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高島屋、インバウンド回復で増収増益 「アリペイ」等電子マネー導入が奏功

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2017年6月26日に行われた、株式会社高島屋2017年2月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

2017年2月期第1四半期決算説明会

村田善郎氏(以下、村田):お手元に四半期決算の短信がお配りされていると思います。私からは2017年2月期第1四半期の業績についてご説明をさせていただきます。

第1四半期、この3-5月の3ヵ月間における日本経済は、ご案内のとおり緩やかな回復基調を続けまして、当社グループの国内百貨店においても堅調な個人消費に加えて、インバウンド需要の盛り返しもありました。この3ヵ月間は、順調に売上高を伸ばしたと言えると思います。

しかしながら、欧米の政治的なリスクやアジアにおける隣国等の地政学リスクといったものも当然意識しておく必要があるということで、経済情勢に与える影響というものもありますので、この辺はなかなか不透明なところがあります。決して予断を許さないという状況だと認識しています。

このような環境の下、当社グループにつきましては、かねてからご案内・ご説明をさせていただいている2つの「まちづくり」という戦略を推進することにより、営業力の強化に努めてまいりました。その結果、当四半期の業績は、連結・単体ともに増収増益となりました。

決算の概況(連結)

連結決算の概況についてご説明申し上げます。営業収益は2,255億円、前年比62億円、2.8パーセントプラスです。

主力となる国内百貨店は17店です。これは法人営業とクロスメディア、いわゆるインターネットを含めた売上も含めて、「まちづくり戦略」という中での政策を推進する中で、新しいライフスタイル提案型の売り場や、(2017年)3月に新宿タカシマヤにオープンした「WELLBE FIELD」というようなコンセプトショップ、それから多様化するお客様のニーズに対応して、新しい価値を提供できる売り場づくりに全社を挙げて取り組んできています。

また一方で、外部とのアライアンスでいいますと、NTTドコモ、あるいは(株式会社)ロイヤリティマーケティングの「Ponta(ポンタ)」ポイントをはじめとするアライアンスをさらに進めることで、当社に少なかった20・30代の新しいお客様の開拓・獲得に努めた結果、こちらも大きな成果につながったものと理解しています。

インバウンド事業の取り組みにおいても、とくに「Alipay(アリペイ)」や「WeChatペイ」といった電子決済の導入による国内のお客様の利便性の向上、あるいはNTTドコモによるメールの配信や、中国大手の「Ctrip」という旅行会社との提携によって誘客策・送客策が奏功したこともあり、売上についても前年から大きく伸びたのではないかと見ています。

これらの結果、当四半期の国内百貨店の営業収益は1,861億円ということで、前年比47億円増、2.6パーセントプラスというかたちです。

主要子会社の状況

主要子会社ですけれども、東神開発が港南台店に大型テナントを導入したり、あるいは新宿のタイムズスクエアの中心となる運営一体化スキームに伴う収入増ということで、前年比12.7パーセントの増収となっています。

それから、クレジット子会社の高島屋クレジットにつきましては、百貨店の営業と一体となったカード会員の新規開拓増に伴う年会費のプラス、外部加盟店の取扱高による手数料収入増が寄与して、同じく前年比3.7パーセントの増収となっています。

建装部門では、高島屋スペースクリエイツが、商業施設やホテルといった受注増、それからJR名古屋等グループ内の受注増もあり、同じく前年比41.5パーセントプラスという大幅な増収となっています。

一方海外ですが、高島屋シンガポールが現地通貨ベースで売上減です。為替影響等により、前年から7.8ポイントの減収でした。

同じく海外の子会社である東神デベロップメントシンガポールもテナントの売上減に伴う歩合家賃収入が少なくなり減収。加えて為替影響による減収ということで、同じく前年から6.4パーセントの減です。

連結の営業利益は81億円ということで、前年比4億円増、5.1パーセントプラスです。こちらは今期から連結になったA&S高島屋デューティーフリー、こちらは韓国のホテルと全日空商事との合弁会社です。

こちらは高島屋免税店SHILLA&ANA出店に伴う経費増もありましたが、国内の百貨店を中心とした増収を主因に、連結営業利益は増益となりました。

経常利益は87億円ということで、前年比6億円増、7.2パーセントプラスです。営業増益を主因に、連結経常利益も同じく増益となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は52億円ということで、前年比16億円増、44.7パーセントプラスです。

こちらも経常増益に加えて、前年は大葉高島屋という台湾の関連会社の株式を売却した売却損が9億円出ていますが、これがなくなったということで、親会社に帰属する当期純利益も増益となりました。

決算の概況(単体)

参考までに単体の決算概況についてご報告いたします。

営業収益は1,732億円ということで、前年比49億円増、2.9パーセントプラスです。

インバウンド需要の拡大など、比較的株高で進行したこの第1四半期は高額品の新調に加えて、アライアンスによる施策等が奏功したこともあって、営業収益は増益となりました。

営業利益は29億円、前年比4億円増、17.5パーセントプラスです。こちらも営業増収を主な要因として、営業利益も増益となりました。

経常利益は59億円、前年比5億円増、10.4パーセントプラスです。こちらも営業増益を主な要因として増益となりました。

当期純利益は43億円、前年比14億円増、50.4パーセントプラスです。

今年は、先ほど申し上げた大葉高島屋株式の売却に伴う売却損がなかったということもあって、前期から比較すると当期純利益も増益となりました。

2018年2月期業績予想

最後に、2018年2月期の業績予想についてお話しします。

当四半期につきましては増収増益というかたちで終わったわけですが、今後もグループ一体となって収益面・利益面においてもさまざまな施策を講じて業績の向上に努めてまいりたいと思っています。

ただ、冒頭申し上げましたとおり、世界情勢でありますとか、今後の景気見通しについても決して楽観できる状況ではないと考えていますが、現時点では4月に発表した当初計画を据え置きとさせていただきたいと考えています。

連結業績予想は、営業収益9,430億円、前年比194億円増、2.1パーセントプラスの見通しです。

国内百貨店について申し上げますと(売上高)7,539億円、前年比33億円減、0.4パーセントの減収です。

連結営業利益は350億円、前年比10億円増、2.9パーセントプラスです。

経常利益は375億円、前年比3億円の増、0.8パーセントプラスです。

親会社株主専属する当期純利益は215億円、前年比6億円増、3.0パーセントプラスを想定しています。

以上、第1四半期決算のポイントとなりますので、よろしくご確認いただければと思います。

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