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安倍改造「仕事人内閣」は仕事ができない? 支持率アップ次の一手とは=斎藤満

安倍内閣「次の一手」は何か?

内閣改造で期待したほど支持率が上がらないとすれば、次に打ってくる手は何か。民進党がガタガタしているうちに、そして小池新党ができないうちに解散総選挙も考えられますが、仙台市長選をみると、受け皿がないからといって自民が勝てるという保証もなく、みすみす3分の2の議席を維持できなくなれば、自ら墓穴を掘ります。2007年は参院選で大敗し、辞任に追い込まれた経緯があります。

結局、より安全な支持率回復作戦としては、外交戦略で得点を稼ぎつつ、国内では徹底的に経済対策を優先し、大型補正予算を組んで株価を押し上げようということになるのではないかと見られます。これを進めるなかで大臣の問題発言、スキャンダルが出なければ、支持率の持ち直しも可能です。

油断できない総理自身の問題

その中で油断できないのが、総理自身の問題がさらに突っ込まれることです。森友学園の籠池夫妻が逮捕され、これから様々な取り調べがなされますが、その中で安倍昭恵夫人の問題や土地の不当な値引きに関して、国の関与、総理との関わりが飛び出さないとも限りません。

また加計学園問題でも、巨額の利益供与の裏で、金銭的な問題、つまり贈収賄の問題が飛び出さないか、これもまだ予断を許しません。一部には加計学園サイドから、「(安倍に)年間1億円ぐらい出している」との発言もあったと聞きます。36億円もの土地がなぜ無償譲渡されたのか、金銭的な問題はまだ十分に明らかにされていません。

政策の問題が不評を買ったのであれば、政策で取り戻すチャンスはありますが、一度信用を失ってしまうと、その回復は容易ではありません。不支持の理由のなかで「人柄が信頼できないから」という要因が急増し、トップを占めています。問題の本質にメスが入らないまま、内閣改造で人心一新を図っても、国民の目は騙されません。
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※本記事は、『マンさんの経済あらかると』2017年8月4日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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マンさんの経済あらかると』(2017年8月4日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。

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