実は生きていた「日本の土地本位制」が次のバブル景気を牽引する=児島康孝

今回は「土地本位制」「土地神話」を取り上げます。これらはバブル崩壊で終わったと見られていますが、実際は異なるようです。つまり、日本経済はまだ「土地本位制」なのです。(『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』児島康孝)

日本はいまでも「土地本位制」。地価高騰で経済は回復する

1990年バブル崩壊で「土地神話」は終わった?

1990年、戦後の日本経済の急成長は内需拡大土地価格の暴騰という形で終息を迎えます。

当時、六本木などでは不動産価格が暴騰。商業ビルの取引も活発化し、いわゆる「ペンシルビル(鉛筆形)」と言われる、高額で小さな土地にのっぽなビルを建てた異常に細長い形のビルも相次ぎました。

この不動産価格の暴騰は、少なめとはいえ一般人への経済効果も及ぼし、日本は空前の好景気となります。ボーナスは増え、タクシー待ちは行列。『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という、アメリカの社会学者エズラ・ヴォーゲル氏の著書も世界的に注目されました。日本人の学習意欲の高さと高度経済成長の関連が解説されました。

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また当時の日本の勢いは、実際にGDPも伴っていました。

国連統計(1990年 各国の名目GDP)

1位:アメリカ(59796億米ドル)
2位:日本(31399億米ドル)
3位:ドイツ(17649億米ドル)
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11位:中国(398億米ドル)
※1990年の日本は、アメリカの5割以上、欧州諸国の2倍から3倍、中国の8倍近くありました。

(参考)2015年の名目GDP

1位:アメリカ(180366億米ドル)
2位:中国(111584億米ドル)
3位:日本(43830億米ドル)
※2015年の日本は、アメリカの4分の1以下、中国の半分以下となっています。

その後、日本の経済成長の脅威を感じた欧米諸国の「ワナ」、そして「土地が高いと、一般人が家を買えない」という世論から不動産融資の総量規制、日銀の三重野総裁による強烈な引き締め政策=バブル退治で、バブルは崩壊します。

戦後の「土地価格は下がらない」と思われていた「土地神話」が崩壊。不動産価格の暴騰で借入金を増やし、都心部に多くのビルを所有していた大きな不動産会社が相次いで資金繰り難に。不動産会社に貸し付けていた銀行、ノンバンクにも危機が波及。また、他業種でも、流通業界のダイエーなど優良な立地の不動産価格の上昇に支えられていた企業が、信用収縮により経営危機に陥ります。

これで、日本の「土地本位制」「土地神話」は完全に終わったと思われていました。私自身、「土地本位制」とか「土地神話」は過去の話だと思っていましたが、どうも、実際はこうした大方の見方とは異なるようです。

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