マーケットプレイス型ビジネスでまず集めるべきは「売り手」と「買い手」のどちら?=シバタナオキ

今回は「何でも質問できますコーナー」への回答です。ご質問はこちらから! おかげさまで大変好評をいただいており、質問数が非常に多くなっています。マーケットプレイス型ビジネスで最初に集めるべきは売り手か買い手か? ポイントバックビジネスはイケてるのか? など、いくつかまとめて回答させていただきます。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2017年8月1日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

SearchMan共同創業者のシバタナオキ氏が「経営の疑問」に回答

Q1:マーケットプレイス型のビジネスで最初に集めるべきは「売り手」or「買い手」?

ランサーズが最近出したサービス「pook」に関する記事なのですが、「家事代行や英会話、パーソナルトレーニングと行った分野に特化したC2Cサービスはこれまでにもあったが、そうしたサービスは依頼に対してサービス提供者の登録が追いついてなく、マッチングが起きづらいこともある」と書いてあります。

一方、サイタというサービスの開発者の方が書いた記事では、「教える人が『売り手』、習いたい人が『買い手』」であり、「買い手を集める方が断然難しい」と書いてあります。

両者は真逆のことを言っているように感じるのですが、なぜこのような現象が起きているのでしょうか。

<A:2パターンありえると思います>

ご質問は、マーケットプレイス型のビジネスで、買い手と売り手のどちらを先に集めるべきか、という質問だと理解しました。

これはケースバイケースではあるのですが、2つの事例を詳しく見てみたいと思います。

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ランサーズのケースは、提供するサービスが、家事代行やパーソナルトレーニングなど、既存のサービスが明確に存在するものです。つまり明らかに買い手がいることが分かっているわけです。

この場合、売り手を見つけることができれば、高い確率で買い手とマッチングさせることができる、という状況にあります。

このような場合は、「まずは買い手を先に集めてしまい、そのパワーを利用して、売り手を集める」という作戦が良いのかもしれません。つまり売り手に対して、「 既にサービスを買いたい人がたくさんいるので、サービスを提供する売り手になってください」と宣伝することになります。

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一方でサイタの場合は、提供しているサービスが少し異なります。どちらかというと習い事系なので、ランサーズのケースと比べると、ニーズが顕在化しにくいものです。

この場合、お金を稼ぎたいと思っている売り手、つまり習い事を教える人達はそれなりに多数いるわけですから、まずは売り手を先に集めて、その売り手の実績を持って、買い手を集めるという作戦が良さそうに見えます。

つまりまとめると、売り手と買い手のうち、先に集めるべきは、「より強いニーズがあって簡単に集めやすい方」ということが言えるのではないでしょうか。

Q2:ポイントバックビジネスはイケてるのか?

ポイントサイト/モール業界について質問させて下さい。

この業界は十数年前からあり、ここ数年で、voyagegroup、ceres、realworldなどの事業者が上場しました。

注目度の低い業界ではありますが、どの会社もキャッシュカウ事業にしているくらい、安定した事業にも見えます。

この業界、実はイケてるのか、それともただのスモールビジネスなのか、取り上げていただけると幸いです。

<A:収益性は高いけど、スケールするのに工夫が必要だと思います>

ポイントバックビジネスは元手が不要で、一般的に継続率の非常に高いサービスであるため、一度獲得したユーザーから長期にわたって収益が得られるビジネスになるケースが多くなっています。

そういった意味で、おっしゃるように、キャッシュカウになりやすいビジネスではあります。

一番の難点は、スケールさせるのが難しい点にあります。ポイントバックサービスを利用するには、ユーザーがわざわざポイントバックサービスを経由して買い物をする必要があるため、ユーザーから見るとひと手間かかります。その手間をかけてまでポイントバックが欲しいと思うユーザーが、どのくらいいるかというのが最大のポイントです。

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例えば、楽天が買収したアメリカのEbatesという会社はeコマースのポイントバックサイトですが、買収金額が約1,000億円と非常に大きかったにも関わらず、今でも成長を続けています

Ebatesの場合、主要なeコマースサイトほぼ全てと接続しており、ネットワーク外部性が働くレベルまでビジネスが大きくなっている点が、強みだと考えられます。

単なるポイントバック機能だけではなく、Ebatesのように、何らかの形でネットワーク外部性が働くレベルまでビジネスを積み上げることができれば、スケールするビジネスになると考えられます。

Next: Q3:HR Techの今後 | Q4:F5Networksの財務面での分析

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