2. 海外の銀行口座についての疑問を解明する
さて。次に、海外銀行口座にまつわる疑問について、それぞれ詳しく見ていきたいと思います。
【海外銀行口座を開設した後はどうしたらいいのか?】
日本の銀行は、良い意味でも悪い意味でも横並びです。ですからどこの銀行・支店で口座をつくっても、基本的な内容は同じであって、利用者が混乱することはありません。
しかし海外の場合は、国・銀行によってサービス体系や商慣習が違います。
たとえば先ほどご紹介したHSBCやOCBCなどのように、マルチカレンシー(複数の通貨)を取り扱う口座かどうかで、現地通貨の持ち方も変わってくる場合があります。他にはたとえばオンラインバンキングに対応しているかどうか、といった違いが見られます。
海外の銀行口座を利用する上で考慮すべきなのは、海外口座はセキュリティーが高いために、一定期間、口座に動きがない場合、口座を凍結されることがある、ということです。
日本でも昨年12月、10年以上放置された口座の預金を福祉に流用する「休眠預金活用法」が成立しました。とはいえ、それまでは放っておいても大きな問題にはなりません。
万一、海外口座が凍結されてしまった場合でも、普通は電話連絡などをするだけで、すぐに解決はできます。ですが英語を話せない人にとっては、やはりハードルが高いでしょう。このように、海外の口座は開設した後も、定期的に自分でチェックを行う必要があります。
口座を凍結されないための具体的対策とは、
- インターネットバンキングを使った両替、送金
- ATMからキャッシュカードを使った預金の引き出し
といったことです。「年に1回1000円だけでも下ろす」といった操作を行えばいいワケですが、不必要に開設すると、普段、自分がそこにいない分だけ、かえって手間がかかることになりがちです。