ドラえもんの秘密道具で、どこにでも行ける便利なアイテムといえば「どこでもドア」ですよね。他に、通り抜けた人の体が小さくなる「ガリバートンネル」なんてものもありますが、もしもこれらの道具が実在したら、不動産投資の常識はどう変わると思いますか?投資家目線で、あえて真面目に考えてみましょう。(『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』姫野秀喜)
プロフィール:姫野秀喜(ひめの ひでき)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。
不動産投資家を「破産」に追い込む!? ドラえもんの秘密道具
もしも「どこでもドア」があったら
都心の駅から近い物件はいいですよね。東京23区の中心で駅から徒歩5分圏内なんて、客付けに困らなさそうです。
駅からの距離は動かせないので、可能であれば駅近を買うことは正しいと思います。物件を探しているとたまに、バスで20分とか、徒歩50分くらいの物件を見ることがあります。駅を使わず自動車で生活する人であれば問題ないのですが、仮に都心へ電車通勤しなくてはならない人の場合、駅から遠い物件は避けると思います。
どんなに土地の評価が出ても駅から遠すぎて入居付けに苦労する物件はダメですし、逆に評価が出なくても駅近で入居付けが完璧なら、ある意味それは良いとも言えます。
駅から遠い物件と近い物件の資料(マイソク)を眺めながら、ふと、もし「どこでもドア」があったら、不動産投資の常識ってかなり変わると思いました。
まず前提を2つ置きます。
- どこでもドアは、一度行ったところにしか行けない
- どこでもドアは、ドアのサイズを超える大きさは出入りできない
1個目の前提はドラえもんの中でもよく言われることで、ドアノブを握ったときに脳裏にイメージした場所に行くので、想像できない場所には行けないということでした。
のび太がドアを開けるとかなりの確率でしずかちゃんの家のフロにつながってしまうのは、のび太の脳裏で無意識にしずかちゃんの家のフロをイメージしているからです。
2個目の前提は、ドラえもんの未来の世界でも自動車や飛行機はありますので「どこでもドア」は大量輸送や大型の輸送には使えず、あくまであのサイズでパーソナルユースに限られているというものです。
おそらくどこでもドアの原理上、2点の間の空間を歪めているわけなので、ドアのサイズを超えて空間を歪めると世界に負荷がかかりすぎるということでしょうか。
2個目の前提は、話を不動産投資の物件に限定したかったので付け加えました。もし大型の輸送がどこでもドアでできるようになると、不動産どころか物流革命が起きるので、世界の制約条件が大幅に変わってしまい、話が分かりにくくなるためです。
さて、話を戻すと、どこでもドアがあれば、駅徒歩5分の物件と駅徒歩50分の物件の客付け競争力が同じになります。どこでもドアを使えば、どちらも駅徒歩10秒です。
そうなると、わざわざ駅前の家賃が高く狭い物件に住む必要はなくなります。郊外の自然豊かなところに住んでもいいです。周囲は田畑しかないけど、最新の設備がついているマンションに住んでも良いです。それどころか、九州や北海道に住んで、東京に通勤でもいいし、ハワイに住んでも良いです。実家から通えないからとアパートを探していた新社会人は、引き続き、実家から通うことが出来るようになり、めでたしめでたしです。