身代金を要求する「ランサムウェア」はどれほど恐ろしいのか?
欧州刑事警察機構(ユーロポール)は、「ランサムウェア」と呼ばれるコンピューターウイルスによる攻撃だと発表。
多くの機関で、個人が使うコンピューター端末のハードディスクがブロックされ、解除のために仮想通貨「ビットコイン」による支払いを求める文が画面に表示された、と述べています。
その後、アジアに飛び火しました。
インド最大のムンバイ港では、コンテナを管理するシステムが動かなくなり、顧客との連絡が一切取れなくなり、現時点で復旧の見通しは立っていません。
今後、アジアを中心に被害がもう少し拡大すると予測されますが、ここで、問題の核となった「ランサムウェア」につきまして、お話ししたいと思います。
ランサムとは、その名の通り「身代金」を意味します。
侵入したコードが利用者のシステムアクセスを制限し、この制限を解除するため、被害者に身代金を要求するプログラムを「ランサムウェア」と言います。
今回、世界で蔓延している「ランサムウェア」は、2016年に登場した「Petya」の亜種で「GoldenEye」と呼ばれているプログラムです。
「Petya」は、HDDのマスターブートレコードを暗号化し、PCを起動不能にした上で、ビットコインで身代金要求メッセージを表示しましたが、「GoldenEye」は、ファイルの暗号化も行い、現時点で復元するのは不可能だと言われています。
それゆえ、「GoldenEye」は身代金を目的とした「ランサムウェア」ではなく、破壊活動を主とした「ワイパー」だとの見方もあります。
こうなると、現在世界中でサイバーテロが勃発している事実を再認識する必要があります。
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