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日産、4-6月期は営業利益12.8%減 原材料高騰・米市場鈍化が影響

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2017年7月27日に行われた、日産自動車株式会社2017年度第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

2017年度 第1四半期 主要財務指標

田川丈二氏:皆さんこんにちは。本日はお忙しい中、2017年度第1四半期決算発表にお越しくださいましてありがとうございます。

IRを担当しております、田川です。本日は2017年度第1四半期の主要指標、グローバル販売実績及び財務実績をご報告いたします。

プレゼンテーションの終了後に皆様からのご質問にお答えしたいと思います。

2017年度第1四半期は原材料価格の上昇、米国市場の鈍化に加え、中国と中東が当初の想定に反し伸び悩んだほか、欧州においてはモデルチェンジのタイミングの影響を受けました。

一方好調な国内販売と継続的なコストの効率化、これらがマイナス要因を相殺して想定通りの満足のいく結果を残すことができました。

2017年度第1四半期の連結売上高は2兆7,600億円。連結営業利益は1,533億円。売上高営業利益率は5.6パーセントとなりました。当期純利益は1,349億円。売上高純利益率は4.9パーセントでした。

2017年度 第1四半期 販売実績 グローバル

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自動車事業のフリーキャッシュフローは1,126億円。ネットキャッシュポジションは1兆6,456億円となりました。2017年度第1四半期のグローバル全体需要は前年比1.8パーセント増の2,321万台となりました。

当社のグローバル販売台数は前年比5パーセント増の135万1,000台となり国内を中心に販売が拡大しています。グローバル市場占有率は前年比0.2ポイント増の5.8パーセントでした。

2017年度 第1四半期 販売実績 日本

日産、4-6月期は営業利益12.8%減 原材料高騰・米市場鈍化が影響

主な市場の販売状況は次の通りです。

日本国内の全体の国内需要は前年比11.8パーセント増の120万台となりました。

当社の販売台数は前年比45.6 パーセント増の13万1,000台を記録し.、市場占有率は前年比3.6ポイント増の10.9パーセントに達しました。

販売を再開した軽自動車に加え、発売して間もないノートe-POWERと自動運転技術プロパイロットを搭載したセレナを中心とする登録車の好調な販売が引き続き台数増を支えています。

2017年度はプロパイロットを搭載した新型エクストレイルと9月に発表予定の新型リーフによりさらに業績向上を図ってまいります。

2017年度 第1四半期 販売実績 中国

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会計年度が暦年ベースの中国では第1四半期の全体需要は前年比5.2パーセント増の664万台となりました。

当社の販売台数は前年比5.3パーセント増の31万4,000台となり、市場占有率は4.7パーセントでした。

キャシュカイとシルフィーを中心とする商品が台数増に寄与しています。

中国の会計年度は3ヶ月のズレがあるため、第2四半期の販売台数も揃っています。4月から6月までの中国の全体需要は前年比1.2パーセント減の596万台にとどまる一方、当社の販売台数は前年比8パーセント増の33万6,000台に対し、市場占有率は5.6パーセントでした。

1月から6月までの中国の全体需要は前年から2.1パーセント増加し、当社の販売台数が前年比6.7パーセント増の65万台となりました。

2017年度 第1四半期 販売実績 北米

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北米の全体需要は前年比2.1パーセント減の540万台にとどまりましたが、当社は市場をアウトパフォームし、前年比0.6パーセント増の53万2,000台を販売いたしました。

米国の全体重量は前年比3パーセント減の442万台となる一方、当社の販売台数は前年比1.2パーセント増の40万3,000台数となり、市場占有率は9.1パーセントとなりました。

好調なローグと発売から間もないローグスポーツを中心とするエスユービーが牽引役を果たしました。

カナダでは前年比4.6パーセント増の4万1,000台を販売し、市場占有率は前年比並みの6.7パーセントでした。

メキシコの当社の販売台数は前年比3.7パーセント減の8万8,000台にとどまったものの、首位の座を維持し、市場占有率は24.1パーセントでした。

2017年度 第1四半期 販売実績 欧州(ロシア含む)

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ロシアを含む欧州における当社の販売台数は18万5,000台となり、前年から1.1パーセント増加いたしました。

ロシアを除くと欧州の販売台数は前年比0.2パーセント減の16万2,000台で、市場占有率は前年並みの3.4パーセントでした。

これはキャシュカイ、エクストレイルのモデルチェンジを控えたタイミングであったことから想定された結果でした。

新型キャシュカイは第1四半期末、新型エクストレイルは7月にそれぞれ発売され、今後の販売台数の改善に寄与することを見込んでいます。

ロシアにおける当社の販売台数は前年比10.8パーセント増の2万3,000台となり、市場占有率は5.9パーセントでした。

2017年度 第1四半期 販売実績 その他市場

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その他市場における当社の販売台数は一部の不安定な市場がある中、前年比1.2パーセント増の18万8,000台となりました。

アジアとオセアニアを除きすべての市場で日産は市場をアウトパフォームする結果となりました。アジアとオセアニアでは前年比1.2パーセント減の8万3,000台を販売しました。

中南米の販売台数は前年比14パーセント増の4万3,000台。中東の販売台数は前年比5.8パーセント減の4万2,000台となりました。

アフリカとその他市場における販売台数は前年比1.9パーセント増の2万台となりました。

2017年度 第1四半期 財務実績①

日産、4-6月期は営業利益12.8%減 原材料高騰・米市場鈍化が影響

次に2017年度第1四半期の財務実績をご説明いたしますが、これまでの発表と同様に中国の合弁会社に持分法を適用する会計基準に基づきご報告いたします。

連結売上高は2兆7,600億円となりました。連結営業利益は1,533億円、売上高営業利益率は5.6パーセントとなりました。当期純利益は1,349億円。売上高利益率は4.9パーセントとなりました。

2017年度 第1四半期 財務実績②

日産、4-6月期は営業利益12.8%減 原材料高騰・米市場鈍化が影響

連結営業利益の増減要因は次の通りです。昨年度実施したカルソニックカンセイ社の株式売却による影響、61億円を調整いたしました。

為替変動は21億円の減益要因となりました。原材料価格の上昇は190億円の減益要因となりました。

台数及び車種構成は181億円の増益要因です。販売マーケティング費用は増加し、508億円の減益要因となりました。

購買コストの削減と商品性向上コストを含むコスト項目は482億円の増益要因となりました。研究開発費及び生産コストは71億円増加しました。

その他項目は37億円の減益要因となりました。

2017年度 第1四半期 主要財務指標

日産、4-6月期は営業利益12.8%減 原材料高騰・米市場鈍化が影響

中国合弁会社比例連結ベースの財務実績は次の通りです。連結売上高は3兆300億円でした。連結営業利益は1,857億円、売上高営業利益率は6.1パーセントとなりました。

冬季純利益は1,349億円でした。自動車事業のフリーキャッシュフローは1,283億円でした。自動車事業のネットキャッシュポジションは1兆8,250億円となりました。

まとめますと、2017年度第1四半期は原材料価格の上昇、米国市場の鈍化、中国と中東の想定に反する伸び悩み、そして欧州のモデルチェンジのタイミングの影響がマイナス要因となる中、満足のいく実績を残すことができました。

国内販売の回復と最近投入した新型車の好調な販売は心強い限りです。

今後は米国のローグスポーツ、そして中国のキックス、ナバラ、エクストレイル、ヴェヌーシアM50V等の発売して間もない新型車に支えられ、複数の重要な市場で販売台数が伸びる見通しです。

西ヨーロッパには新型キャシュカイとエクストレイルを投入しましたが、両車種ともに旧型車はベストセラーでありました。

日本国内では先日新型エクストレイルプロパイロットを発売し、9月には新型日産リーフのお披露目も控えております。

ルノーや三菱自動車とのアライアンス活動による効果と引き続き増大していきます。

2016年度アライアンスは前年比16パーセント増の50億ユーロにのぼるシナジー効果を総出したことを発表いたしました。

さらにアセアン地域を中心に三菱自動車とのアライアンス活動も心強いシナジー効果を生み出しつつあります。

今後も年度を通じてぶれない活動とコスト管理を徹底し、事業のさらなる効率化を図ってまいります。

2017年度 株主還元

日産、4-6月期は営業利益12.8%減 原材料高騰・米市場鈍化が影響

市場の先行き不透明感と原材料価格の上昇が想定されるものの、2017年度も確かな収益とフリーキャッシュフローを確保することができると見込んでおります。

また日産の主要市場でのブランド力、商品競争力の向上やコスト削減の効果による収益性の改善を評価し、格付け機関のS&Pが6月に当社の長期格付けをシングルAに、短期格付けをA1にそれぞれワンノッチ格上げしました。

以上のことから2017年度の通期予測に変更はなく、当初の計画通り前年に対して10.4パーセントの増配となる1株当たり53円の通期配当を実施する予定です。

ご清聴ありがとうございました。

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