【大本営発表】「いざなぎ景気超え間近」がウソである3つの理由=小浜逸郎

記事提供:『三橋貴明の「新」経世済民新聞』2017年6月22日号より
※本記事のタイトル・リード・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部によるものです

どこが「好景気」なのか?まったく噛み合わない政府と庶民の景況感

政府発表「戦後2番目の好景気」は見せかけ

驚くべきことがあるものです。6月15日、内閣府が、景気の拡大や後退を判断する「景気動向指数研究会」なるものを、約2年ぶりに開きました。座長はあの悪名高き吉川洋・東大名誉教授です。

その報告によりますと、安倍政権が発足した2012年12月から今年4月までの拡大期間が53カ月で、バブル景気の51か月を抜き、このまま9月まで続けば昭和40年代の「いざなぎ景気」を抜いて、戦後2番目の好景気となるそうです!(産経新聞6月16日付)

なかでもビックリなのは、この研究会の記者会見で、消費増税を行った2014年でも景気が後退しなかったと発表していることです。このいけしゃあしゃあぶりは、かの「大本営発表」も真っ青です。

また、最近の人手不足を反映した有効求人倍率の伸びを、アベノミクスの成果だと嘯(うそぶ)いてもいます。言うまでもなく、最近の人手不足の最大の理由は、少子高齢化による生産年齢人口の急激な減少にあります。別に政府が有効な雇用対策を打ったからでも何でもありません。

景気動向指数というのは、多くの領域から多くの経済指標を集めてきてややこしい計算式を用い、先行指数一致指数遅行指数の3つに分けて景気一般を判断するためのものです。しかし内閣府の説明を読んでも、どの項目を重点的に選択し、それらのうちどれを加重的に計算するのか、その中身がよくわかりません

こういう複雑怪奇な手法を用いて景気動向を占うと、「失われた二十年」が、なんと「いざなぎ景気」に匹敵するような好景気に変身するのだそうです。

開いた口が塞がらないとはこのことです。悪い冗談はやめてほしい。こんな指標を使わなければ御用学者先生方は、「景気判断」を下せないのか。それも実態と真逆な判断を。

筆者には、景気が好転しているように見せかけるために、その中身の部分をわざと隠しているとしか思えません。

Next: 3つの指標が証明している「デフレ不況」と安倍政権のウソ

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