お金の終わりと始まり。ビットコインブームが告げる金融資本主義の臨界点=伊藤智洋

ビットコインを筆頭に仮想通貨が注目されていることは、紙のお金の信用がなくなってきていることを意味します。大げさに言えば、金融資本主義の終焉です。(『少額投資家のための売買戦略』伊藤智洋)

プロフィール:伊藤智洋(いとうとしひろ)
証券会社、商品先物調査会社のテクニカルアナリストを経て、1996年に投資情報サービス設立。株や商品先物への投資活動を通じて、テクニカル分析の有効性についての記事を執筆。MS-DOS時代からの徹底したデータ分析により、さまざまな投資対象の値動きの本質を暴く。『チャートの救急箱』(投資レーダー社)、『FX・株・先物チャートの新法則[パワートレンド編]』(東洋経済新報社)など著書多数。

※本記事は有料メルマガ『少額投資家のための売買戦略』2017年8月13日号を一部抜粋・再構成したものです。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。今月配信済みバックナンバーや本記事で割愛した全文(NYダウ、日経平均株価の2020年頃までのシナリオ)もすぐ読めます。

まだ世界は「紙のお金」を信じている。投資家は何をするべきか?

急騰するビットコイン

前回「ビットコインは、5月の高値がピークになり、徐々に人気が分散される可能性がある」と書きましたが、読み間違いでした。7月17日に22万5000円程度で押し目をつけた後、急上昇を開始して、8月13日現在の値位置は、すでに40万円を大幅に越えています。

前回も書いた通り、現状での仮想通貨は投機の対象であり、システムの信頼度発行量注目の度合いによって値段が変化しています。

日本で法整備が整ってきたこと、価格の上昇により取り上げられる機会が増えてきたこと、中国の資本流出規制の影響もあり、今年前半に仮想通貨が全般的に上げています。

その中でも、最も注目の度合いの高いビットコインが群を抜く上げ幅となりました。

仮想通貨がこれからさらに拡大していく市場であり、最終的な到達点がまったく見えない状況であるにもかかわらず、前回、ビットコインが他の仮想通貨と比較して高過ぎると判断しました。それは間違っていました

投機になっているなら、人気の高いものに取引が集中するのが当たり前であり、まだ、その人気が終息する状況に至っていないということです。

投機としての仮想通貨の人気は、2019年~2020年頃まで継続する可能性があります。このことは、2019年頃まで仮想通貨が上がり続けて、その後、下降すると言っているわけではありません。仮想通貨は、紙のお金との比較として、価値が上がり続けるかもしれませんが、その価値の上昇に意味がなくなっていくと考えられます。

仮想通貨ブームの「本当の意味」

現在、仮想通貨は、“モノ”として取り扱われているので、いずれは紙のお金と交換することを前提として、価値を判断しています。

しかし、仮想通貨でそのままモノを買うようになっていくのであれば、仮想通貨自体の価値を考えなくなってくるはずです。100円でジュースを買うときに、100円の価値の変化を考える人などいないはずです。

私が2014年頃から仮想通貨を話題として取り上げる理由は、仮想通貨で大儲けしようということではなく、紙のお金の信用がなくなってきていることをはっきりと認識してもらうためです。そして、紙のお金から仮想通貨への変化の意味を考えてもらいたいからです。

この変化は、投機市場の終了(大幅縮小)を意味しています。金融資本主義の終焉というと大げさになるかもしれませんが、少なくとも、現在のように莫大な資金力を生かして、お金でお金を儲けられる状況ではなくなります

Next: 2019年~2020年頃、仮想通貨には次の大きな転換場面が訪れる

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