ビットコインから分岐した新仮想通貨、ビットコイン・キャッシュの価格上昇—ビットコイン価格への影響は

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取引処理能力の問題をめぐって、ビットコイン(Bitcoin)から分岐した新たな仮想通貨ビットコイン・キャッシュ(Bitcoin Cash)が誕生した。分岐の予定時刻は当初日本時間8月1日午後9時20分とされていたが、このおよそ6時間後、日本時間8月2日午前3時14分になってようやくビットコイン・キャッシュのマイニング(採掘、通貨発行作業)が開始され、好調とはいえない滑り出しとなった。しかし、本稿作成時点の価格は分岐直後の1.8倍ほどとなっている。

ビットコイン・キャッシュとは、ビットコインの既存のソフトウェアと取引履歴から分岐して異なるルールを適用するものだが、この過程で分岐前にビットコインを所有していたすべてのユーザーはビットコイン・キャッシュの所有権が自然発生することとなる。ビットコイン・キャッシュを顧客の資産として取り扱うことを明言する取引所やウォレットなどに預けていた場合、これを所有することができる。

例えばフィスコ<3807>傘下のフィスコ仮想通貨取引所の場合、分岐前に顧客が所有していたビットコインと同額のビットコイン・キャッシュを顧客の資産として管理し、入出金に対応することをアナウンスしている。国内の取引所ではすでにビットコイン・キャッシュの取引サービスを提供すると明らかにしているところも複数存在する。

現在のビットコイン・キャッシュ価格はビットコインの約6分の1となる460米ドル前後を推移し、分岐開始時点の260米ドルからは約1.8倍の価格水準となっている。時価総額は約73億米ドルで、仮想通貨市場全体の上位3位に入る規模だ(コインマーケットキャップより)。ただし、今後のビットコイン・キャッシュの影響力については専門家の間でも意見が割れている。

現時点でビットコイン・キャッシュのマイニングを行うマイナー(採掘者)はビットコインよりも非常に少なく、規模も小さいためにビットコインよりも発行速度が遅い状態となっている。いまの状態でビットコイン・キャッシュの価格が下落した場合にはマイナーがマイニング作業をするインセンティブも低下するため、期待買いがひと段落した後に価格が一気に下がった場合にはマイニング作業をするものが激減して、存続の危機が生まれる可能性がある。

また、ビットコインとビットコイン・キャッシュという2つの仮想通貨から選択することの紛らわしさからユーザーの誤解を招く可能性や、詐欺に利用されることを懸念する声も存在する。ビットコイン・キャッシュが当初謳っていたビットコインとの最大の違いは、10分間に処理できる取引量の大きさだったのだが、現時点ではその容量も十分には利用されていないとの指摘もある。

一方でビットコイン・キャッシュ分岐後のビットコイン価格は3%前後程度の下落にとどまっており、まだ大きな影響は見られていない。分岐前には、ビットコインから派生したコインが誕生することがネガティブな要因となって他の仮想通貨へと資産を移行する動きが生まれる可能性も指摘されていたが、分岐から1日弱の現段階ではこのような動きは生まれていないようだ。

昨年イーサリアムからイーサリアム・クラシックが分岐した際には、分岐直後に新しい仮想通貨であるイーサリアム・クラシックの価格は一時高騰してイーサリアムの約3分の1に迫る勢いを見せたが、その後約60%下落した。このような前例を踏まえて、ビットコイン・キャッシュの価格についても動向を注視しておきたい。



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