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トランプ・リスクは遠のいたのか? 米大統領選のポイントと「円高の賞味期限」

「オクトーバー・サプライズ」過去の事例

過去のオクトーバー・サプライズとしては、直近ではオバマ大統領が再選を果たした2012年の選挙が挙げられます。

選挙直前の2012年10月下旬にハリケーン・サンディがアメリカ合衆国東部を襲い、民主党のバラク・オバマ候補は現職大統領としての災害対応が評価されて追い風となったとされています。

この時は、ハリケーンがオクトバー・サプライズでした。オバマ候補の対抗であった共和党ミット・ロムニー候補は、アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(FEMA)の予算縮小や廃止に言及した過去を取り上げられて逆風となったという見方があるようです。

さらに時代をさかのぼると、1980年民主党ジミー・カーター大統領が再選を目指す選挙のとき、中東でイラン革命が起こり、過激派の学生によりテヘランのアメリカ大使館が占拠され、大使館員52人が人質にとられるということが起こりました。

1980年4月、米デルタ・フォースによる人質救出作戦は失敗し、2期続投を目指すカーター政権への大きな打撃となったとされています。

このため、カーター政権の外交姿勢を「弱腰」と批判する共和党を勢いづかせる結果となったようですが、この事件に関して、ロナルド・レーガン政権の副大統領へ転身を企むジョージ・H・W・ブッシュとレーガンの選挙チーム責任者ウイリアム・ケイシー(後のCIA長官)が、1980年10月18、19日にパリで密かにイラン政府関係者と会談し、ホメイニ師他イラン政府関係者に賄賂と武器供給を約束し、人質解放時期をレーガン大統領就任時まで延長するように交渉したという疑惑があるとされています。

この交渉の目的は、カーターの在任中に人質事件を解決させないことで彼の人気を落とし、レーガン大統領就任時に人質解放を実現することで「強いレーガン大統領」を演出することであったとされています。

あの時は事実、レーガン大統領就任と同じ日に人質が開放されました。

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