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「朝一サイバー攻撃」で実感! 個人投資家のあるべきリスク管理と平常心=高梨彰

カブドットコム証券で6月29日、サイバー攻撃によるシステム障害が発生し、9時02分頃から9時38分頃まで、約36分間にわたって同社を利用する投資家がサイトを利用できない状態になりました。

同社の発表によると、今回のサイバー攻撃では「DDoS(分散型サービス妨害攻撃)」と呼ばれる、多数のコンピュータから大量のトラフィックを同時送信し標的を機能停止に追い込む手法が取られたとのこと。

突然サイトにアクセスできなくなった投資家にとっては、前場寄り直後から、まさに冷や汗ものの事態でしたが、有料メルマガ「高梨彰『しん・古今東西』」を発行中の高梨彰さんは、事前の準備が功を奏し、この緊急事態をなんとか上手く切り抜けられたと言います。

※本記事は有料メルマガ「高梨彰『しん・古今東西』」2017年6月29日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:高梨彰(たかなし あきら)
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。

すぐそこにあるサイバーテロ危機。それでも投資は自己責任の世界

DDoS(分散型サービス妨害攻撃)で36分間ログイン不能に

今朝9時2分ネット証券(※編注:カブドットコム証券)のサーバーや電話回線など、すべての通信回線が不通となりました。前日からチャートの更新が遅い気はしていましたが、突然に何も使えなくなるとやっぱり焦ります。

証券側のコメントは「サイバー攻撃に遭った」です。9時40分頃には復旧したのですが、8時45分から「ちと今日は気合いを入れて」売買をするつもりでいた身としては、残念至極です。

それでも、相場の師匠がかつて教えてくれた言葉を思い出し、変なところで切らずに済んでいます。「勝っても負けても感情は一定のレンジ内に収める」ことで、アタフタせず、アルゴ勢の餌食にもならなかったみたいです。

今日の格言「口座は複数持ちましょう

今やサイバー攻撃は「起き得るもの」

ところで、このところ世界中でサイバー攻撃の発生が報道されています。今朝の出来事が本当にサイバー攻撃だとすると、「身近なところでサイバーテロは起きる」現実を直視せざるを得ません。

また、今日では電話も多くがデジタル化されていて、仮に対策を講じたとしても、大規模なサイバー攻撃に現代社会はとても脆いということも痛感しました。

と、こんなことを言っていると、「だからネット社会は信用できない」とか「ビットコインなど仮想通貨なんて頼りにならん」という声が聞こえてきそうです。しかし、既にインターネット、サイバー空間は、「東京メガネ」じゃないですが、「ネットは社会の一部」です。ネットなしでは、社会が成立しません

仮想通貨がハッキングに遭ったとしても、それは三次元として存在する紙幣が偽造されるようなものです。「絶対安全・安心」ではないものの、「サイバー攻撃は起き得るもの」という意識をさらに高める必要があります。人は得てして、システムに表示された数値や言葉を鵜呑みにする傾向がありますから。

ピンチはチャンス。「買い場」の可能性も

ということで、ネット社会の信用に傷がついて、ネット企業の株やその他資産価格が下落した場合、「ほぼ買い場の提供」と捉えるべきです。

足元では主要国のハイテク企業株が高値圏で調整中なので、あまり有効な言葉ではないですが、「ネットは脆い」「ネットからの情報は鵜呑みにしない」、そして「それでもネットなしの社会はありえない」ことを踏まえて、ネット関連の動きを見つめることが大切であるようです。

私は、もともと荒れた世の中・荒れた相場に強い人間だと自負しており、周囲の人達からもよくそう言われます。しかし、近所での解体工事の騒音やら、自分の口座関係だけサイバー攻撃に遭うなど、世の中が落ち着いて見えるのに自分の身の回りだけ荒れた状態になると、「感情は一定のレンジ内に収める」ことは結構シンドイ作業です。さまぁ~ずライブでも観に行って、気分転換してきます。

今回のまとめ

  • ネット証券にサイバー攻撃が発生!
  • 相場ではいつでも「感情を一定のレンジ内に」
  • 仮想通貨がハッキングされても、それは偽札が作られたようなもの

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・サイバー攻撃を実感(6/29)
・「私たちの時代」って、いつ(6/28)
・相場の息苦しさと騒音と(6/27)
・高値警戒感燻る中での「出口論」(6/26)
・1面に「デフレに強く」(6/23)
・上昇しないインフレ率、上昇しない生産性(6/22)
・原油安+世界経済拡大(6/21)
・「一強」、歴史は「崩れるときは一瞬」と(6/20)
・都議会選、既に佳境(6/19)
・FPの記事に思うこと(6/16)
・Fed利上げ、長期金利低下要因かも(6/15)
・FOMC声明文、読んでみませんか(6/14)
・米FOMCを控え、待ちモード(6/13)
・略語が出ると、頂上近し(6/12)
・結局「FOMC後の米株」(6/9)
・中東情勢緊迫、でも原油5%安(6/8)
・イベントへの警戒も大切ですが(6/7)
・日本市場、梅雨入り間近(6/6)
・株はしぶとく、ドル円脆く(6/5)
・おこぼれ相場で2万円(6/2)
・6月、けっこう動きそう(6/1)


※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2017年6月29日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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高梨彰『しん・古今東西』』(2017年6月29日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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