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今ってバブルなの?1980年代のバブルと現在の株高の類似点

先週末、日経平均が2万円を突破しました。本日も前場で一時、1万9750円を割り込みましたが、終値は1万9885円と16円高で引けました。最近言われるのが「今はバブルなのか」論です。1980年代のバブルと現在の株高の相似点について人気の有料メルマガ『牛さん熊さんの本日の債券』を発行している牛熊さんが語っています。

『牛さん熊さんの本日の債券』(2015年4月15日号)より一部抜粋

右肩上がりの相場シナリオの危険性

いまさらながら1980年代の日本のバブルは何が原因であったであろうか。その発生は1986年末あたりからとされ、1985年のプラザ合意による円高や、それに対処するための日銀の金融緩和策が、日本の実態経済以上に株や不動産の資産価格を上昇させた。すでに高度成長は止まって低成長時代を迎えていたが、日経平均や地価は右肩上がりの状態が1989年末あたりまで続いたのである。

その上昇トレンドが崩れたことでバブルが崩壊した。銀行の経営などは株も土地も上昇し、急落はしない前提で行われていたことで、不良債権問題が発生し、金融不安が吹き荒れ、日本経済はデフレへと突入することになった。このあたりの分析についてはいろいろな見方もあろうが、少なくとも株と土地が右肩上がりのトレンドとなっていることが当然のこととして認識されていた事がバブル崩壊の最大の原因になっていたと思われる。

現在の日本の状況をみると地価はさておき、株式市場は右肩上がり、長期金利は右肩下がり、もしくは超低位安定が前提となって物事が動いているように思われる。

公的年金などの資産運用については、株式や海外資産などのリスク資産の比重を大きく高めてきている。ゆうちょ銀行などもその方向にあるようだが、これは株式市場などが右肩上がり、もしくは大きく下落しないことが条件となっている。

仮に1990年以降のバブル崩壊のような株式市場の下落が起きるとすべての前提が狂うことになる。
ある程度のヘッジができたとしても、我々の年金資金の運用で大きなマイナスが発生する懸念がある。
国債であれば途中で売却すれば損失が発生するが、少なくとも償還まで保有すれば元本は戻ってくる。

その国債についても、すでに短期債含めて1000兆円という残高となっていることで、長期金利は超低位で推移することがシナリオの前提となってしまっている。予算編成などでは長期金利の2%あたりまでの上昇も考慮しているかもしれないが、現実にそのようなことは簡単には起こらないはずであるというのが市場参加者も含めた素直な見方となっているのではなかろうか。

その背景にあるのが日銀の異次元緩和による大規模な国債買入であるが、今度はその日銀による大規模な国債買入が債券市場では当然のことのようになりつつある。つまりは、日銀の大規模な国債買入や右肩下がりの長期金利のトレンドが前提となっている。この前提条件が崩れるシナリオは本格的には準備はされておらず、あくまでひとつのリスクシナリオでしかない。

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