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日本株はいつまで上がるか? イエレンの加護vs.中国バブル崩壊リスク=藤井まり子

イエレン議長「心配しないで、株式バブルが崩壊したらまた緩和するから」

振り返ると、この夏、8月26日のジャクソンホール講演でも、イエレン議長の言葉はとても慎重でした。「年内利上げ」を強く示唆しながらも、それと同時に、「次へのリセッションでの金融緩和ツール」についても丁寧に語りました。

議長は、「将来アメリカ経済がリセッション入りしたならば、『追加の量的金融緩和策(マネーのバズーカ砲)』や再度の『長期の低金利政策』も辞さない」「金融緩和のツールは幅広い」旨の発言もしました。

この場合、「アメリカ経済のリセッション入り」とは、「現行の株式ブーム(バブル?)の崩壊」とイコールだと考えてよいでしょう。

イエレンFRBは、「利上げの話をするときは必ず、次の緩和マネーの手段(バズーカ砲や長期の低金利策などのツール)の話にも言及してマーケットを励ます」という、巧妙なコミュニケーション術を駆使して、マーケットを鼓舞するのです。

「次のリセッション(景気後退)は気にしなくて大丈夫よ。アメリカ株式ブーム・バブルの崩壊も心配しなくても大丈夫よ~。FRBの『追加の金融緩和策』が守るから心配しないで~♪」と、マーケットに熱く語りかけているわけです。

お蔭で、なかなか「グローバル規模での大きな調整局面」が訪れてくれません。(笑)

直近のイエレンFRB議長は、「次のリセッション時の緩和ツール」として、日銀の「株式買い」にも強い興味を示しています。

※たびたびお伝えしてきていますが、今のアメリカ経済が大底を打ったのは、2009年9月です。アメリカの景気回復は、あれから7年経過して8年目に入ろうとしています。景気循環的には、アメリカ経済は近いうちにリセッション入りしても不思議ではないステージなのです。

イエレンFRBとしては、今後とも、インフレの芽・手堅い景気回復軌道を保護して、大切に大切に育ててゆきたいところなのです。

そこでイエレンFRB議長は、2016年夏の終わりから、「次のリセッションでは量的金融緩和(バズーカ砲)や長期の低金利策の継続を発動する」「次のリセッションではFRBは株式購入も考えている」と、「株式市場を安心させる、励ます」発言を繰り返し併用しているわけです。

Next: 利上げで中国にトドメを刺した後、利下げで世界を救うイエレン

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