1ドル101円も? 米大統領選直前の「波乱リスク」を考える=式町みどり

米国大統領選まで1週間を切りました。先週末、クリントン候補の国務長官時代の私用メールアドレス問題が再浮上。トランプ候補が急速に支持率あげ、一部ではトランプ候補リードが伝えられます。市場は、この不透明ムードにリスク回避で反応。円やスイスフランといったリスク回避通貨買いが起こりました。(『億の近道』式町みどり)

プロフィール:式町みどり(しきまちみどり)
学習院大学経済学部卒業後にフランス語を習得、1973年に仏ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店入行。長年にわたり内外金融市場で為替・資金・債券・デリバティブ等のディーラーとして活躍。同行資金本部長を経て退職後、ファイナンシャル・プランナー資格(AFP、CFP®)を取得。NPO法人を立ち上げ、消費者向け講座企画・運営、セミナー、ワークショップの企画事業を行なっている。

強まるリスク回避の動き。1ドル101~105円でボックス形成か

米国大統領選は1週間前からが勝負

米国大統領選まで1週間を切りました。先週末、クリントン候補の国務長官時代の私用メールアドレス問題が再浮上。トランプ候補が急速に支持率あげ、一部ではトランプ候補リードが伝えられます。市場は、この不透明ムードにリスク回避で反応。円やスイスフランといったリスク回避通貨買いが起こりました。

米国大統領選挙は、1週間前あたりが最後の勝負時とも言われ、過去の選挙でも1週間前に起きた問題が決定打となったケースもあります。

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トランプ氏の女性問題とは質が異なり、クリントン氏は以前から陰謀めいた事柄や冷酷なイメージが嫌われるとも言われます。国務長官時代の私的メールアドレス使用問題のみならず、ベンガジ事件、さらに夫の元大統領も含めて献金問題もあり、スキャンダラスで一部は国家反逆罪(?)疑惑に通じるとも言われ、大統領の資質より資格を問う声も強くあります。

トランプ候補は(女性問題などの)失態で支持率が下がっても、すぐに元へ戻るのが特徴。一方のクリントン候補の支持率は、ほぼ変わらず上がりもしない傾向があります。

クリントン陣営、女性問題で相手の失態戦略をしているうちに、直前になって自分のメール問題が再浮上して1週間前を迎えるということになりました。まだ6日あります。直前にさらに違う展開があるかもしれません。

「どちらが勝つか」以外にも市場リスクはある

2名の支持率の差ばかりが報じられますが、今回の大統領選には、2人を含めて4名の候補がいます。他の2人への投票がどうなるかも多少結果を左右します。また、同時に行われる最高裁判事1名、上院、下院の議員選挙も大統領選挙(および今後の政治)へ影響するので、蓋を開けてみないと分からないといったところでしょう。

次期大統領がクリントン氏ならオバマ路線の現状維持、トランプ氏ならサプライズでリスクオフ反応「トランプリスク」と言われますが、一部には実業家出身のトランプ氏の方が経済には良い影響があるだろうという見方もあります。むしろ政治家として諸スキャンダル疑惑のあるクリントンの方が、リスクと見る向きも私の周りにはあります。

どちらが当選するかという問題以外に、もう一つあるリスクが、選挙延長の可能性と言われます。

以前からトランプ候補が主張している選挙の「不正操作」。もし、結果に異議申し立てがある場合など、以前ブッシュvsゴアでも起こったように、しばらくの期間、結果が明白にならない場合も不透明感として市場でのリスク回避が強まります。選挙にからんで、何があるか分からないという前提も含んでいた方が良さそうです。

経済のみならず、米国社会の現在を見るうえで、この選挙はとても興味深いものがあります。選挙結果への直後の反応のみならず、選挙戦を通じた社会背景にも視点を向けてみるのも長い意味でマーケットを見る参考になると思います。

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