリオダイナミックス」というモデルとして理論化している。

ターチンが、近代アメリカのこのような政治変動のサイクルを発表したのは2010年であった。その予測が、2016年の大統領選挙とトランプ政権の成立に伴う大きな社会的混乱をきっかけとして、あらためていま大変に注目されているのだ。

もう一人の専門家、イゴール・パナリンの予測

さらにこれだけではない。2020年代と特定されているわけではないが、将来のアメリカの分裂を予言しているもう一人の専門家がいる。現在、ロシア外務省外交アカデミーの教授を務めるイゴール・パナリンの予測だ――
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イゴール・パナリンの予測

予測の評価

トランプの弾劾から分裂へ


※本記事は、未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 2017年5月12日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。「イゴール・パナリンの予測」ほか、本記事で割愛した全文もすぐ読めます。

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未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ(2017年5月12日号)より一部抜粋・再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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