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理論株価1万7004円から上方乖離~日経平均の今後は?(11/2)=日暮昭

当マガジンは日経平均の妥当な水準として統計的処理で求めた理論株価をもとに、足元の相場の位置づけを評価する材料を提供するものです。原則として日経平均と理論株価の位置関係を示すグラフと表に若干のコメントを合せて毎週1回配信いたします。皆様のより良い投資成果のための一助にして頂ければ幸いです。
※「理論株価」についてはこちらをご覧ください。(『投資の視点』日暮昭)

プロフィール:日暮昭(ひぐらしあきら)
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を用いた客観的な投資判断のための市場・銘柄分析を得意とする。

日経平均株価、11/1大引け時点の理論株価は1万7004円に

理論株価の陰でひそかに身構える日経平均

11月1日付け日経新聞朝刊で上場企業の7~9月期決算が25%程度の減益となることが報じられていました。円高と中国など新興国の減速が主因としています。ただ、下期回復の見方もあり通期見通しに大きな変化は出ていないようです。

当講座では、10月に入り日経平均が理論株価に追いつきニュートラルのスタンスを得たことから、今後の業績と為替の動向次第で上昇、下降どちらへも振れる可能性があるとしてきましたが、いま、中間決算の大勢が明らかになり業績面では当面大きな動きはないと言えそうです。

一方、時あたかも11月1日に日銀の金融政策決定会合が開かれ、金融政策は現状維持2%の物価上昇目標は18年度中に繰り延べる、と穏やかな結果となったことで市場に大きな動揺は見られません。

こうしたことから理論株価の決定要因である予想EPS(業績)、米ドルレート(為替)とも大きな変動はなく、理論株価も小動きとなっています。

下図は6月1日から10月31日までの日経平均、理論株価と予想EPS、米ドルレートの推移を示したグラフです。日経平均と理論株価は左目盛、予想EPSと米ドルレートは右目盛です。

日経平均、理論株価と予想EPS、米ルドレートの推移
2016.6.1~2016.10.31

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理論株価と日経平均が「予想EPS」と「米ドルレート」に挟まれるサンドイッチ状態が続く中、ちょっとした異変が見られます。8月半ば以降、理論株価に沿う動きを続けてきた日経平均が上放れの様相を見せています。

図中の縦線は2週間前の当講座で紹介した10月14日時点の位置を示します。そこから日経平均はジワジワと上昇を続け、横ばいの理論株価を上回ってきました

日経平均はそれまで理論株価の陰(カゲ)で身をひそめていたものが、外部環境(業績、為替)の変化に備えて動き出す身構えをしているようにも見えます。上下どちらに動くのか、引き続き業績、為替の動きに注目する必要がありそうです。

Next: 詳細グラフ:理論株価の推移/変動範囲の上限・下限/直近5日かい離率

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