Fedウォッチャーのグレッグ・イップが警告する「景気後退」4つの前兆=高梨彰

影響力のあるFedウォッチャーの1人、WSJ記者のグレッグ・イップ氏が「景気後退前夜」の条件を挙げました。そして、現状はこの条件に該当すると指摘しています。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)

※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2017年7月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:高梨彰(たかなし あきら)
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。

景気後退の条件に合致。現在のマーケットは「不意打ち」に脆い

米連銀を見つめる人々

Fedウォッチャー」と呼ばれる人々がいます。文字通りFed(Federal Reserve:米連銀)を見つめる人々です。記者エコノミストなどが主なFedウォッチャーですが、中には内部情報に詳しい人もいて、一目置かれる存在となった人も多くいます。

グレッグ・イップ氏「景気後退前夜」の4条件

そんなFedウォッチャーの1人、WSJ(Wall Street Journal:ウォールストリートジャーナル)紙の記者、Greg Ip(グレッグ・イップ)氏が、コラムの中で「景気後退前夜」の条件として、次のような項目を挙げています。

  1. 完全雇用に近い労働市場
  2. バブルっぽい資産価格上昇
  3. 中央銀行の金融引き締め
  4. 市場に染み付いた落ち着いた感覚

そして、現状はこの条件に該当するとも述べています。特にオプション市場での低い予想変動率(Implied Volatility:インプライド・ボラティリティ)に、備えの低さが現れていると危惧しています。

先ほどの4項目を今一度見ますと、「低失業率」かつ「高資産価格(面倒なので「株高」とします)」が現状に合致しています。つまり、「低失業率・株高」「低失業率・株インフレ」です。

足元の物価は上昇していない

失業率が低下すると、働く人が足りないということで賃金が上昇する、との考え方が一般的です。そして、賃金が上昇すると消費も増え物価も上がる。こんな連想も働きます。

しかし、世の中の物価上昇率は大して高まっていませんん。7月5日に公表されたFOMC(Federal Open Market Committee:連邦公開市場委員会)議事録でも、物価上昇率が高まらないことについて「一時的」と「一時的とは言い切れない」といった形で両論併記されていました。

足元の物価上昇率は大して上がっていない」ことは事実です。問題は「一時的かどうか」と「なぜ上がってこないのか」です。でも、金融市場では「株インフレ」です。

正直、経済学上の議論にはまったく興味がないのですが、この前提が満たされている中で、ハイテク株が頭打ち状態にあり、この見方が市場に受け入れられやすいところには非常に興味があります。

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