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「2万円に追いついた」理論株価は日経平均株価の後ろ盾となるか?(7/4)=日暮昭

当マガジンは日経平均の妥当な水準として統計的処理で求めた理論株価をもとに、足元の相場の位置づけを評価する材料を提供するものです。原則として日経平均と理論株価の位置関係を示すグラフと表に若干のコメントを合せて毎週1回配信いたします。皆様のより良い投資成果のための一助にして頂ければ幸いです。
※「理論株価」についてはこちらをご覧ください。(『投資の視点』日暮昭)

プロフィール:日暮昭(ひぐらしあきら)
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を用いた客観的な投資判断のための市場・銘柄分析を得意とする。

6月27日、ついに理論株価が2万円に到達。堅調な業績が後押し

「理論株価で測る相場の位置づけ」今週のコメント

2017年も前半が終了しました。2017年前半の株式市場は北朝鮮の核実験、ミサイルによる挑発、フランスの大統領選挙、英国の総選挙、また米国トランプ大統領の矢継ぎ早な荒っぽい施策の実施など外部環境が不安定だったにも拘わらず概ね穏やかに推移しました。こうした状況を支えたのが堅調な業績です。

下図は年初から6月末まで6カ月間の日経平均、理論株価、通常変動の上側と理論株価の決定要因である日経平均ベースの予想EPS、米ドルレートの推移を示したグラフです。

日経平均、理論株価、通常変動の上側と米ドルレート、予想EPSの推移
2017.1.4~2017.6.30

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紺色の線が日経平均、青線が理論株価、赤線が通常変動の上側で、ファンダメンタルズ要因の予想EPSが緑線、米ドルレートが紫色の線です。各指標の後の値は6月30日の値を示します。

当期予想が折り込まれる4月末から予想EPSは急上昇し近時は165円程度の高値で安定しています。これは前年比約20%の増益となります。この業績の好調に引っ張られる形で理論株価も上昇、6月27日に2万円に達しました。以降、2万円近辺で推移しています。

一方、日経平均は市場リスクの高まりを背景に5月に入り中心軌道が通常変動の上側から理論株価へシフトしました。結果として日経平均は2万円を中心とした動きとなっています。外部環境の急変などで市場リスクの大きな変動がなければ日経平均は2万円前後の水準で落ち着いた動きを見せそうです。

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投資の視点』(2017年7月2日号)より一部抜粋

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