「非対称の収益機会」を最大として、ポジションサイズを調整せよ
とはいえ、「非対称の収益機会に大きなポジションをとる」という考え方自体はとても有用です。
ソロスやポールソンが見つけたような収益機会がいつもごろごろしているわけではありませんし、一般投資家がそれをフルに利用できる環境にいられるとも限りません。でも、収益機会の大きさに応じて、取るべきポジションの大きさは変わってくるはずです。
大して自信があるわけではないけど試し打ちでやってみるディールは、小さめのポジションでやるべきです。でも、ここぞという機会を見つけたら、(絶対に致命傷を負わない範囲内で)できるだけ大胆に取り組むべきです。
ポジションの大きさは、非対称の収益機会を見つけたときを最大として、状況に応じて変化させていかなければなりません。こうしたポジションの大きさの調整は、トレードにおいて極めて大切なポイントであると思います。
(この回終わり)
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『田渕直也のトレードの科学 Vol.032』より抜粋