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トランプ相場の牽引役「三菱UFJ」はなぜ買われたか。売り時はいつ?=栫井駿介

ドナルド・トランプが次期大統領に決まり、市場が活況を呈しています。それはアメリカだけにとどまらず、日本株にも及んでいます。特に大きな上昇を続けているのが銀行株で、中でも三菱UFJ<8306>が顕著です。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

銀行株は下落局面ではより大きく下がる傾向。フェアバリューは?

上がる理由は「アメリカ戦略」にあり

メガバンク3行の中で、三菱UFJの大統領選挙後の上昇率は他を大きく引き離します。

11/8(選挙前) 11/18 上昇率
三菱UFJ<8306> 533 662.2 24.2%
三井住友FG<8316> 3,573 4,116 15.2%
みずほFG<8411> 175.7 197.1 12.2%

その要因として挙げられるのが、同社のアメリカ戦略です。資金運用収益に占める海外の割合は50%を超え、その大部分がアメリカにおけるものです。

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米国子会社のMUFGユニオン・バンクを傘下にしている他、モルガン・スタンレー銀行に22%を出資し、持分法適用会社としています。トランプ政権下での金利上昇や規制緩和による業績向上を期待した買いが進んだと考えられます。

三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 日足(SBI証券提供)

三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 日足(SBI証券提供)

マイナス金利で下がりすぎていた

三菱UFJは、今年の2月に導入されたマイナス金利の影響で大きく株価を下げていました。しかし私は、本来の価値に対して下がりすぎていたと考えています。

日本の金利はマイナス金利導入以前から相当低い水準が続いていました。そのため、マイナス金利はそれまでの前提を揺るがすような出来事ではなかったのです。

また、同社はマイナス金利以前から手数料ビジネスの強化や海外への進出を積極化させています。そのため、マイナス金利の影響は他の銀行に比べて小さいと言えるでしょう。

私は9月17日の会員向けレポートで三菱UFJを推奨しました。もちろんトランプ相場を予想していたわけではありませんが、本来の価値に対して割安だと考えていたのです。

本来の価値より割安な銘柄は、潮目が変わった局面で適正な水準に見直される「幸運」が訪れることが期待できます。それが当社の掲げるバリュー株投資の醍醐味です。

Next: 上昇を続けてきた三菱UFJ、売りどきはいつなのか

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