法人保険営業について「社長には会えるが、そこから話が進まず、契約までたどり着けない」という相談をよく受けます。これを解決する3つのポイントを紹介します。(『奥田雅也の「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」』奥田雅也)
プロフィール:奥田雅也(おくだ まさや)
事業(医業)経営に関する生命保険・損害保険活用術に精通し、過去20数年間で保険提案した法人数は2,500社以上。現在は大阪を拠点として保険代理店経営・保険営業を行うかたわら、年間60回程度の講演や、業界紙・本などの執筆、コンサルティング業務を展開中。著書に『ここから始めるドクターマーケット入門』(新日本保険新聞社)『法人保険販売の基礎』(電子版・保険社)など。
※本記事は有料メルマガ『奥田雅也の「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」』2017年7月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
「法人経営者から契約を取れない」壁を打破する3つのポイント
社長には会えるが…
最近、法人保険営業について似たようなご相談をいただくことが増えました。下記のような内容です。
「飛び込みやいろいろな開拓によって、法人経営者には会えるようになったが、そこから話がなかなか進まず、契約にまでたどり着けません。どうすれば、法人経営者から保険契約を預かれるようになりますか?」
当メルマガを読んでいただいている方には様々なレベルの方がおられるので、ガンガン法人契約を預かっている方からすれば、当たり前の話かも知れません。ですが、この問題は多くの保険営業パーソンがぶち当たる壁の1つだと思います。
かくいう私も、これは常に意識して取り組んでいるテーマの1つです。
ご相談をいただいたことで改めて考えてみますと、私が考えるポイントは下記の3点です。
- マーケティング
- アプローチ方法
- 勉強法
まずは「マーケティング」から解説します。
1. マーケティング
残念ながら、法人のすべてが見込客(営業対象)ではないと私は考えています。
特に生命保険営業パーソンにとって、優良な顧客の定義は「保険料払込原資を十分に持っている経営者」ではないでしょうか? それであれば、まずは儲かっている法人に行く必要があります。
次に、儲かっている法人でも、自分にとって「合う法人」である必要があります。これは営業パーソンそれぞれのご経験や感性によりますので、一概には申し上げられませんが、「業種」「規模」「社長の年齢・性別」など自分にとって合う経営者を「探す」という感覚で行き先を考える必要があります。
これこそが「マーケティング」の概念で、生意気な表現ですが、「自分の顧客になる人を選ぶ」ことが重要だと思います。
2. アプローチ方法
次に「アプローチ方法」です。
私は講演でいつもお話していますし、実際の現場でもそのように対応していますが、私の前提は「世の中に保険の話が聞きたいという経営者はいない」ということです。
ですから、アプローチ段階で保険商品を切り口にすることは、まずありません。ただ、損害保険については、保険商品が切り口になり得るケースもありますので、一概に言えません。しかし、生命保険契約をターゲットにするのであれば、絶対に保険商品はアプローチには使いません。
では、どうやってアプローチするのか?
それは「社長が経営上、抱えている問題を聞き出して解決のお手伝いをする」ということです。
保険営業パーソンの方で、手っ取り早く成果が欲しいために、保険商品のパンフレットを手当たり次第に配ってニーズの合う人を探すという方法でアプローチをされている方もおられます。しかし、この手法は間違っています。
その理由は、「相手に売り込まれているという嫌悪感を持たせる」ことと、「商品の比較となり優位性のある商品が提案されると負けてしまう」という点です。
ご相談を受けた方々の多くは保険会社に所属されており、(申し訳ないですが)商品競争力が高いとは言えない会社ですので、「優位性が少ない保険商品パンフレットで営業」するということは、とても勝ち目のない戦いをしているようにしか私には思えませんでした。
社長が抱えている経営上の問題を聞き出すためには、多少のテクニックと知識が必要になります。
まずは社長が抱えているであろう経営上の問題を、いくつか事前にピックアップしておき、ある程度の知識と情報を習得した上で、社長に投げかけをします。
この問題解決に生命保険が直接的に役に立つものであればベストですが、直接的に生命保険へ繋げられなくても、社長に「経営の相談ができる人」と認識をしてもらえれば、それだけで十分です。慌てなくても、しっかりとフォローしておけば、いつかは必ずチャンスは巡ってきます。
そして、実際に法人経営者にお会いした際、「お客様で同業の社長はこんな悩みをお持ちでしたが、社長はいかがでしょうか」「多くの経営者からこれらの点で悩んでいると相談を受けますが、社長はいかがでしょうか?」「実はこれを問題と認識されている方は少ないのですが、多くの中小企業では◯◯が将来、問題になるケースが多いことをご存知ですか?」などと言った投げかけをします。
つまり、社長に「ウチもそうだ。で、どうすればいい?」と思わせるような質問を投げかけて、社長に関心を持ってもらうことが、アプローチ方法においては重要だと私は思っています。
そして、この投げかけをする際に、保険営業側がしっかりと勉強をして正しい知識と情報を持っておくことがポイントになります。
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